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大学院大学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
独立大学院大学から転送)

大学院大学(だいがくいんだいがく)とは、大学院を中心とする大学のことである。

日本の大学院大学

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通例、大学院大学とは、学校教育法昭和22年法律第26号)の第68条に規定がある学部(学部以外の教育研究上の基本となる組織を含む)をおくことなく大学院をおく大学のことを指す。独立大学院大学(どくりつだいがくいんだいがく)ということもある。なお、このような大学におかれる大学院は、独立大学院(どくりつだいがくいん)という。なお、すでに廃止された法律であるが、国立学校設置法昭和24年法律第150号)では、国立の大学院大学のことを「国立大学院大学」と称していた[注釈 1]

また、大学院大学は、大学院重点化を行った大学のことを指すこともある。この場合、当該の大学には学部(またはそれに準ずる教育研究上の基本組織)と大学院の双方が設置されるのであるが、組織の基本は大学院に置かれることになる。たとえば、教員は大学院に所属することを基本とし、学部については兼担するという形式になる。

沿革

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戦後、新制大学化に伴い、旧制高等学校旧制大学以上の大学院大学設置構想はあったが、予算などの関係によって、旧制高校と旧制大学の統合による新制大学として大学院大学構想は頓挫し、大学院は各大学に附属する研究機関としての役割を担ってきた。1980年代に入り、大学院における事故等の多発、また貧弱な設備による低迷していた研究状況を打開するためには、大学院重点化が必要との世論に押されて、再び大学院大学構想が現実味を帯びることになった。無論、優秀な頭脳の国外流出という問題もあり、研究予算を重点的に研究専門組織へ配分するか、新設の大学院大学を設置することが解決策として実施することになった。

1982年に財界が中心になって民間主導で私立国際大学(新潟県南魚沼市)を設立、日本初の大学院大学が誕生した。さらに、各国立研究所及び各大学附属研究所の大学研究共同利用法人化に伴い、全ての大学からの研究職員受け入れが透明化され、また、北陸先端科学技術大学院大学、奈良先端科学技術大学院大学の開学に伴い、国内において博士前期課程及び博士後期課程における技術者・研究者養成の大学院大学が開学することになった。

その後、2003年度に専門職大学院の設置が認められたことにともない、大学院は、単なる教育と研究のみを目的する組織に留まらず、高度専門職業人の養成を重視するという側面も持つようになった。専門職大学院には、法科大学院公共政策大学院会計大学院などの設置が進んでおり、アメリカ合衆国の制度を参考にしつつ新しい試みが行われている。

特に2003年度以降においては、学部(相当組織を含む)をおくことなく大学院をおく大学が増加しているため、近年では、大学院大学の意味は、「学部を持ちつつ大学院に重点をおく大学」のことではなく、「学部(学部以外の教育研究上の基本となる組織を含む)をおくことなく大学院をおく大学」こととされる例が増えてきている。

課題

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1990年代以降日本全国で進められている大学院重点化の結果、博士の学位を有する者の数が増加する一方で、大学の教員や公的機関の研究者などのポストは増えていない。そのため2003年には、大学院の博士課程(博士後期課程など)の修了者(課程博士)の就職率が54.4%になるなど、博士の学位を有する非就業者である「余剰博士」(オーバードクター)の増加が社会問題化した。こうした状況を受け文部科学省は、2005年から、博士課程修了者の就職問題対策をとることを決定した。

日本の大学院大学の一覧

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学部(学部以外の教育研究上の基本となる組織を含む)を置くことなく大学院を置く大学。詳細は総合研究大学院大学の項目に記述した通り、研究科もしくは専攻科を設置。単科大学院の場合は研究科=専攻科であり、総合大学院の場合は研究科に複数の専攻科を設置。

国立大学

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公立大学

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日本国政府が運営資金を提供する特別な私立大学

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私立大学

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総合
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科学技術
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ビジネス・会計
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文化
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日本に本部を置く日本国外の大学

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かつて存在した大学院大学

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設立当初は大学院大学だったもの(以下は大学院大学当時の名称)

他大学と統合した大学

廃校した大学

大学院大学としての設置が計画されたが、実現しなかったもの

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名称はいずれも仮称である。

大学院に教育の重点を移した(大学院重点化)大学の一覧

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研究教育を行うにあたり、予算を学部から研究科に重点を移した国立大学。よって、学部も存続している。 なお、以下の大学は全学で前期・後期課程の大学院を設置。

注)上記の大学以外にも、前期・後期課程を有する大学院を設置する国立大学法人や公立大学法人、特定分野に対して大学院の拡充を行っている国立大学法人もある。

各国の大学院大学

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フランス

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官僚養成機関であるフランス国立行政学院は、博士後期課程に相当する。他のグランゼコールか大学を卒業後に進学する。多くはパリ政治学院の卒業生で占められている。

アメリカ合衆国

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韓国

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脚注

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注釈

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  1. ^ 法制定当時、大学院大学構想があったが、予算等の都合により設置ができず、学部に附属する研究科として各大学にて、大学院を設置していたためである。その研究科が、現在、全国大学研究共同利用研究所や全国利用研究所、大学研究利用機関法人として、研究科重点の大学院大学の主たる研究機関として研究業務を行っている。

出典

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関連項目

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