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エーテル体

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
第二身体から転送)

エーテル体(エーテルたい、: etheric body)は、神智学の『シークレット・ドクトリン』では、「魂の体、創造主の息」[1]であり、ソフィア・アカモート[2]が最初に顕在化した形態[3]、7つの粗大順の物質(4つは顕在化し3つは未顕在)のうち最も粗大で塑性の物質であり物質の骨格であるとしている。アストラル光とも。初期の霊的世界において蛇として象徴されたものであり、ギリシア語の「ロゴス」に相当し[4]、厳密にはアイテールとエーテルは異なるが、物質が存在する前は、現在のアーカーシャやアイテールと同様の「父であり母」であったと説明している[5]

活力体生気体 (vital body) とも呼ばれる。人智学で知られるルドルフ・シュタイナーは、生命体 (Lebensleib)、生命力体 (Lebenskraftleib)、形成力体 (Bildekräfteleib) とも呼んだ。

現代物理学では、エーテル という言葉は19世紀の自然科学で提起された光を伝達する仮想上の媒質の名称として記憶されており、現在では不要な概念となっている。一方、シュタイナーは、エーテル体でいうところのエーテルは物理学とは関係のない別の意味の言葉として用いられていることを強調している[6]

霊眼の開けたミディアム霊能力者)が人間の身体を観察すると、肉体とエーテル体(霊的身体)とアストラル体(精神的身体)とそれを取り巻くオーラによって創造されていることが再発見された[要出典]。また、肉体のオーラ及びアストラル体のオーラはキルリアン写真コンピュータ断層撮影(CTスキャナー)を組み合わせたEMRスキャナーによって観察可能とされる(シルバーバーチのスピリチュアルな法則 宇宙と生命のメカニズム Page.17 20行より)。

概説

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「聖杯」 アーサー・ラッカム(1917年)。この時代のラファエル前派の美術作品はしばしば霊体、オーラ、光の身体への同時代的関心を反映している。

エーテル体は、秘教哲学において人体のエネルギー場すなわちオーラの第1層ないし最下層として提起されている、想定上の「生気体」ないし「精微な身体」(スークシュマ・シャリーラ;微細身)に対してネオ神智学が与えた名称である[7]。物質的身体(ストゥーラ・シャリーラ;粗大身)と直に接しており、肉体を維持し、それと上位の諸身体とを結びつけるものと言われている。

エーテル体すなわち「エーテル的身体」の「エーテル的」(英語の etheric;イセリック)という言葉は、本来はブラヴァツキー夫人の著作に由来しているが、C・W・レッドベター[8]アニー・ベサント[9]によって、7つの界層と身体の体系から「リンガ・シャリーラ」といったヒンドゥー的用語を取り除くために正式に採用されたものである。

第一次世界大戦後、この用語はある程度一般にも広まり、ウォルター・ジョン・キルナーはこれをある種の訓練によって裸眼で可視化することができると著作で主張し、「人間の雰囲気」のひとつの層の名称として採用した[10]

プラトンおよびアリストテレス自然学古典的元素であるエーテルギリシャ語: αἰθήρ‎, アイテール‎)は、ヴィクトリア朝の科学における仮説である光の媒質としてのエーテル、そして語源を同じくする化学物質としてのエーテルという名称に受け継がれていた。神智学者たちとアリス・ベイリーによれば、エーテル体は物質界の上位4亜界に当たるエーテル界に存在している。したがって、意図されたこの語の指示対象は、ある種の希薄な物質(質料)であり、スピリット(霊または精気、本来は「気息」の意)という言葉の用法に類似している。神智学者たちはこれを、インド由来の形而上学体系で明確に定義された概念を指す用語として選び、これによってヴェーダーンタ思想の「プラーナマヤ・コーシャ」[11](精微な気息ないし活力であるプラーナでできた鞘)のような観念と同列のものとした。

通俗的な用法ではエーテル体はアストラル体に関連した概念と混同されることも多く、たとえばアストラル投射に関して、初期の神智学者たちはエーテル体を「アストラル複体」と呼んだ。「下位アストラルと上位アストラル」について語ることを好む人もいる。

チャクラ

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神経叢エーテルを通して発揮されることで、いくつかの霊的中枢が生まれるとされる。このセンターがチャクラなどと呼ばれる。主要なチャクラは7つある。

脚注

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  1. ^ The Secret Doctrine online Edition BOOK I. (SD1.) p102
  2. ^ 『シークレット・ドクトリン』は、ソフィアが人類の基本であり、創世記の「ある」という者も初期の神の一人にすぎないというスタンスを取っている。
  3. ^ SD1. p197
  4. ^ SD1. p61, p65, p74
  5. ^ SD1. p76
  6. ^ ルドルフ・シュタイナー 『神秘学概論』 高橋巖訳、筑摩書房〈ちくま学芸文庫〉、1998年、59頁。
  7. ^ Brennan, Barbara, Hands of Light : A Guide to Healing Through the Human Energy Field (Etheric body), Bantam Books, 1987
  8. ^ Leadbeater, C. W., Man, Visible and Invisible, 1902
  9. ^ Besant, Annie, Man and His Bodies, 1911
  10. ^ Kilner, Walter J., The Human Atmosphere, or the Aura Made Visible by the aid of Chemical Screens, 1911, reprinted as "The Human Aura" by Citadel Press, NY, 1965, ISBN 0-8065-0545-1. The Aura, by Walter J. Kilner. Introd. by Sibyl Ferguson. New York, S. Weiser, 1973.
  11. ^ 和訳例は「生気鞘」(スワミ・ヨーゲシヴァラナンダ著、木村慧心訳『魂の科学』参照)。ヴェーダーンタ哲学に依拠するヒンドゥー・ヨーガの身体論における5つのもやもやした鞘(パンチャマヤ・コーシャ)のひとつ。

参考文献

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  • H.P.ブラヴァツキー 著、田中恵美子 訳『神智学の鍵』神智学協会ニッポンロッジ〈神智学叢書〉、1987年。 NCID BN03534426OCLC 144086366全国書誌番号:87023321 
  • アリス・A.ベイリー 著、土方三羊 訳、アート・ユリアーンス編 編『トランス・ヒマラヤ密教入門 第1巻 人間の本質』アルテ、2002年。ISBN 4-434-01675-X 
  • アリス・A.ベイリー 著、土方三羊 訳、アート・ユリアーンス編 編『トランス・ヒマラヤ密教入門 第2巻 生命としての地球』アルテ、2002年。ISBN 4-434-02170-2 
  • アリス・A.ベイリー 著、土方三羊 訳、アート・ユリアーンス編 編『トランス・ヒマラヤ密教入門 第3巻 意識の進化』アルテ、2002年。ISBN 4-434-02384-5 
  • アリス・A.ベイリー 著、土方三羊 訳、アート・ユリアーンス編 編『トランス・ヒマラヤ密教入門 第4巻 真理の実践』アルテ、2002年。ISBN 4-434-02634-8 
  • H. P. Blavatsky. “The Secret Doctrine (Online Edition)”. Theosophical University Press. 2011年3月13日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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