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「レッキングクルー」の版間の差分

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ダイナマイトで壁を連鎖させて壊すと高得点(800→1600→2400→以後3200点)。4面ごとにボーナスステージが存在し、ライバルのブラッキーより早く壁の中に隠された[[コイン]]を探し出すとボーナス点を獲得できる。一度目の破壊でコインを見つければ、さらに多くのボーナス点が獲得できる。隠れキャラは存在しない。
ダイナマイトで壁を連鎖させて壊すと高得点(800→1600→2400→以後3200点)。4面ごとにボーナスステージが存在し、ライバルのブラッキーより早く壁の中に隠された[[コイン]]を探し出すとボーナス点を獲得できる。一度目の破壊でコインを見つければ、さらに多くのボーナス点が獲得できる。隠れキャラは存在しない。


[[バックグラウンドミュージック|BGM]]がファミコン版と全く異なっており、音源化されていない貴重なサウンドとなっている。
[[背景音楽|BGM]]がファミコン版と全く異なっており、音源化されていない貴重なサウンドとなっている。


対戦プレイを行うためには、純正VS筐体やタイトーのVSキック&ラン純正筐体、セガのバーサスシティなどの同様の対戦台用の筐体か、通常の筐体を2台用意する必要がある。純正でも、テーブルまたはミニアップライト筐体では1人用しかできない。
対戦プレイを行うためには、純正VS筐体やタイトーのVSキック&ラン純正筐体、セガのバーサスシティなどの同様の対戦台用の筐体か、通常の筐体を2台用意する必要がある。純正でも、テーブルまたはミニアップライト筐体では1人用しかできない。

2021年11月23日 (火) 08:29時点における版

VS.レッキングクルー
ジャンル アクションパズル
対応機種 アーケード (AC)
開発元 インテリジェントシステムズ
発売元 任天堂
プロデューサー 横井軍平
デザイナー 坂本賀勇[1]
音楽 田中宏和
美術 坂本賀勇[1]
人数 1 - 2人(同時プレイ)
メディア 業務用基板
稼働時期 日本 1984081984年8月
対象年齢 CEROA(全年齢対象)
デバイス 8方向レバー
2ボタン
システム基板 任天堂VS.システム
CPU N2A03(@ 1.789772MHz)×2
サウンド N2A03(@ 1.789772MHz)×2
DAC(@ 1.789772MHz)×2
ディスプレイ ラスタースキャン
横モニター
512×240ピクセル
パレット128色
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レッキングクルー』 (WRECKING CREW) は、任天堂より発売されたアクションパズルゲーム。1984年8月アーケード版『VS.レッキングクルー』(VS. WRECKING CREW)が稼働された後、ファミリーコンピュータなどへ移植された。

概要

ヘルメットをかぶりハンマーをかついだマリオルイージがビルの解体屋となって活躍するゲーム。任天堂VS.システムを使用したアーケード版がオリジナルであり、ファミリーコンピュータ(以下ファミコン)版はその移植である。アーケード版が対戦を強く打ち出した内容(2人用は同時プレイ)なのに対し、ファミコン版は1人でのプレイを主眼とした内容(2人用は交互プレイ)となり、パズル性がかなり高められている。なお、本作のルイージは他作品のような白や緑色の服装ではなくマリオと同様に赤系統の配色になっており、アーケード版ではルイージの方がやや色が薄くピンク色に近い服装、逆にファミコン版ではルイージの方が濃い赤色の服装で肌が白くなっている。

アーケード版『VS.レッキングクルー』は日本国内で1984年8月に発売された。1985年6月18日にゲーム内容をアレンジしたファミコン用のロムカセット版『レッキングクルー』が発売。定価は5,500円。1989年2月3日にはファミコンロム版を移植したディスクシステム版も書き換え専用ソフトとして発売された。

1998年1月1日には、原作からゲーム内容を大幅にアレンジしたスーパーファミコン版『レッキングクルー'98』(WRECKING CREW'98)がニンテンドウパワーで書き換え開始。5月23日にはニンテンドウパワーと同内容のロムカセット版も発売された。移動して壁を壊すという要素は同じだが、対戦型のアクションパズルとなっている。

2004年5月21日ファミコンミニシリーズ第二弾の内の一本としてゲームボーイアドバンス版が発売。内容はほぼファミコン版の移植である。ハイスコアのセーブ等が可能で、更に新機能にデザインモードの作成で一斉に配置などが出来る便利機能が追加されている。

2008年2月5日からWiiバーチャルコンソールでファミコン版が配信されている(500Wiiポイント)。ファミコンミニに搭載されてあったデザインモードの便利機能も搭載されており、周辺機器なしでデザインしたステージをセーブすることが出来るようになっている。

2011年ニンテンドー3DSを価格改定前に購入し、なおかつ1度でもニンテンドーeショップにアクセスしたユーザーに、アンバサダー・プログラムで先行版バーチャルコンソールにおけるファミリーコンピュータの無料配信10タイトルの1つとして配信された。2012年9月19日から一般配信もされておりWii版と同価格だが、デザインモードのセーブ機能は使用不可になっている。

2013年6月19日Wii Uバーチャルコンソールが配信開始。価格はWii版・3DS版と同じ(Wii版を購入済みなら、優待価格100円)、デザインモードのセーブ機能は使用可能である。

2020年5月1日Nintendo Switchアーケードアーカイブスにてアーケード版が配信開始[2][3]

ゲーム内容

VS.レッキングクルー(アーケード版)

マリオ(2プレイヤーはルイージ)を操り、敵キャラクターを上手く回避・誘導しながら建物内の全ての壁やハシゴを解体するアクションゲーム。ダイナマイトを使用すれば、隣接する壁やハシゴにハンマー1回分のダメージを与え一気に壊せるが、壊す順番をよく考えないと制限時間に間に合わない。なお、アーケード版ではファミコン版と異なり、支柱やドラム缶がない、すべてのフロアに床が存在し、物理的に到達不可能な場所がない、などパズル的要素は希薄で、手詰まりは存在しない。

高次面になるとほぼ全面に壁が存在するようになり、更に高次面になると次第に壁が硬くなり、壊すために叩かなければいけない回数が増える。敵に触れたり制限時間がなくなるとミスとなり、残機がなくなるとゲームオーバー。規定得点を得ると残機が追加される。初期設定では50000点で1回で、初回のエクステンドと追加(エブリ)エクステンドをそれぞれ20000〜100000点or無しの8段階から設定可能。なお、敵に触れてミスした場合はその場復活だが、制限時間がなくなった場合は、その面の初期状態まで戻される。制限時間は、面クリア時にボーナス得点として加算される。

筐体の両面にプレイヤーがいる場合は、マリオとルイージで協力または妨害しあって解体していく。1人プレイの場合は、コンピュータ(以下CPU)がパートナー(マリオ側でプレイしている場合はルイージ、ルイージ側でプレイしている場合はマリオ)を担当する。CPUはダイナマイトに隣接する壁や、プレイヤーのいる場所の壁を優先的に壊してきたり、扉を開けてモンスターをプレイヤー側に誘導したりと、プレイヤーの不利になるような行動を取るため、CPUの妨害を交わしながら解体していかなくてはならない。なお、CPUは敵に触れてもミスにならない。

プレイヤーとパートナーが向かい合っている状態で壁などを壊すか扉を開ける、またはパートナーのいる位置の壁に隣接するダイナマイトを壊すとパートナーは最下段まで落ちる。パートナーも同様の行動を取り、その場合はプレイヤーが最下段まで落とされる。なお、いずれもミスにはならない。

ダイナマイトで壁を連鎖させて壊すと高得点(800→1600→2400→以後3200点)。4面ごとにボーナスステージが存在し、ライバルのブラッキーより早く壁の中に隠されたコインを探し出すとボーナス点を獲得できる。一度目の破壊でコインを見つければ、さらに多くのボーナス点が獲得できる。隠れキャラは存在しない。

BGMがファミコン版と全く異なっており、音源化されていない貴重なサウンドとなっている。

対戦プレイを行うためには、純正VS筐体やタイトーのVSキック&ラン純正筐体、セガのバーサスシティなどの同様の対戦台用の筐体か、通常の筐体を2台用意する必要がある。純正でも、テーブルまたはミニアップライト筐体では1人用しかできない。

レッキングクルー(ファミリーコンピュータ版)

ファミコン版はアーケード版を更に発展させたもので、各フェーズ(同作品ではPhaseで区分している)、15✕8階の上下スクロールとなっており、全部で100フェーズ存在する。また、仕掛けとして支柱、ドラム缶などが追加され、パズルゲーム要素が強くなった。タイトル画面から自由にフェーズを選んでスタートすることが可能。

仕掛け

非破壊対象

破壊不可能だが、叩くことができる上に、後述するダイナマイトの爆風は持続する。普段は閉じているが、ハンマーで叩くかダイナマイトを破裂させると開く。一定時間でまた閉じるが、ハンマーで叩いた方が持続時間は長い。ダイナマイトを使用した場合、ステージ上の全ての扉が開く。うまく誘導して開いた扉に敵を誘い込むと、扉に入った敵の攻撃判定がなくなり、重なったりすれ違ったりできる(シルエットの状態で再び扉を潜った敵は元に戻る)。スパナゴン、ナスビ仮面が合計2体以上居るステージで全ての敵を扉に入れると、敵の動きが一定時間止まる。なお、ブラッキーは通り道に閉じた扉がある場合、必ずハンマーで扉を叩いて開けるという性質がある。エディットでは設置は8個までと制限が設けられており、また、支柱の上に置くことはできない。
支柱
破壊可能。上にある物体を支えている柱。叩いて破壊できるが、壊さなくてもクリアできる。ファミコン版から登場したパズル要素の高い物体で、破壊すると真上にある物体が落ちてくる。通常の壁と同じくブラッキーが壊しに来るので要注意。また真上にドラム缶がある場合は特に注意が必要。エディットでは支柱の上に支柱を設定することはできない。また、支柱の上にハシゴがあると壊したときにハシゴがちぎれてしまう。これがハシゴ壁(後述)だった場合、千切れた上段はダイナマイトでしか破壊できなくなる。
ドラム缶
破壊不可能。障害物となる物体で、これがある場所は通り抜けできない。ファミコン版から登場。乗っている支柱を壊して落とすことで敵を中に閉じ込めて動けなくすることができる。ただし自分が入ってしまうと脱出不可能となり火の玉も素通りするためリセットするしかなくなる。またドラム缶の上に降りて渡ることができるが、上階の床面よりも低くなっており、このゲームのマリオはジャンプできないので床面に登ることはできない。場合によっては床面による『はまりこみ』に陥り、この状態になると飛んでくる火の玉にも当たらないため、リセットするしかなくなる。
ハシゴ
破壊不可能。昇り降りすることで上下のフロアに移動できる。爆風は止まってしまう。
ダイナマイト
破壊可能。ハンマーで叩くことで破裂させることができる。使用する事で隣接する破壊可能物体にハンマー1回分のダメージを与える。また、連続で隣接している場合は次々とダメージを与え続ける事が可能。破壊した場合は、得点にも倍率がかかる。破裂する瞬間にマリオとダイナマイトが重なっていると、爆風で1階まで落とされてしまう。他の壊せる物体と異なり、ブラッキーが叩くことは無い。また一定の条件を満たすことで隠れキャラが登場する。

破壊対象

耐久性の違う3種類の壁が存在する。各壁でグラフィックが違い、それぞれ1回〜3回ハンマーで叩くか、ダイナマイトを使用する事で破壊可能。
ハシゴ壁
破壊可能なクリーム色のハシゴ。ファミコン版からは上下に伸びた長いハシゴ壁も登場。しかし、最下段を叩くか、どこか一箇所にダイナマイトの爆風を当てることで一度にすべてを破壊できる。壊した後は昇降できなくなる。また、敵キャラの乗降中に叩くと最下段まで落とすことができる。ブラッキーに壊された場合も同じで、その場合、マリオは最下段まで落とされる。また、支柱によって千切れてしまった場合、ダイナマイトでしか破壊できなくなる。また、破壊前後に関わらず、千切れた部分から降りることが可能である。かなりパズル要素の高い物体で、ダイナマイト、支柱と共によく考えて破壊する必要がある。また、このハシゴ壁は他の物体と同様、ブラッキーに壊される恐れもある。

キャラクター

敵キャラクター

登場するのは、マリオブラザーズに登場した火の玉を除けば独自の敵キャラばかりである。一部のキャラは『大乱闘スマッシュブラザーズDX』のフィギュアで紹介されている。スパナゴンとナスビ仮面は昇降しているハシゴ壁を崩す、ダイナマイトの爆風に巻き込む、ブラッキーに叩かせる、後述のスーパーハンマーを使ってタイミングよく叩くなどで一定時間気絶させることが可能(ただし復活すると移動速度がアップする)。なお、アーケード版の「VS.レッキングクルー」では敵キャラは、スパナやナスビのジャンクを被った地縛霊のような姿をしており、ドアを潜ることでその正体を現すような意匠となっていたが、ファミコン版では、通常時には、その亡霊姿は見えないようになっている。

スパナゴン
スパナでできた恐竜の様な姿をしている。オレンジ色をした「スパナゴン1」と、色をした素早く動く「スパナゴン2」の2種類が存在する。ひたすらマリオを追尾してくる。普通は逃げるほかないが、梯子を下っている時に、梯子を上っている途中のマリオのヘルメットを床と勘違いしてそのまま降ずに歩いていく癖がある。また、紫色のスパナゴンはマリオに叩き落とされると怒って動くスピードが速くなる。また、アーケード版には終盤面から赤と紫の斑模様のスパナゴンも登場する。
ナスビ仮面
ナスに手足が生えた様な姿をしている。マリオを無視して通路に沿って規則的に走り回る。最もスピードが速い。ハシゴがあると登りは3段(ただし、途中に動ける床があれば途中で曲がる)、下りは1段だけ動き、行き止まりがあれば引き返すという習性がある。
ブラッキー
ファミコン版から登場。服装はマリオと似ている。マリオの近くの壁の裏に回り込み、先に壁を破壊してマリオを1階に落とそうとする(但し、1階に落としてもらわないとクリアできないステージも存在する)。逆に、こちらが先に壁を壊せば叩き落とすことができる。2人対戦を前提としたアーケード版から1人用として作り直されたファミコン版での、仮想的な対戦相手役のようである。攻撃判定が無いことや、壁を挟んで対峙し、互いに落とし合うなどの共通点からもそれが窺える。なお、アーケード版ではルイージがブラッキー役を担っていた。
火の玉
一定時間ごとにマリオのいるフロアに現れる。波形に飛びながらフロアを横切り、反対側の端に達すると消える。ファミコン版では1周すると出現のタイミングが早くなる。スーパーハンマーでも倒すことができないが、特定の位置に安全地帯がある。

隠れキャラクター

ファミコン版から登場。特定の条件を満たすと出現する。「文字」は出現させるだけで効果があり、その他のものは重なってハンマーを振ることで取得できる。

  • ダイナマイトから出現するもの。3個以上のダイナマイトがあるフェーズでは順番通り破裂させることによって必ず出現する。
得点800点。
サンタクロース
得点1600点。
招き猫
得点3200点。
スーパーハンマー(ゴールデンハンマー)
得点3200点。いわゆるパワーアップアイテムで、取得するとBGMが変化し(ボーナスステージを除く)、ハンマーを振る動作が速くなってどんな壁も一撃で破壊する事が可能になる。敵をハンマーで直接叩いて落とすことも可能になるが、扉に入っていないスパナゴンやナスビ仮面の場合はタイミングよくハンマーを振らないと体当たりを受けてやられてしまう。また、ある操作により空中移動や、空中移動中にドラム缶が存在する場合に限り、ドラム缶をすり抜けることも可能になる。ミスするまで使用できる。なお、取扱説明書の正式名称はスーパーハンマーだったが、ゲーム攻略本や雑誌などが「ゴールデンハンマー」と間違って紹介したなどで、間違った名称が定着し、後に公認名称となった。
  • 破壊対象の壁(ハシゴ壁は除く)から出現するもの。
文字
M→A→R→I→O(2プレイヤーはL→U→I→G→I)と、順番通りに出現させれば残り人数が1UPする。地形上の関係で出現させることができない、攻略の関係上出現させるとクリアできないフェーズも存在する。

移植版

No. タイトル 発売日 対応機種 開発元 発売元 メディア 型式 売上本数 備考
1 レッキングクルー 日本 198506181985年6月18日
アメリカ合衆国 198510181985年10月18日
ヨーロッパ 198710151987年10月15日
ファミリーコンピュータ インテリジェントシステムズ[4] 任天堂 320キロビットロムカセット[5] HVC-WR - アーケード版とはゲーム内容が一部異なる
2人用は交互プレイ
2 レッキングクルー 日本 198902031989年2月3日
ディスクシステム インテリジェントシステムズ 任天堂 ディスクカード片面 FMC-WRD 書き換え:2万回[6] ファミリーコンピュータ版の移植
書き換え専用
3 レッキングクルー'98 日本 199801011998年1月1日
スーパーファミコン パックスソフトニカ 任天堂 フラッシュロムカセット
ニンテンドウパワー
SHVC-BWCJ - 新作の『'98』とファミコン版の移植のカップリング
書き換え専用ソフト
4 レッキングクルー'98 日本 199805231998年5月23日
スーパーファミコン パックスソフトニカ 任天堂 ロムカセット SHVC-BWCJ - ニンテンドウパワー版の移植
5 ファミコンミニ14
レッキングクルー
日本 200405212004年5月21日
ゲームボーイアドバンス インテリジェントシステムズ 任天堂 ロムカセット AGB-P-FWCJ-JPN -
6 レッキングクルー ヨーロッパ 200708242007年8月24日
アメリカ合衆国 200711192007年11月19日
日本 200802052008年2月5日
Wii インテリジェントシステムズ 任天堂 ダウンロード
バーチャルコンソール
- - ファミリーコンピュータ版の移植
7 レッキングクルー 日本 201108312011年8月31日
アメリカ合衆国 201108312011年8月31日
ヨーロッパ 201109012011年9月1日
ニンテンドー3DS インテリジェントシステムズ 任天堂 ダウンロード
(バーチャルコンソール)
CTR-N-TAGJ-JPN-0 - ファミリーコンピュータ版の移植
アンバサダー・プログラム対象者限定配信
8 レッキングクルー 日本 201209192012年9月19日
アメリカ合衆国 201303072013年3月7日
ニンテンドー3DS インテリジェントシステムズ 任天堂 ダウンロード
(バーチャルコンソール)
CTR-N-TAGJ-JPN-1 - ファミリーコンピュータ版の移植
9 レッキングクルー 日本 201306192013年6月19日
アメリカ合衆国 201306202013年6月20日
Wii U インテリジェントシステムズ 任天堂 ダウンロード
(バーチャルコンソール)
- - ファミリーコンピュータ版の移植
10 レッキングクルー'98 日本 201609282016年9月28日
Wii U パックスソフトニカ 任天堂 ダウンロード
(バーチャルコンソール)
- - スーパーファミコン版の移植
11 ファミリーコンピュータ
Nintendo Switch Online
日本 201907172019年7月17日
Nintendo Switch 任天堂 任天堂 ダウンロード - - ファミリーコンピュータ版の移植
12 VS.レッキングクルー 日本 202005012020年5月1日
[2][3]
Nintendo Switch インテリジェントシステムズ ハムスター ダウンロード
アーケードアーカイブス
- - アーケード版の移植

ファミリーコンピュータ版

マリオ(2プレイヤーはルイージ)を操り、敵キャラクターを上手く回避・誘導しながら建物内の全ての壁やハシゴを解体するアクションパズルゲーム。2人プレイは1人ずつの交互プレイになっている。ダイナマイトを使用すれば壁やハシゴを一気に壊せるが、壊す順番をよく考えないと手詰まりになる。ボーナスステージはアーケード版と共通である。全100面の中から最初のステージを自由に選んでスタート可能。自作の面をエディットできるデザインモードも搭載されている。

ナスビ仮面、スパナゴン、ブラッキー等の敵キャラや、サンタクロース招き猫、ゴールデンハンマー等の隠れキャラクターが登場する。

ロムカセット版ではデザインモードで作成した面の保存にファミリーベーシックデータレコーダが必要。

ファミリーコンピュータ ディスクシステム版

ゲーム内容はロムカートリッジ版と同様だが、特別な機器が無くてもデザインモードで作成した面の保存が可能になっている。ディスク版はディスクシステム最後のマリオシリーズであった。

レッキングクルー'98(スーパーファミコン版)

ローソンにて1997年より開始されたゲーム書き換えサービスニンテンドウパワーで、過去に発売された名作ゲームをアレンジし新作として投入する一環として1998年1月1日に発売された。 1998年5月23日には同内容のロムカセット版も発売。開発元はパックスソフトニカ。日本国内のみで発売され、日本国外未発売。2016年9月28日より、Wii Uバーチャルコンソールにて配信開始。

原作とはゲーム内容が大きく異なり、対戦型パズルゲームに近い内容となっている。また、ファミコン版に準拠した内容の移植版も同時収録されている。

概要(レッキングクルー'98)

キャラクターを操り、配置されている「パネル」を崩したり移動させたりしながら同じ色のパネルを3個以上揃えて消していく対戦型落ち物パズル。3個消しても何も起こらないが、4個以上つなげて消すと相手への攻撃になる。パネルが消え、その上にあったパネルが落ちた先で再び3個以上そろうと「連鎖」となり、攻撃の効果が上がるうえ、連鎖中は3個消しでも攻撃になる。また、一定時間ごとに画面上からブロックが降ってくるが、これを1回削るとパネルになる。また、パネルは追加することもでき、Xボタンを1回押すごとに1列ずつ、何度でも追加可能。色はランダム。

フィールドの画面最上段の線より上までパネルが積み上げられた状態になり、それから3秒以内にその線より下にパネルを収められなければゲームオーバーとなる。

モード

タイトル画面で「レッキングクルー'98」と「レッキングクルー(ファミコン版の移植)」の2つから選択する。

レッキングクルー'98
ストーリーモード・対戦モード・トーナメントモード3つのゲームが楽しめる。いずれも他のプレイヤーもしくはコンピュータとの対戦という形式を取る。得点の概念は無く、1人のみで高得点を目指すようなゲームモードは存在しない。
レッキングクルー
一人用アクションパズル。ファミコン版の移植で、ディスクシステム版と同様にデザインモードで作成した面のセーブが可能である。グラフィックはファミコン版を再現しているが、音楽は少しアレンジされたものに変わっている。

ストーリーモードではヘルメットとハンマーを再び身に着けたマリオを操り、島のどこかにあるというアジトを探してクッパを倒すのが目的。『スーパーマリオブラザーズ3』以降のスーパーマリオシリーズのようにマップ画面が用意され、一度クリアした面は何度もプレイ可。対戦相手にはナスビ仮面・スパナゴン・ブラッキーなどの旧作のキャラクターのほか、新キャラクターとしてオニギリ・オンナノコ・オヤジ・ドグウが登場する。新キャラは初めから対戦できる相手を一定時間内に倒すと登場する。マリオ作品には珍しく、エンディングにノーマル(バッド)エンドとトゥルー(グッド)エンドの2種類がある。

さらに好みのキャラクターを使用して他のプレイヤーやコンピュータと試合ができる対戦モード、最大8人までの参加者間で優勝を競うトーナメントモードではストーリーモードに登場するキャラクターの他、エンディング後はルイージやピーチ姫などのキャラクターも使用できる。

パネル

攻撃パネルは以下の4色あり、色ごとに攻撃の役割がある。

赤パネル
4個以上消すと相手へ「モンスター」を送り込むことができる。モンスターは画面上部にある土管から登場する。パネルをたくさん消すほどモンスターが大きくなり、動きも遅くなる。さらにパネルを奇数個消したときに送れるモンスターはまれに一時停止をし、8個消したときのモンスターは弾を撃って攻撃してくることもある。送れるモンスター数は連鎖数と同じであり、相手フィールドに4匹いる状態で5匹目を送ろうとするとその5匹目が通常と違う隠しモンスターになる。モンスターは上からなら踏めるが、当たるとしばらく操作不能になる。なお、通常のモンスターはフォークリフト、ブルドーザーなど工事現場でよく見かけられる車両が、隠しモンスターは車両ではなく誘導棒、ポールなど工事現場で見かけられる器具がモチーフとなっている。
青パネル
4個以上消すと相手にパネルを送ることができ、パネルが下からせり上がるようなっている。せり上がる位置は画面中央の境界を対称軸としたときに自分がパネルを消した場所と対称の位置にある相手側の列であり、せり上がる数は「その列で消したパネル数×(連鎖数+1)」となっている。つまり、1P側(左)が左から2番目の列で縦に青パネルを4つ消すと、2P側(右)の右から2番目の列に8個せり上がり、1P側が左から1 - 4列目で横に青パネルを消すと2P側の右から1 - 4番目の列に2個ずつせり上がる。なお、せり上がってくる残りのパネル数はその列の一番下に表示されるが、10以上の数は表示されず、10個以上せり上がる場合は表示が絵文字や記号に変わる。残りパネル数が10個を切ると通常の数字表示に戻る。
緑パネル
4個以上消すと自分がそのパネルを消した段と同じ段の相手側のパネルをすべてブロックに戻し、各パネルの中身もランダムに変えられる。消される段数は「(消したパネル数-2)×連鎖数」となる。フィールドには8段しかないので、9段分以上の効果がある場合、全段をブロックにされた後に残りの効果が出るが、残りの効果が出るのは全段が消された直後なので9段以上の効果は実質8段分と同じになる。
黄パネル
4個以上消すと相手に鉄板(後述)を送ることができる。

また、以下の特殊なパネルもある。

鉄板
黄パネルにより相手に送られる黒いパネル。他のパネルのように壊すことはできず、緑パネルでブロックに戻されることもない。爆弾パネル(後述)によってしか壊せない。なお、対戦モードでハンデを設定した際にも、初期に配置されているパネルの一部が鉄板になっている。
爆弾パネル
爆弾のマークが描かれたパネル。Xボタンによるパネル追加で、2回につき1個登場する。このパネルを壊すと、その位置の縦・横方向に隣接するパネルが2個先まで巻き込まれて壊される(ブロックの場合はパネルになる)。鉄板と違い、緑パネルでブロックに戻される。また、爆弾パネルの爆発は1連鎖目とみなされ、パネルが壊されたことによって新たに3個以上の同色パネルが並ぶと2連鎖目になる。

また、どの色のパネルであっても9個以上消すと相手フィールドにクッパが描かれた巨大看板が落下し、相手は強制的に負けになってゲームが終了する。なお、フィールド上からパネル・ブロック・モンスターなどのすべてのものをなくすと「NICE!」な状態になる。この状態になると画面上部のモンスターが登場する土管の部分にキノコが出現し、この状態になってから最初の攻撃の威力が少し高くなる。

主なキャラクター

マリオ
旅から帰ってきたマリオはクッパの悪事を見かね、自宅の奥にしまっているハンマーを取り出しヘルメットをかぶり、久々に解体屋としてアジトを破壊する冒険に出る。
クッパ
クッパ軍団の大魔王。マリオの留守中にその勢力を伸ばさんと、キノコ王国各地にアジト支部を建設する。結果日陰が多くなり王国の住民や植物は迷惑していた。ハンマーは使わず、得意のファイアブレスで壁を破壊する。
ピーチ姫
エンディングに登場するのみで物語には直接関わらないが、その他のモードでは使用することも出来る。トーナメントモードは彼女主催の大会の模様。対戦のときは王冠の代わりにヘルメットをかぶる。
ブラッキー
アジトの1つを守っているマリオのライバル。ヒゲなどのデザインがワリオに近いものに変更されている。今作ではクッパと組んでいる。
ノコノコ
クッパの部下でアジトの1つを任されている。今作唯一のクッパ軍団兵士で、今回のクッパは自らの軍団にあまり頼っていない。
ナスビ仮面
スパナゴン
今作では彼らもアジトを守護している。ナスビ仮面のデザインは変更されている。なお、『大乱闘スマッシュブラザーズDX』のフィギュアのナスビ仮面は旧作のデザインで登場している。

スーパーファミコン用ロムカセット版

ニンテンドウパワーによる書き換え開始から約6ヶ月後となる1998年5月23日には、ゲームショップや玩具店などの一般店舗にてロムカセット版が発売された。ロムカセット版は日本のスーパーファミコン用ロムカセット最後のマリオシリーズであった。同じくニンテンドウパワー書き換え専用ソフトとして供給が行われていた『平成 新・鬼ヶ島』前編・後編のロムカセット版2作と同時発売ソフト。いずれの作品もローソンのみに限定される書き換え以外の供給方法が求められていたため、任天堂がそれに応じる形で発売した。

他のスーパーファミコンソフトと同様に化粧箱へ入れられた状態で販売され、冊子形の説明書も付属した。しかし『レッキングクルー'98』の箱やカセットラベルはゲームの画面写真を大きく据えたのみのデザインで、説明書の内容もニンテンドウパワーの書き換え時に配布または販売された遊び方シートの引き写しであるため、簡素な印象を与えている。

音楽

サウンドトラック

スタッフ

レッキングクルー(ファミリーコンピュータ版)
レッキングクルー'98(スーパーファミコン版)
  • ディレクター:高橋英子
  • プログラマー:なかしまなるみ、荒木泰介、かとうひろたか
  • デザイナー:高橋英子、えのきのりゆき、渡辺直樹、こやまたかし、かじがやれいこ
  • サウンド・ディレクター:田中宏和
  • サウンド・コンポーザー:大久保高嶺
  • プランナー:わかばやしかつひこ
  • スペシャル・サンクス:小田部羊一、立本正博、すみともゆき、むらかみかつのり、ふじのきけいこ、やましたともみ、スーパーマリオクラブ
  • プロデューサー:菱田達也
  • エグゼクティブ・プロデューサー:川口孝司、山内溥

評価

評価
レビュー結果
媒体結果
Computer and Video Games8/10点 (FC)[7]
Eurogamer5/10点 (Wii)[8]
GameSpot7/10点 (Wii)[8]
IGN7/10点 (Wii)[8]
NintendoLife8/10stars (Wii)[8]
6/10stars (Wii U)[9]
レッキングクルー(ファミリーコンピュータ版)

ゲーム誌『ファミリーコンピュータMagazine』の1991年5月10日号特別付録「ファミコンロムカセット オールカタログ」では、「爆弾で、壁を一気に壊すことをおぼえるとやみつきになることうけあい。100面は、ものすごくむずかしい」、「隠された名作パズル」と紹介されている[5]

脚注

  1. ^ a b 多根清史「『メトロイド』を創った男」『CONTINUE』Vol.10、太田出版、2003年6月18日、126頁。 
  2. ^ a b アケアカ VS. レッキングクルー』Switch向けに5月1日配信決定。マリオやルイージを操作して、モンスターのすみかとなったビルを解体しよう!” (日本語). ファミ通.com. KADOKAWA (2020年4月30日). 2020年5月1日閲覧。
  3. ^ a b 福山幸司 (2020年4月30日). “ビル解体ゲーム『VS. レッキングクルー』が5月1日にNintendo Switchで配信決定。マリオとルイージが壁という壁をハンマーで叩き潰すアクションゲーム” (日本語). 電ファミニコゲーマー. Mare. 2020年5月1日閲覧。
  4. ^ INTELLIGENT SYSTEMS CO., LTD. 沿革
  5. ^ a b 「5月10日号特別付録 ファミコン ロムカセット オールカタログ」『ファミリーコンピュータMagazine』第7巻第9号、徳間書店、1991年5月10日、327頁。 
  6. ^ 「ディスクライター 書き換えゲーム全カタログ」『ファミリーコンピュータMagazine』第5巻第12号、徳間書店、1989年7月7日、19頁。 
  7. ^ Wrecking Crew for NES (1985)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2018年1月27日閲覧。
  8. ^ a b c d Wrecking Crew for Wii (2007)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2018年1月27日閲覧。
  9. ^ Wrecking Crew for Wii U (2013)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2018年1月27日閲覧。

関連項目

外部リンク