石川美南
表示
石川 美南(いしかわ みな、1980年5月7日[1] - )は、日本の歌人。神奈川県横浜市出身。橋目侑季(写真・活版印刷)とのユニット「山羊の木」でも活動[2]。
人物・略歴
[編集]1996年、16歳の時に作歌をはじめ、翌年から「短歌朝日」などに投稿する。神奈川県立柏陽高等学校を経て、1999年、東京外国語大学入学。
1999年、メーリングリスト「ラエティティア」[注釈 1]入会。2000年、早稲田大学の短歌実作ゼミに「潜入」[3]し、水原紫苑に学ぶ。同年、同人誌「punch-man」に参加(翌年、同誌解散)。2002年、『祖父の帰宅/父の休暇』で第1回北溟短歌賞(石川啄木賞の前身)次席。
2002年、短歌同人誌「pool」を創刊。2003年、東京外国語大学卒業。以降、一貫して短歌結社には属さず、同人誌や「さまよえる歌人の会」などの超結社歌会を拠点として活動している。他方で、岡井隆が『砂の降る教室』(第一歌集)の栞文を寄稿しているように歌壇との接点も多く、そのあり方は、後進の歌人にとってロールモデルの一つとも言える。
歌誌「pool」、 [sai]、「エフーディの会」 に所属。2020年、第5歌集『体内飛行』で第1回塚本邦雄賞を受賞[4]。
海外文学の影響を受けた綺想的作風が特徴。柴田元幸に見出され文芸誌「モンキービジネス」に作品を発表し、2008年のsummer vol.2に掲載された連作『眠り課』は大森望が注目し年刊日本SF傑作選「超弦領域」に収録された。豊崎由美、北村薫、北村想など歌壇外の愛読者も多い。2008年から2年に渡って「すばる」に短歌エッセイ『ききみみはひだり耳』を連載した。
著書
[編集]単著
[編集]- 砂の降る教室 歌集 風媒社 2003.12 ISBN 4833151324
- 砂の降る教室(新装版) 書肆侃侃房 2020.8 ISBN 9784863854062
- 裏島 歌集 本阿弥書店 2011.9 ISBN 4776808226(装画:TAKORASU、装幀:花山周子)
- 離れ島 歌集 本阿弥書店 2011.9 ISBN 4776808234(装画:TAKORASU、装幀:花山周子)
- 架空線 歌集 本阿弥書店 2018.8 ISBN 9784776813835(装画:尾田美樹、装幀:花山周子)
- 体内飛行 歌集 短歌研究社 2020.3 ISBN 9784862726407(装画:山下陽子、装幀:花山周子)
共著
[編集]- 現代短歌最前線 新響十人(生沼義朗、黒瀬珂瀾、笹公人、島田幸典、永田紅、野口恵子、松野志保、松村正直、松本典子共著)北溟社 2007.3 ISBN 4894485419
- 年刊日本SF傑作選 超弦領域(大森望・日下三蔵編(「眠り課」を収録)創元SF文庫 2009.6 ISBN 4488734022
- 短篇集(柴田元幸編、「物語集」を収録)ヴィレッジブックス 2010.4 ISBN 4863322402
- 怪談短歌入門 怖いお話、歌いましょう(東直子、佐藤弓生共著)メディアファクトリー 2013.9 ISBN 9784840154291
文庫解説
[編集]- パノラマニア十蘭(久生十蘭著)河出書房新社<河出文庫> 2011.9 ISBN 4309411037
山羊の木
[編集]- 『夜灯集』2008年、『机上ノ灯台』2011年、『Collection 1』2013年、『物語集』2015年など。
出演番組
[編集]脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ 『短歌研究 2014年12月号(2015短歌年鑑)』(短歌研究社、2014年)巻末「歌壇名簿」より
- ^ [山羊の木]ホームページ2023年10月11日閲覧。
- ^ 歌集『砂の降る教室』風媒社版、著者略歴での表現。
- ^ “塚本邦雄賞は石川さん歌集:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル. 2020年8月30日閲覧。
- ^ “NHK短歌 「テーマ“身体”/一字空き」 | NHKクロニクル | NHKアーカイブス”. www.nhk.or.jp. 2012年7月7日閲覧。
外部リンク
[編集]- 石川美南 (@shiruhitozo) - X(旧Twitter)
- 山羊の木
- 短歌同人誌 【sai】
- 短歌同人誌 pool
- 東郷雄二「今週の短歌 051:2004年5月 第2週 石川美南 または、世界を異化し続けるアヤシイ短歌」(石川美南作品書評)
- 東郷雄二「橄欖追放 第84回 石川美南『裏島』『離れ島』」(同上)
- 「現代歌人ファイルその15:石川美南」 - トナカイ語研究日誌(同上)