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無拠出制年金

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
社会扶助年金から転送)

無拠出制年金(むきょしゅつせいねんきん、non-contributory pension)とは、主に高齢者を対象とした金銭支給であり、保険料ではなく税金を原資としている。社会扶助年金(しゃかいふじょねんきん、social pension)とも呼ばれる。その支給の可否は、年齢、居住歴、ミーンズテスト(収入、所有資産、その他の年金)などの条件に基づく。

拠出制年金とされる年金保険とは区別される。現在は世界の100以上の国々において、社会扶助の形態による年金制度が存在している[1][2][3][4]

各国の制度

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各国の65歳人口における無拠出制年金の受給者割合(%, 2012年)[5]
ミーンズテスト型 最低年金型 ミーンズテスト型 最低年金型
デンマーク 88 スイス 12
オーストラリア 78 オーストリア 11
韓国 67 米国 7
チリ 60 スペイン 6 28
フィンランド 47 エストニア 6
スウェーデン 42 イタリア 5 32
カナダ 34 ベルギー 5 11
米国 27 フランス 4 37
イスラエル 25 スロバキア 3
ノルウェー 22 ドイツ 2
ギリシャ 19 日本 2
ポルトガル 17 59 ルクセンブルク 1 29
スロベニア 17 2 トルコ 22
アイルランド 17 ハンガリー 1
ポーランド 12

イギリスでは税収を原資とした年金クレジット英語版が存在し、これはミーンズテストより実施され、収入に応じて減額される[6]

スウェーデンでは税収を原資とした補助的な最低保証年金が存在し、ミーンズテストに基づいており所得比例年金が増えるにしたがって減額される[7]

日本では、かつて戦後には無拠出型年金が提唱されていたが、導入はされなかった[8] [9]国民年金発足時の経過措置として、老齢福祉年金が残るのみである。2016年(平成28年)には、ミーンズテストに基づく「簡素な給付措置(臨時福祉給付金)」が実施された[10]民主党マニュフェストにおいては最低保障年金が提言されたが、実現には至らなかった。

脚注

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  1. ^ HelpAge International Pension watch country fact file http://www.pension-watch.net/country-fact-file/
  2. ^ HelpAge International Social Pensions Database http://www.pension-watch.net/about-social-pensions/about-social-pensions/social-pensions-database/
  3. ^ http://www.pension-watch.net/pensions/about-social-pensions/about-social-pensions/social-pensions-around-the-world/
  4. ^ 100 countries
  5. ^ Pensions at a Glance 2015, OECD, (2015), p. 53, doi:10.1787/pension_glance-2015-en, ISBN 9789264249189 
  6. ^ “イギリスの公的・私的年金制度改革”. 海外社会保障研究 (国立社会保障・人口問題研究所) 169. (2009). https://www.ipss.go.jp/syoushika/bunken/data/pdf/19176203.pdf. 
  7. ^ 翁百合ほか『北欧モデル : 何が政策イノベーションを生み出すのか』日本経済新聞出版社、2012年11月、Chapt.5。ISBN 9784532355432 
  8. ^ 特集:社会保障の50年―皆保険・皆年金の意義と課題」第47巻第3号、国立社会保障・人口問題研究所、2011年12月。 
  9. ^ 和田泰明 (2024年4月16日). “「自民完勝」日本政治史初の年金が争点の選挙 年金を巡る攻防の全記録『ルポ年金官僚』より#2”. 東洋経済オンライン. 2024年4月16日閲覧。
  10. ^ 簡素な給付措置(臨時福祉給付金)”. 厚生労働省. 2016年9月1日閲覧。

関連項目

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