キャトルミューティレーション

キャトルミューティレーション(Cattle mutilation。bovine excision（ウシの切除）および説明不可能な家畜の死亡(unexplained livestock death)あるいは動物ミューティレーション(animal mutilation)は、通例は無血な状況での、異常なキャトルのミューティレーションである。この現象は野生動物でも見られてきた。世界中で、ヒツジ、ウマ、ヤギ、ブタ、ウサギ、ネコ、イヌ、バイソン、シカ、そしてエルクが同様の無血な切除でミューティレートされた、と報告されてきた。しばしば、耳、眼球、顎の肉、舌、リンパ節、生殖器、そして直腸が切除されている。

動物のミューティレーションの最初の報告以来、自然的分解と通常の捕食からカルトや秘密の政府のそして軍の機関まで、さまざまな説明が、謎めいた捕食動物（『チュパカブラ』のような）と地球外生命体を含む、さまざまな憶測に、提供されている。ミューティレーションは、アメリカで2つの独立した連邦調査の対象となっている。

歴史

説明不能な家畜の死亡の最初期の既知の文書化された発生は、1606年前半に発生した「...ロンドンの街と隣接するいくつかのシャーの周囲で。ヒツジの虐殺はなされ、ある場所では100になり、他の場所ではそれより少ない。そこでは羊からは何も取られていないが、羊脂といくつかの内部部位、死骸全体、そして羊毛がまだ後ろに残っている。この雑多な推測のうち、それはいくつかの花火に向かう傾向があることにほとんどの人が同意する」("...about the city of London and some of the shires adjoining.Whole slaughters of sheep have been made, in some places to number 100, in others less, where nothing is taken from the sheep but their tallow and some inward parts, the whole carcasses, and fleece remaining still behind.Of this sundry conjectures, but most agree that it tendeth towards some fireworks.")発生はイングランドのジェームズ1世の裁判所の公式記録に記されていた。チャールズ・フォートは、19世紀後半から20世紀前半にイングランドで発生したキャトルミューティレーションに関する多くの報告を収集した。ジョン・キールは、オハイオ州ガリポリス周辺のオハイオ川上流域で報告されていた1966年の動物のミューティレーション諸事例の調査について言及した（イヴァン・T・サンダーソンと共に）。

「スニッピー」というウマのミューティレーション

動物のミューティレーションは、1967年に『Pueblo Chieftain』がコロラド州アラモサで不思議なことに殺されてミューティレートされた「スニッピー」("Snippy")と呼ばれるウマについての話を発表するときまで、比較的知られていなかった。

1967年9月9日に、アグネス・キングと息子ハリーは3歳のウマの死体を発見したと伝えられている。そのウマの頭と首は皮をはがされ、肉がうばわれていたし、身体は、王には、非常に正確に見えた切り傷複数を示した。ハリーによれば、現場に血がなかったし、強い薬臭が漂っていた。

物語はより幅広い報道機関によって再発行され、全国に配布された。この事例は、地球外生命体と未確認飛行物体がミューティレーションに関連しているという憶測を最初に取り上げた。コンドン委員会のためのWadsworth Ayerによるその後の調査は、「ウマの死亡が何らかの形で異常な原因に関連しているという主張を裏付ける証拠はなかった」("There was no evidence to support the assertion that the horse's death was associated in any way to abnormal causes")と結論付けた。

ルイス家の人々がアラモサ郡保安官ベン・フィリップスに電話をかけたとき、彼は彼らに、この死亡は十中八九「落雷」("a lightning strike")によるものであり、現場をわざわざ訪問することはまったくない、と語った。事件の初期の報道は、レディをスニッピーと誤って名前をつけた。スニッピーはレディの父親であったし、ネリーの夫バール・ルイスに属していた。後の報道によると、このウマは「臀部を」("in the rump")撃たれたとのことである。しかしながら、アラモサ州立大学の学生2人は、事件が公表されて数週間後に牧草地に忍び込み、馬を撃ったと告白した。

1973年のミューティレーション

1973年12月4日に、法執行機関は、カンザスとネブラスカの7郡でキャトルミューティレーションの波を報告した。性器が除去されていると報告された。複数週間後、11郡で不思議なキャトル38頭の死亡が発生した、と報告された。複数の実験室でのテストは、多くの動物がキャトルの疾病「黒脚症」("blackleg")（気腫疽きしゅそ）で死亡していたことを示唆した。

1974年のミューティレーションと正体不明のヘリコプター

1974年6月までに、ネブラスカ州ランカスター郡にミューティレーションが広がっていると報告された。1974年8月20日に、リンカーン・ジャーナル・スターは、まもなくミューティレーション現場となることになる原にスポットライトを当てている、奇妙な正体不明のヘリコプターを報告した。或る調査官は、ヘリコプターの目撃は毎夜発生したし、FAAと国家警備隊の両方がヘリコプターの活動に気付いていなかった、と主張した。

牧場主らが夜の集会を形成し始めた後、州兵はヘリコプターのパイロットらに、「びくびくいらいらしている農夫ら」("jittery farmers")からの発砲を避けるため通常より高い高度で飛行するよう警告した。州の指導者らは調査を求めた。

1974年10月までに、UFO陰謀理論者らは、牛の切断　が空飛ぶ円盤に関連しているかもしれないと考えていると報告された。

その後の展開

上院議員フロイド・K・ハスケルは、この問題に関する公衆の懸念のために1975年にFBIに助けを求めてコンタクトを取った。彼は、コロラドだけで130のミューティレーションがあった、と主張し、さらに9州で報告した。1979年のFBIの報告によると、ニューメキシコ州警察の調査によると、コロラド州で推定8000のミューティレーションがあり、約100万ドルの損害が発生した。

1967年のスニッピー事象以来、世界中で、主に南北アメリカとオーストラリアで、ミューティレーションの多くの事例が報告されてきている。南アメリカでは、約400の事例が報告された2002年以降、推定3500の事象が発生してきている。ミューティレーション捜査官らは、多くの事例は当局にけっして報告されていない、ひょっとすると10に1にすぎないかもしれない、と主張している。

2019年夏に、オレゴンのシルビー・バレー牧場で雄牛5頭がミューティレートされた。2000ポンドの雄牛1頭あたり6000米ドルの価値があると推定されている。FBIは、この特定の出来事について調査があるかどうかについて論評していないが、シルビー・バレー牧場はこの話題に関する情報に対して2万5000ドルの報酬金をつけた。

特徴

物理肉体的特徴

大部分の場合、ミューティレーションの傷はきれいで外科的に行われているように見える。ミューティレートされた動物はときどき血液が排出されており、すぐ近くあるいは傷の周りに血液の兆候は見られない、と報告されている。

ハワード・バージェスによると、ミューティレートされたキャトルのほぼ90パーセントは4歳と5歳の間である。

一部の事例では、現場近くに奇妙なマークや痕跡が見つかっている。有名な「スニッピー」の事例では、死骸の半径100フィート（30 m）にトラックがまったくなかった（ウマ自身のトラックでさえ身体から100フィート（30 m）以内に消えた）。しかし、この半径内で、地面に「打ち抜かれた」("punched")ように見える小さな穴がいくつか見つかり、茂み2つは完全にぺしゃんこにされていた。1976年6月に、ニューメキシコ州リオアリバ郡で、ミューティレートされた3歳の雌牛からつながる「吸盤ようの印象の痕跡」("trail of suction cup-like impressions")が見つかった。それらくぼみは三脚の形をしており、直径4インチ（10センチ）、間隔28インチ（70センチ）で、死んだ雌牛から500フィート（150メートル）で消えていた。同様の諸事象が1978年にこの地域で報告された。

研究所の報告

一部のミューティレートされた動物で実施された実験報告では、組織サンプル中のビタミンまたはミネラルの異常に高いあるいは低い水準と、動物に通常見られない化学物質の存在が示されている。しかしながら、すべてのミューティレートされた動物がかならずしもこれらの異常を示すとはかぎらず、それらは互いにわずかに異なる異常を持っている。死亡と検死との間の時間と、特定のキャトルに関する背景情報の欠如のために、研究者らは、これらの変異が動物らの死亡に関連しているかどうか判断することが不可能であるとわかった。

ニューメキシコ州の警察とFBIによって記録された或る事例では、ニューメキシコ州ダルシーのマヌエル・ゴメス氏が所有する生後11か月のヘレフォード―シャロレーの雑種の雄牛が、1978年3月24日にミューティレートされたことがわかった。それは、「鋭く正確な器具」(“a sharp and precise instrument”)に見えるもので直腸と性器官の除去を含む、「古典的な」("classic")ミューティレーションの兆候を示していたし、その内部器官は、通常の死亡事例に続く捕食と矛盾していることが判明した。

「肝臓と心臓の両者が白くどろどろであった。両者の器官はピーナッツバターのテクスチャーと一貫性を持っていた」

Gabriel L Valdez、ニューメキシコ警察

その動物の心臓と骨および筋肉のサンプルは、顕微鏡的および細菌学的研究のためにロス・アラモス科学研究所に送られ、動物の肝臓からのサンプルは、2つの別々の私立研究所に送られた。

ロス・アラモスは、心臓に自然に発生するクロストリジウム菌の存在を検出したが、細菌が死後の汚染を示している可能性があるために結論を出すことができなかった。心臓組織に病理学的意義の微視的変化は見られなかった。

動物の肝臓からのサンプルは、銅を完全に欠いており、亜鉛、カリウム、そしてリンの通常水準の4倍を含んでいることがわかった。分析を行っている科学者らは、これらの異常を説明することができなかった。

現場で採取された血液サンプルは、「淡いピンク色」("light pink in color")と「数日後に凝固しなかった」(“Did not clot after several days”)と報告された一方で、動物の皮は新鮮な死亡にしては異常にもろいことがわかった（動物は死後5時間と推定された）し、表面下の肉が変色しているのがわかった。

血液あるいは組織の損傷の原因に関する確固たる結論を報告することができた研究所はなかった。当時、放射線のバーストが動物を殺すために使用され、その過程で赤血球を吹き飛ばしたかもしれないことが示唆された。ロスアラモス科学研究所からのその後の報告により、この地域でミューティレートされた他の雌牛から採取されたサンプルに抗凝固剤が存在することが後で確認されたために、この仮説は後に破棄された。

因習的な説明

ほとんどの論争のある現象の場合と同様に、自然的原因による死亡から未知の個人による意図的な行為まで、キャトルミューティレーションの原因にかんする潜在的な説明がいくつかある。

アメリカ政府の説明

強まる公衆の圧力の下にはいったのち、連邦当局はミューティレーション現象の包括的な調査を開始した。

1979年5月に、事例はFBIに渡され、FBIはタイトル18(Title 18)の下で管轄権をみとめた。調査は「Operation Animal Mutilation」とあだ名づけられた。

調査は、法執行支援局からの4万4170ドルの助成金（2023年時点の$185,400と同等）によって資金提供され、FBI捜査官ケネス・ロンメルが率いた。それには5つの主要な目的があった――

1. 1979年5月より前にニューメキシコで報告された諸事例について可能なかぎり多くの情報を収集することを伴う、助成金の根拠となった情報の信頼性を判断すること
2. 可能なかぎり多くのミューティレーション、特にニューメキシコで報告されたそれら、の原因を特定すること
3. 記述されている家畜のミューティレーションが主要な法執行の問題を構成するかどうかを判断すること
4. もしこれらのミューティレーションが主要な法執行の問題を構成するならば、問題の範囲を決定し、それに対処する方法に関する推奨事項を提供すること
5. もしミューティレーション現象が法執行の問題ではないことが示されるならば、それ以上の法執行調査に資金を提供しないことを推奨すること

1980年6月にリリースされたロンメルの最終報告は、297ページの長さであった。報告の序文で、ロンメルは述べている――「いくつかの推定によれば、1979年までに1万頭のキャトルが不思議なことにミューティレートされた」("According to some estimates, by 1979 10,000 head of cattle have been mysteriously mutilated".)。しかしながら、報告は、ミューティレーションは主に自然的捕食の結果であると結論付けたが、一部の事例には従来の知識では説明できない異常が含まれていることを認めた。FBIは、ミューティレーションの原因となった個人らを特定できなかった。調査の詳細は今や情報公開法の下で利用可能である。リリースされた資料には、ロンメルからの通信を含んでいて、そこで彼は、「最も信頼できる情報源は、この被害を通常の捕食動物と清掃動物の活動に帰している」("most credible sources have attributed this damage to normal predator and scavenger activity")と述べている。

ニューメキシコ州の巡回員Gabe Valdezは、ロンメルの報告の時点で数十件のミューティレーション事例を調査していたが、捜査官クリストファー・オブライエンに、「ロンメルがニューメキシコでミューティレーションを積極的に調査していた6〜8か月の間に、州（特に北部の層）は突然静かになり、当局に報告された真のミューティレーションは（たとえあっても）ほとんどなかった」("during the six to eight months when Rommel was actively investigating the mutilations in New Mexico, the state (especially the northern tier) became suddenly quiet with very few (if any) true mutilations being reported to officials")と語った。バルデスは、ミューティレーターらが作戦行動を西の他の地域に移したために、ロンメルは単一のきわめて奇妙な事例を調査することは決してできない、と確信していた。ロンメル（元FBI銀行強盗の専門家）は、死んだ壊死している雌牛らにうんざりし、車の中で風上で待っている間、他の人らに実際の調査をさせることを選んだ。

この時期に、カナダ西部は特に大きな打撃を受けた。ロンメルの調査の6〜8か月の間に、RCMPの調査官であるカルガリー分遣隊のリン・ラウバー伍長（彼はカナダのミューティレーション調査を担当した）は、多数の奇妙な事例を調査した。ロンメルの最終報告が一般に公開されたとき、ラウバーは、調査員トミー・ブランドによる質問に答えた――「ロンメルが[実際の]ミューティレーションを直接目撃することなく、これのような発言をする方法を理解するのは難しいと思う」("I find it difficult to understand how Rommel could make a statement such as this, without ever having personally witnessed a [real] mutilation firsthand")。彼はまた「わたしは、ロンメルはわれわれの確認された事例を捕食動物によるとして不適切なものとすると見たい」("I would like to see Rommel write off our confirmed cases as due to predators")と述べた。

FBIが関与する前に、ATF（アルコールタバコ火器爆発物局）はこの現象について独自の調査を開始した。

両者の連邦捜査の前に（そしてある程度は後に）、ニューメキシコ州の法執行当局によって実施された州レベルの調査が行われた。この調査では、一部のミューティレートされた動物はミューティレーション前に鎮静化され、抗凝固剤で処置されていた、という証拠が見つかったことが報告された。また、ミューティレーション中に行われた外科技術とされるものは、時間の経過とともに「より専門的」("more professional")になったとも主張された。しかしながら、官吏らは責任や動機を判断することができなかった。

ATFの調査は、ATFエージェントのドナルド・フリッキンジャーが率いた。ニューメキシコ州の調査は、ニューメキシコ州パトロールのGabe Veldez将校が率い、ニューメキシコ州ゲームアンドフィッシュ局(New Mexico Department of Game and Fish)の牛検査官Jim DyadとOfficer Howard Johnstonの支援を受けた。

自然的原因

クロバエ類は、家畜の死骸を「ミューティレートされた」ように見せることに関わる清掃動物であるかもしれないとして関係させられてきている

キャトルミューティレーションを説明するために多くの型にはまらない説明が提唱されてきて、さまざまな科学者、獣医労働者、および知識のあるオブザーバー（農夫その他の農業労働者を含む）は、より一般的なアイデアを提案しており、そのほとんどは、「ミューティレートされた」動物が自然的原因で死亡し、既知の地上現象――捕食動物、寄生者、そして清掃動物の作用をふくむ――にさらされたという仮説を中心に展開している。

失われたあるいはミューティレートされた口、唇、肛門、そして生殖器は、次のように説明されている――

• 脱水による失われた／損傷された領域の収縮。
• 皮膚が最も薄い領域で身体に立ち入ろうとするまたは身体を消費しようとする小型清掃動物らと穴居性寄生者らの行動。

失われた／ミューティレートされた眼と柔らかい内部器官は次のように説明される――

• クロバエ類のような腐肉を摂食する昆虫と、ハゲタカのような日和見性のあるいは腐肉を摂食する鳥の行動、それは動物の眼の方を向き、柔らかい内部器官を食べる目的で口と肛門の開口部から身体に入ることが知られている。

血液の不在は次のように説明されている――

• 血液は身体の最も低い位置に溜まるし、そこで基本的な有機成分に分解されるであろう。
• 血液は身体の外にある、あるいは傷の領域で昆虫によって消費されているか、太陽による乾燥によって減少している。

皮膚の外科的切開は次のように説明されている――

• 皮膚のかぎ裂きは、それが死後の膨張によって引き伸ばされたとき、および／または脱水が動物の皮膚を収縮させそして分裂させるとき、しばしば線形の切り傷として、生じた。
• 清掃動物または捕食動物によって引き起こされた切開、もしかしたら上記によって悪化したかもしれない。

自然的現象がほとんどのミューティレーション特性を説明するという仮説は、ワシントン郡（アーカンソー）保安官局によって実施された、長年の科学的懐疑論者ロバート・T・キャロルによって引証されたものを含む、多くの実験によって検証されてきている。実験では、最近死亡した雌牛の身体を原に置き、48時間観察した。48時間の間に、死後の膨張は、雌牛の皮膚に切開ようのかぎ裂きを引き起こし、これは、ミューティレートされた雌牛で報告された「外科的」切断と一致した、と報告されており、一方、クロバエ類とウジの行動は、ミューティレートされた雌牛で観察された軟組織の損傷と一致した、と報告されている。

実験はまた、外科的に切断された皮／肉と先行する皮／肉の自然的曝露に対する異なる反応を比較するために実施されてきている。それらは、時間の経過とともに外科的切りと非外科的切りの間に顕著な違いを示した。

一部の牧場主は、ミューティレートされた動物がしばしば捕食または疾病による自然的死亡の通常のカテゴリーから外れるという理由で、科学的な「自然的原因仮説」に異議を唱えてきている。引証された理由の1つは、それら動物が健康であったし、死亡する前に疾病の兆候を示さなかったし、捕食動物の標的となりそうにないほど大きく強いということである。いくつかの事例では、牧場主らは、ミューティレートされたキャトルが群れの中で最も健康で最強の動物の中にいた、と報告した。

人間の介在

動物虐待と人間活動

キャトルミューティレーションは無関係な逸脱現象2つの結果であるという仮説が立てられている。ミューティレーションの大部分は捕食その他の自然な過程の結果であり、そのように説明しえない異常を伴うものは、動物をミューティレートすることから喜びあるいは性的刺激を引き出す人間の仕事である。

動物に対する人間の攻撃は、認識されている現象である。世界中に多くの記録された事件、多くの有罪判決がある。典型的には、このような攻撃の犠牲者はネコ、イヌその他の家族のペットであり、人間の行動は通例、動物を殴り、燃やし、続けて打つような残酷な行為に限定されている。しかしながら、ヒツジ、ウシ、そしてウマをふくむ大型動物に対する攻撃も記録されている。人間、特に社会病質障害のある人々は、精巧な方法で動物をミューティレートしたことがわかってきている、ナイフまたは手術器具を使用して。

1979年4月20日に、ニューメキシコ州獣医診断研究所のC Hibbsは、上院議員ハリソン・シュミットが長を務める公聴会の前で話した。Hibbsは、ミューティレーションは3カテゴリーに分類され、うち1つは人間によってミューティレートされた動物である、と証言した。FBIの記録は、このカテゴリーに分類されるミューティレートされた動物のパーセンテージを記録しなかった。

カルト

逸脱した仮説と密接に関連しているのは、キャトルミューティレーションはカルト活動の結果である、という仮説である。しかしながら、キャトルは個々の逸脱者によってランダムにミューティレートされるという逸脱仮説とは反対に、カルト仮説は、キャトルミューティレーションは組織化されたグループによって実行される儀式的犠牲の調整された行為であると考えている。

カルト仮説の支持者らが抱く信念はさまざまであるが、次のものをふくむかもしれない――

• ミューティレーション部位に一見血液がないことは、カルトメンバーがそれを収穫することを示しているかもしれないこと
• 諸器官は儀式で使用するためにキャトルから取り除かれていること
• その未だ生まれていない子は、ミューティレートされたキャトルから収穫されていること。

カルトがキャトルミューティレーションに関与しているという仮説は、1970年代と1980年代にアメリカで展開された。これはカルト（人民寺院やジョーンズタウンのような）や儀式的悪魔的虐待（「悪魔的パニック」"Satanic panic"）に対する国民の関心が高まっている時期であった。

1975年に、アメリカ財務省はドナルド・フリッキンガーに、カルトとキャトルミューティレーションとの関係の存在を調査するよう任命した。この作戦行動は、アルコールタバコ火器局の管轄下に置かれた。

フリッキンガーは、多くの「異常な」('unusual')事件と状況証拠を記録したが、ATFがさらなる行動を取るためのカルト関与の十分な証拠を見つけることができなかった。当時のメディアの報道によると、彼の調査は、キャトルの死亡がカルトメンバーによって選出された役人に反対する協調運動のへ前奏曲でないと判断されたとき、取り下げられた。

しかしながら、ミューティレーション現場をうろついている威嚇するグループの時代に、さまざまな報告があった。1975年9月に、アイダホ州ブレイン郡の或る林業サービス職員は、黒いフード付きのローブを着た人々のグループを見たと報告した。翌日、この地域で数頭のキャトルがミューティレートされているのが発見された。1975年10月9日に、アイダホ州北部のアメリカ高速道路95号線の或る運転手が、キャトルミューティレーションが頻繁に行われている地域で、約15人の覆面をした個人が腕をつないで道路の防塞を形成し、自分を振り返らせた、と警察に報告した。

カルト仮説の開始以来、アルバータ、アイダホ、モンタナ、およびアイオワを含むいくつかの州とプロビンスの法執行機関は、キャトルミューティレーションのいくつかの事例でカルトを示唆する証拠を報告している。

調査中、FBIとATFは、動物が何らかの形の儀式的犠牲または組織的なミューティレーション努力の犠牲者であったことを立証するために、ミューティレーション間の一貫性の兆候を含む、適切な証拠を見つけることができなかった。彼らはまた、カルトがいくつかの剖検で報告された異常をもたらす手順を実行するだろう方法または理由を決定することも、異常が1）ミューティレーション自体に関連していること、2）人間の介在の結果であることを確認することも、できなかった。

大部分の場合、ミューティレーションは自然的原因のために支配されたか、でなければキャトルが腐敗しすぎて有用な結論を導き出すことができなかった。カルトヒステリーのいくつかの事例は、事象に関係のない個人による捏造にまでさかのぼられた。ある事例では、情報と引き換えに判決に有利な条件を求めている犯罪者によって請求が偽造されたと結論付けられた。別の事例では、主張は、ジョークとして噂を広めた地元の高校生らにさかのぼられた。

政府の、あるいは軍の実験

彼の1997年の記事「“Dead Cows I've Known”」の中で、キャトルミューティレーションの研究者チャールズ・T・オリファントは、キャトルミューティレーションは、新たなキャトルの疾病に関する秘密な研究の結果である、それらは人間に伝染する可能性がある、と推測している。

さらに、2002年の国立発見科学研究所(National Institute for Discovery Science)の報告は、2人のユタ州キャッシュ郡の警察官の目撃証言を述べている。この地域では多くの異常なキャトルらの死亡が見られていたし、牧場主らは家畜らの死亡に関連していると彼らの主張する、マークのない航空機を監視する武装パトロールらを組織していた。警察の目撃者らは、1976年にキャッシュ郡の小さなコミュニティ空港でマークのないアメリカ陸軍ヘリコプター1機の中の男数人に遭遇した、と主張している。目撃者らは、この激しい遭遇の後、この地域のキャトルミューティレーションは約5年間止まった、と主張した。

生化学者コルム・ケレハーは、いくつかのミューティレーションを直接調査し、ミューティレーションは十中八九、牛海綿状脳症（「狂牛病」"mad cow disease"）および羊海綿状脳症のような関連する疾患の蔓延を追跡する内々のアメリカ政府の努力である、と主張している。

諸事例の簡潔なサンプリング――1979年4月8日に、ニューメキシコ州ダルシーの警察官3人が、牛16頭を襲ったミューティレーションとされるものの波に続いて、敷地じゅうをホバリングしているアメリカ軍ヘリコプターに似た謎の航空機1機を報告した。1974年7月15日に、ロバート・スミス・ジュニアがアイオワ州ハニークリークの自分の農場でトラクターを運転しているとき、未登録のヘリコプター2機（白いヘリコプターと黒い双発の航空機）が彼に発砲したと報告された。この攻撃は、この地域とネブラスカの近くの国境を越えたミューティレーションとされるものの頻発に続いてあった。「ヘリコプター」("helicopter")関与の諸報告は、一部のキャトルがかなりの高さから「落とされた」("dropped")ように見える理由を説明するために使用されてきている。

それ以外の説明

宇宙人とUFO

1974年に、アメリカで最初のミューティレーションとされるものが相次いだ数か月後に、ネブラスカの複数の農夫が、自分らのキャトルが被害を受けた夜々にUFO複数を目撃したと主張した。これらの目撃は、地球外生命の最初の物理的証拠としてUFO研究者らによって歓呼して迎えられた。

政府の妨害

UFOの諸報告が法執行機関に提出されつつあるのと同時に、より多くの牧場主は、キャトルミューティレーションと同時に自分らのフィールドの周りに黒いヘリコプター(black helicopters)が見えたと主張した。一部は当初、これらはキャトル泥棒らによって使用されていると考えたが、 嫌疑はすぐに、カンザス州フォート・ライリーから外へ行なわれている軍事作戦に向けられた。

1975年までに、この問題はあまりに蔓延したために、一部の牧場主は夜間に自分たちのフィールドをパトロールするために武装自警団を結成するほどであった。当局はコロラドで広告を出し、牧場主らに調査ヘリコプターをねらって撃たないよう促した。

1975年7月に、『Brush Banner』の記者デーン・エドワーズは、キャトルミューティレーションの記事を発表し、カルトが責任を負っているという説の調査を始めた。カルト説の起源が連邦の入所者にさかのぼり、カルトのメンバーが特定されなかったとき、牧場主らと法執行機関は他の説明を探し始めた。

エドワーズは、政府がベトナムで使用する生物兵器を開発するためにキャトルの部位をテストしているという説を報告し、コロラド上院議員フロイド・K・ハスケルの調査中にハスケルあてに手紙を書いて、エージェントらが自分をおどして黙らせたとまで非難した。

10月に、エドワーズは『Gazette』（『Colorado Springs Gazette Telegraph』）にインタビューを行い、政府のプロジェクトがミューティレーションの背後にあるという説を発表した。彼は、FBIが関与しようとしないことに不満を表明したし、自分は「プロジェクトがどのように考案されたか」を説明する本を書くつもりだ、と述べた。その直後、彼は『Gazette』に解雇され、その後姿を消した。1975年12月5日に、エドワーズの妻は彼を行方不明者として報告した。

エドワーズは1990年代に再登場した。彼は新しい名前、デビッド・エルズワース博士を採っていたし、英語教育プログラムを設立したし、それはメキシコの多くの連邦大学で採用された。

未知の生物の説明

地元の民間伝承は、ミューティレーションを『チュパカブラ』または同様の生き物によるものとしている。

外部リンク

• The Skeptic's Dictionary explanation of Cattle Mutilation
• Human Mutilation by Aliens – Brazilian Case With Photos
• FBI files on Animal Mutilation
• Animal Mutilation News at Paranormalnews.com
• Return of the Mootilators. Mark Pilkington reports on Argentinian cases
• The Straight Dope, on Cattle Mutilations