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2022年12月1日 (木) 10:33時点における版
「ザ・フォックス」 | ||||
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Ylvis の シングル | ||||
リリース | ||||
規格 | デジタル・ダウンロード | |||
ジャンル | コミックソング[1]、エレクトロ・ハウス、プログレッシブ・ハウス、ユーロダンス | |||
時間 | ||||
レーベル |
コンコード・レコーズ パーロフォン | |||
作詞・作曲 | ボード・イルヴィソーケル、ヴェガード・イルヴィソーケル、クリスチャン・ロクステル、トル・エリック・ヘルマンセン、ミッケル・S・エリクセン、ニコラス・バウンディ | |||
プロデュース | スターゲート | |||
Ylvis シングル 年表 | ||||
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ザ・フォックス(The Fox)は、ノルウェーのコメディーデュオであるYlvis(イルヴィス)によるエレクトロニック・ダンス・ミュージック、バイラルビデオ。いくつかの国では「What Does the Fox Say?」として発売されている。このビデオは2012年8月16日にYouTubeに投稿され、同10月14日の7時16分時点で1億2200万回もの再生回数を記録している[2]。現在、本曲はBillboard Hot 100で6位にランクインしている[3]。ちなみに、ノルウェーの歌手の歌の中でビルボードチャートで最も高い順位にランクインした曲は1985年に1位にランクインしたa-haの「テイク・オン・ミー」である。
本曲はiTunesのシングルとして2012年8月15日に発売され[4]、アメリカのiTunesで8月22日に発売される予定であった[5]。しかし、第三者からの著作権侵害の申し立てがあったことから[6]、実際の発売は一週間後の8月29日となった[7]。iTunesストアの翌週のチャートで9位にランクインした[8]。現在のところ、この曲を収録したアルバムが発売される予定はない[5]。
制作の背景
本作はもともと自身が出演するノルウェーのテレビ局TVノルゲのトークショー「I kveld med YLVIS」(今夜イルヴィスと)の新シーズン宣伝のために制作されたもので、イルヴィスのメンバーであるヴェガード・イルヴィソーケル、ボード・イルヴィソーケル兄弟によって制作された。
ノルウェーの新聞「アフテンポステン」のインタビューの中で兄弟が述べたところによると、キツネの曲のアイデアはもともと2012年に一度思いついたが棚上げになっていたところ、2013年になってボードと作詞家のクリスチャン・ロクステルがこのアイデアを再度取り上げたという。ヴェガードは当初キツネの曲を作ることに懐疑的であったが、しばらくして同意した[9]。
イルヴィスはアメリカで行われたビルボードのインタビューの中で、本作の制作過程について述べている。「僕たちがやったことはただぶらぶらし、雑談してその中からアイデアを見つけ、ちょっとしたメモを取ることだった。その中でキツネはなんて鳴くんだろうって話が出たんだと思う。そしてその頃、ニューヨークにあるプロダクション会社のスターゲートと一緒に仕事をする機会があったんだ。実は彼らに親切にした代わりに、彼らに新シーズンの曲をプロデュースしてくれないか頼んでみたんだよ」[5]。
ミュージック・ビデオ
本作は2013年9月3日に発表され、全編で3分45秒の長さがある。本作は典型的なエレクトロニック・ダンス・ミュージックのスタイルで演じられ、歌詞は「さも真面目そうに」歌われていく[10]。
ミュージックビデオはボードがパーティーに参加しているシーンから始まる。参加者がそれぞれ違う動物に仮装しており、彼は「幼い子供向けの本から取ってきたような」動物の鳴き声(犬はワン、猫はニャー、など)を披露する[11]。そして「キツネはなんて鳴くんだ?」(What does the fox say?)と叫ぶとともに場面は替わり、森の中でボードがフェイスペイントにもじゃもじゃした尻尾の付いたキツネの着ぐるみという格好をして踊る映像に切り替わる。そして兄も同様のシーンを演じる。コーラスの中では、キツネの鳴き声について「リン・ディン・ディン・ディン・ディンガリンゲディン!」や「フラカ・カカ・カカ・カカ・カウ!」といったいくつかのあり得ない可能性が示される[12][13]。
さらにバックダンサーに囲まれながら、老人が歌詞を子供に読んでいるシーンが見られる。そして歌詞はキツネについて語り、称賛する内容に変わる。そしてさらに、キツネと馬がモールス信号で交信できるかどうかに話は移っていく(「モールス」と「馬」(ホース)をかけている)。そして最後に二人は宙に舞いあがり、立ち上がったCGアニメのキツネがスキャットを唄い、そして二人が静かに森を去っていくシーンで映像は締めくくられる。
製作
本作は前述のとおり、ノルウェーのテレビ局であるTVノルゲで放送されているトークショー「I kveld med YLVIS」の新シーズン宣伝のために制作されたものであったが、TVノルゲの公式YouTubeチャンネルにアップロードされたことで爆発的に広まっていった。ミュージックビデオの監督はオレ・マルティン・ハフスモ(Ole Martin Hafsmo)で、マグヌス・フロート(Magnus Flåto)が撮影を担当した。振り付けはテア・ベイ(Thea Bay)が担当した。
曲の制作はスターゲイトとオーストラリアのプロデューサーであるM4SONICが行った[12]。本作で登場する森のシーンはオスロの中心部から22キロほど離れたニッテダルで撮影された[14]。
分析
アメリカのニュージャージー州で発行されている新聞「ザ・スター・レッジャー」のトリス・マッコールは本作について「現代のクラブミュージックの乱暴さやばからしさを風刺した作品」とし、兄弟は「典型的なうぬぼれたシンセサイザー・ポップ」にのって「動物の声に関する馬鹿馬鹿しい歌詞をかわるがわる歌って」おり、キツネの声は最近のダブステップで使われるカーアラーム・シンセサイザーをわざとまねたものである。」と評している。彼はこれをイルヴィスが楽曲「サムワン・ライク・ミー」(Someone Like Me)で曲の中にダブステップを混ぜ込んで遊んでいるのと比較した[11]。
イルヴィス自身は本作について、この曲は「キツネはなんと鳴くんだろうかという、知らないものに対する純粋な疑問」から生まれたものであるとしている[15]。いくらかの評論家は本作とファーリー・ファンダムが関係あるのではないかという評価をしたが[16]、二人は曲を作った時にはファーリー・ファンダムの存在を知らなかったという[17]。
反響
本曲は9月12日にアメリカのBillboard Hot 100で初登場29位につけ、ストリーミング曲のチャートでは3位を記録し[18]、10月19日のストリーミング曲のチャートでは1位を記録した[19]。本曲のネット上での成功と突発性はPSYの江南スタイルと比較された[20][21]。
もともとノルウェー向けに制作された楽曲であったため[5]、本曲が世界的にヒットしたことをイルヴィスは驚いた。ボードはこのことについて「驚いている」と語り、「いくらかのノルウェー人が3分間楽しむだけのものと思っていた」と語った[12]。ヴェガードも「とても衝撃を受けている」と語っている[17]。
曲のヒットに伴い、イルヴィスはワーナー・ミュージック・グループと契約した。そして彼らのアメリカでの最初のライブが9月20日にラスベガスで開かれた「アイハートレディオ・ミュージック・フェスティバル」(iHeartRadio Music Festival)の中で行われた[15]。また、10月9日には「エレンの部屋」[22]、「レイト・ナイト・ウィズ・ジミー・ファロン」に出演を果たした[15]。
他のいわゆるバイラル・ソングと同じように、本曲はインターネット上のミームとなり、多くの人々に広くカバーされたり、脚色されたりした。なかでも著名なものには、過去に「江南スタイル」やLMFAOの「パーティー・ロック・アンセム」をカバーしたオハイオ大学のマーチングバンド「The Ohio University Marching 110」によるもの[23]や、アメリカの歌手タイラー・ワードによるギターでのカバー[24]、ゲーム「League of Legends」を題材にしたパロディ動画「What Does Teemo Say?」[25]、俳優たちが歌を唄うフォックス放送のビデオクリップ広告[26]、アノーイング・オレンジによるパロディ動画「The Sock」[27]、さらには日本でも、インターネットコメディアン、MEGWINによるパロディ動画「キツネの鳴き方知ってるよね」[28]などが挙げられる。
また、このビデオはアメリカの映像作家ファイン・ブラザーズも、とあるYouTubeの映像に対する各年代の反応を調べる人気番組「Elders React」「Teens React」のなかで取り上げている[29][30]。
日本では、2022年からプロ野球・北海道日本ハムファイターズの本拠地・札幌ドームで、イニング間のパフォーマンスとしてチアリーディングチーム・ファイターズガールが踊る「きつねダンス」としてこの曲と振り付けが取り上げられ、人気を集めている[31]。同年9月19日に開催の「きつねダンスDAY」(対千葉ロッテマリーンズ戦)に合わせて、Ylvisが初来日し、ファイターズガールと共にパフォーマンスを行った[32][33]。
各国でのチャート順位
チャート(2013年) | 最高順位 |
---|---|
オーストラリア (ARIA)[34] | 19 |
オーストリア (Ö3 Austria Top 40)[35] | 48 |
ベルギー (Ultratip Flanders)[36] | 62 |
カナダ (Canadian Hot 100)[37] | 23 |
デンマーク (Tracklisten)[38] | 14 |
フィンランド (Suomen virallinen lista)[39] | 2 |
ドイツ (GfK Entertainment charts)[40] | 2 |
アイルランド (IRMA)[41] | 24 |
ニュージーランド (Recorded Music NZ)[42] | 4 |
ノルウェー (VG-lista)[43] | 1 |
スコットランド (Official Charts Company)[44] | 15 |
スウェーデン (Sverigetopplistan)[45] | 4 |
スイス (Schweizer Hitparade)[46] | 59 |
UK シングルス (OCC)[47] | 24 |
US Billboard Hot 100[48] | 6 |
脚注
- ^ Trust, Gary (September 27, 2013). “Chart Moves: Ylvis' 'The Fox' Scampers Up Hot 100, Pearl Jam Ties Alt Rock Record, Luke Bryan Stays Atop Hot Country Songs,”. Billboard. 6 October 2013閲覧。
- ^ Ylvis. “Ylvis – The Fox [Official music video HD]”. YouTube. 2013年10月15日閲覧。
- ^ Gary Trust (October 9, 2013). “Lorde's 'Royals' Remains Atop Hot 100”. Billboard 9 October 2013閲覧。
- ^ “The Fox – Single”. iTunes. Apple. 10 September 2013閲覧。
- ^ a b c d Nagy, Evie (September 7, 2013). “Ylvis Q&A: What 'The Fox' (Viral Stars) Say About Their Surprise Hit”. Billboard. 7 September 2013閲覧。
- ^ September 12, 2013 (2013年9月12日). “Hit music video pulled off iTunes”. Newsinenglish.no. 17 September 2013閲覧。
- ^ Zahn, James (16 September 2013). “YLVIS – The Fox FINALLY comes to iTunes in the U.S... and goes Metal!”. The Rock Father. 20 September 2013閲覧。
- ^ “iTunes Store Top 10 Songs”. 25 September 2013閲覧。
- ^ Ripegutu, Halvor (September 18, 2013). “Ville ikke lage "The Fox"”. Aftenposten. 27 September 2013閲覧。
- ^ Mansfield, Brian. “Your next viral video: Ylvis' 'The Fox'”. USA Today. 10 September 2013閲覧。
- ^ a b McCall, Tris (23 September 2013). “Song of the Week: 'The Fox,' Ylvis”. Entertainment. The Star-Ledger. 28 September 2013閲覧。
- ^ a b c Suebsaeng, Asawin (2013年9月5日). “The Guy Behind "The Fox"—The Summer's Funniest Music Video—Talks About Going Viral”. Mother Jones. 5 September 2013閲覧。
- ^ Hachman, Mark (2013年9月5日). “Must-see viral video of the moment: Ylvis 'The Fox'”. PC World. 5 September 2013閲覧。
- ^ Høidalen, Sigbjørn. “Ylvis-videoen er fra Nittedal”. Varingen. 28 September 2013閲覧。
- ^ a b c Zemler, Emily (21 September 2013). “Ylvis, of Viral Sensation 'The Fox,' Lands Major Label Deal Ahead of U.S. Live Debut”. The Hollywood Reporter. 28 September 2013閲覧。
- ^ Jones, Van. “If anyone missed joke, viral video "What Does The Fox Say?" is sly tribute to sex habits of "furries." (Thus correct answer: "yiff.") #Geeks”. Twitter. 10 September 2013閲覧。
- ^ a b “Inside "The Fox" with Vegard Ylvisåker from Ylvis | What's Trending Original”. YouTube. 10 September 2013閲覧。
- ^ Gruger, William. “Ylvis' Viral Hit 'The Fox' Debuts On Hot 100”. Articles/News. Billboard. 16 September 2013閲覧。
- ^ Trust, Gary (2013年10月9日). “Lorde's 'Royals' Remains Atop Hot 100”. Articles/News. Billboard. 9 October 2013閲覧。
- ^ Scott Monty (2013年9月11日). “Me-too won't do: why viral marketing must be real | Technology”. theguardian.com. 17 September 2013閲覧。
- ^ Ornos, Riza. “The Fox: “What Did The Fox Say?” Hits 31 Million Views And Still Counting (With Video)”. International Business Times 21 September 2013閲覧。
- ^ TheEllenShow (20 September 2013). “'The Fox' Is Here!”. YouTube. 28 September 2013閲覧。
- ^ Ohio University Marching Band (14 September 2013). “Ohio University Marching 110 – The Fox – Ylvis”. YouTube. 28 September 2013閲覧。
- ^ Ward, Tyler (8 September 2013). “The Fox – Ylvis (Tyler Ward Acoustic Cover) – Official Music Video & Challenge”. YouTube. 28 September 2013閲覧。
- ^ “Instalok – What Does Teemo Say? (Ylvis – The Fox PARODY)”. YouTube (10 September 2013). 28 September 2013閲覧。
- ^ Fox Broadcasting Company (17 September 2013). “What The FOX Say? - Ylvis Cover – FOX BROADCASTING”. YouTube. 28 September 2013閲覧。
- ^ Annoying Orange (20 September 2013). “Annoying Orange – The Sock (The Fox By Ylvis Parody)”. YouTube. 28 September 2013閲覧。
- ^ “【動物の霊に憑かれて発狂】キツネの鳴き方知ってるよね”. MEGWINTV (2013年10月27日). 2013年11月10日閲覧。
- ^ Fine Brothers (19 September 2013). “ELDERS REACT TO YLVIS – THE FOX”. Elders React. YouTube. 22 September 2013閲覧。
- ^ “Teens React to Ylvis – The Fox”. YouTube (29 September 2013). 30 September 2013閲覧。
- ^ “敵選手もハマる、ファイターズガールの“きつねダンス”が一大ブームに? 「これクセになる」の声(ABEMA TIMES)”. ABEMA TIMES. 2022年7月29日閲覧。
- ^ “【日本ハム】「きつねダンス」原曲歌うYlvisがノルウェーから初来日 9・19試合前に歌唱”. 日刊スポーツ (2022年8月26日). 2022年8月26日閲覧。
- ^ “https://twitter.com/pacificleaguetv/status/1571823921065869314”. Twitter. 2022年9月20日閲覧。
- ^ "Australian-charts.com – Ylvis – The Fox". ARIA Top 50 Singles. 30 September 2013閲覧。
- ^ "Austriancharts.at – Ylvis – The Fox" (in German). Ö3 Austria Top 40.
- ^ "Ultratop.be – Ylvis – The Fox" (in Dutch). Ultratip.
- ^ "Ylvis Chart History (Canadian Hot 100)". Billboard.
- ^ "Danishcharts.com – Ylvis – The Fox". Tracklisten.
- ^ "Ylvis: The Fox" (in Finnish). Musiikkituottajat – IFPI Finland. 7 October 2013閲覧。
- ^ "Musicline.de – Ylvis Single-Chartverfolgung" (in German). Media Control Charts. PhonoNet GmbH.
- ^ "Chart Track: Week 41, 2013". Irish Singles Chart.
- ^ "Charts.org.nz – Ylvis – The Fox". Top 40 Singles.
- ^ "Norwegiancharts.com – Ylvis – The Fox". VG-lista.
- ^ "Official Scottish Singles Sales Chart Top 100". Scottish Singles Top 40.
- ^ "Swedishcharts.com – Ylvis – The Fox". Singles Top 100.
- ^ "Swisscharts.com – Ylvis – The Fox". Swiss Singles Chart.
- ^ "Official Singles Chart Top 100". UK Singles Chart.
- ^ "Ylvis Chart History (Hot 100)". Billboard.
- 共和主義 - 君主制は北欧の高度な福祉国家にふさわしくないので廃止すべきだ。
外部リンク
- オフィシャルビデオ - YouTube
- iTunesのシングル:ノルウェー、アメリカ
- what does the fox say? - 大英図書館ブログ(Sound and Vision blog)