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伊那食品工業

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
米澤酒造から転送)
伊那食品工業株式会社
Ina Food Industry Co., Ltd.
種類 株式会社
市場情報 非上場
本社所在地 日本の旗 日本
399-4498
長野県伊那市西春近5074
設立 1958年昭和33年)6月18日
業種 食料品
法人番号 7100001020600 ウィキデータを編集
事業内容 寒天、ゲル化剤などの製造・販売
代表者 塚越 英弘(代表取締役社長
資本金 9,680万円
従業員数 470名
関係する人物 塚越 寛(最高顧問)
外部リンク www.kantenpp.co.jp ウィキデータを編集
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伊那食品工業本社(かんてんぱぱガーデン内)
伊那食品工業北丘工場(かんてんぱぱガーデン内)

伊那食品工業株式会社(いなしょくひんこうぎょう)は、長野県伊那市にある寒天ゲル化剤の製造業者。

概要

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株式上場しておらず、かつ大手上場企業の傘下には属していない独立系の企業である。

寒天を原料にした商品の研究開発に力を入れ、食品はもとより化粧品、医薬品等にも用途を拡げた。一般市場ではかんてんぱぱブランドの商品を提供している。業務市場ではイナアガー(アガーは英語で寒天)ブランドの商品を提供。国内市場のシェアは約80%、世界では15%である。

2008年(平成20年)には創業以来48年間増収増益を達成し、プレジデント誌にて取り上げられる。毎年着実に成長する経営に関心を抱く経営者は多く、トヨタグループ、帝人を初めとして多くの企業が見学に訪れている[1][2][3][4]

経営手法は「年輪経営」と呼ばれる。年輪経営とは急成長を目指すことなく、地道に少しずつ成長を続けるやり方。このため伊那食品工業では、成長の数値目標を掲げない。売り上げや利益は、年輪経営の結果であり、前年を下回らないという歯止めさえあれば、数値目標は必要ないというもの[5]

食料品の中堅企業でありながら、特許出願を積極的に行っている[6][7]

製品

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  • 業務用寒天各種
  • 業務用ゲル化剤各種
  • 培地用寒天
  • 業務用食材各種(デザートベース、各種海藻)
  • 介護食用寒天
  • クレール(海藻由来の可食性フィルム)[8]
  • かんてんぱぱ製品
  • 養土藻(ようどそう:海藻由来の肥料)[9][10]・養土藻米[11]
  • ダイエット・健康管理用食品
  • インスタントスープ
  • その他寒天を使用した各種インスタント食品・調味料

関連事業

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  • 本社、北丘工場周辺3万坪の敷地を「かんてんぱぱガーデン」と名付け、寒天レストラン、茶房、輸入雑貨店を設置している[12]
  • 大手の流通ルートを使わず、自社の通信販売及び、全国7ヶ所の営業所での販売を主とする。他に、直営のカフェ併設アンテナショップとして、全国15か所に「かんてんぱぱショップ」を展開する[13]
  • 農園事業(ぱぱな農園)[14]

関連会社

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米澤酒造

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米澤酒造株式会社
種類 株式会社
本社所在地 日本の旗 日本
399-3801
長野県上伊那郡中川村大草4182-1[15]
設立 1907年創業[15]
法人番号 6100001021426
代表者 塚越 寛(代表取締役社長)[15]
売上高 1億200万円(2017年6月期)[15]
従業員数 7名(蔵人3名)[15]
外部リンク www.imanisiki.co.jp
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米澤酒造株式会社(よねざわしゅぞう)は、長野県上伊那郡中川村に本社を置く日本酒メーカー1907年明治40年)創業の老舗造り酒屋で、2014年平成26年)に伊那食品工業の子会社となった。製品充填室兼倉庫、仕込み蔵を新築し、2017年(平成29年)には事務所兼店舗(鉄骨平屋建て、面積約267平方メートル)が完成、リニューアルオープンした[16][17]

米澤酒造が製造する日本酒の銘柄(ブランド)は下記の通り。

受賞

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叙勲

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  • 1996年 - 黄綬褒章 社長塚越寛 粉末寒天の生産技術開発と用途拡大功績により叙勲。
  • 2011年 - 旭日小綬章 会長塚越寛 寒天の用途拡大、製造の近代化などの功績により叙勲。

大臣顕彰

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  • 1995年 - 科学技術庁長官賞 粉末寒天の開発功績により科学技術振興功績者として顕彰。
  • 1996年 - 農林水産大臣賞 寒天滓(産業廃棄物)の再利用化を確立した功績に対し、リサイクル推進協議会よりリサイクル推進功労者として顕彰。

表彰

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  • 1993年 - 日本緑化センター会長賞 財団法人日本緑化センターから工場の緑化推進により表彰。
  • 1996年 - 日経ニューオフィス賞 「本社・研究室」が、社団法人ニューオフィス推進協議会より表彰。
  • 2002年 - 最高賞最優秀経営者賞 社長塚越寛 日刊工業新聞社主催の優秀経営者顕彰制度より(中堅・中小企業対象の最高賞)。
  • 2007年 - グッドカンパニー大賞グランプリ賞 社団法人中小企業研究センターより表彰。
  • 2008年 - 日本環境経営大賞 環境経営パール大賞 日本環境経営大賞表彰委員会より表彰。
  • 2017年 - 第16回渋沢栄一賞 会長塚越寛 埼玉県より表彰。

テレビ番組

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書籍

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単著

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  • 『いい会社をつくりましょう』(2004年7月28日、文屋)ISBN 978-4990085872
    • 『新訂 いい会社をつくりましょう』(2012年5月1日、文屋)ISBN 9784990555245
    • 『新訂 いい会社をつくりましょう』(2012年5月1日、サンクチュアリ出版)ISBN 9784861136337
    • 『映像本 いい会社をつくりましょう 』(著者:塚越寛、監修:大久保寛司、編集:中島敏子)(2012年8月5日、文屋)ISBN 978-4990555269
    • 『映像本 いい会社をつくりましょう』(著者:塚越寛、監修:大久保寛司、編集:中島敏子)(2012年8月5日、サンクチュアリ出版)ISBN 978-4861136351
  • 『リストラなしの「年輪経営」 いい会社は「遠きをはかり」ゆっくり成長』(2009年2月25日、文屋)ISBN 9784334975586
    • 『リストラなしの「年輪経営」 いい会社は「遠きをはかり」ゆっくり成長』(2014年9月11日、光文社 知恵の森文庫)ISBN 9784334786571
  • 『幸せになる生き方、働き方』((2012年4月18日、PHP研究所)ISBN 978-4569803388
  • 『PHP松下幸之助塾 vol.21(2015.1-2 ―人生と経営の成功原則とは 特別対談豊田章男×塚越寛/特集:人間力を高める』(2014年12月1日、PHP研究所)ISBN 978-4569814131
  • 『塚越寛の「年輪経営の実践」CD (日本語) CD-ROM 』(2016年1月8日、日本経営合理化協会出版局)ISBN 978-4891013677
  • 『伊那食品工業の年輪経営 (日本でいちばん大切にしたい会社DVDブックシリーズ 現場探訪編)』(2016年12月26日、あさ出版ISBN 978-4860639594
  • 『経営と人生を語る (日本でいちばん大切にしたい会社DVDブックシリーズ 経営者インタビュー編)』(2016年12月26日、あさ出版)ISBN 978-4860639600
  • 『「いい会社」ってどんな会社ですか? 社員の幸せについて語り合おう』((2017年8月11日、日経BP社ISBN 978-4822259549
  • 『年輪経営一度きりの人生を幸せに生きるために』((2018年5月24日、日経BP社)ISBN 978-4822256593
  • 『末広がりのいい会社をつくる ~人も社会も幸せになる年輪経営~』(2019年5月24日、サンクチュアリ出版)ISBN 978-4861138621

共著

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カレンダー

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  • 塚越寛 著『塚越寛 日々の言葉 人も社会も幸せになる年輪経営』(著者・写真:塚越寛、編集:文屋、イラスト:野村陽子)(2018年11月15日、文屋)ISBN 978-4907298050 - 日めくりカレンダー

脚注

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  1. ^ トヨタも驚愕!伊那食品工業「48期連続増収増益」の秘密”. プレジデント社 (2008年12月1日). 2021年1月20日閲覧。
  2. ^ 「私たちはどうあるべきか」~How to beの追求~”. トヨタイムズ (2019年6月24日). 2021年1月20日閲覧。
  3. ^ “[https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/51233 世界のトヨタが「師匠」と呼ぶ伊那食品工業 豊田章男社長だけでなく、関連会社のトップが次々伊那バレーを訪問]”. JBpress (2017年10月10日). 2021年1月20日閲覧。
  4. ^ トヨタの“師”が語る「新型コロナで景気が悪化しても雇用は守る」”. 株式会社日経BP (2020年4月22日). 2021年1月20日閲覧。
  5. ^ a b 驚異の48年連続増収 「年輪経営」で社員の幸せと会社の永続を目指せ! - テレビ東京 2012年8月23日
  6. ^ 伊那食品工業 公開特許公報”. Espacenet. 2016年2月25日閲覧。
  7. ^ なお、J-PlatPat では2016年2月25日現在で257件の公開特許公報がヒットしたことをここに記す。
  8. ^ 海藻由来の可食性フィルム”. 伊那食品工業. 2021年1月19日閲覧。
  9. ^ 海藻肥料好評販売中!”. かんてんぱぱ. 2021年1月19日閲覧。
  10. ^ 拠点一覧”. 伊那食品工業. 2021年1月19日閲覧。
  11. ^ 特別栽培米 養土藻米”. かんてんぱぱオンラインショップ. 2021年1月19日閲覧。
  12. ^ かんてんぱぱガーデン”. 伊那食品工業. 2021年1月19日閲覧。
  13. ^ 全国のショップ”. かんてんぱぱ. 2021年1月19日閲覧。
  14. ^ 農園事業”. 伊那食品工業. 2021年1月19日閲覧。
  15. ^ a b c d e 会社概要”. 米澤酒造 (2017年6月). 2018年3月10日閲覧。
  16. ^ “地域に愛される酒蔵 米澤酒造リニューアル”. Nagano Nippo Web (長野日報社). (2017年9月29日). http://www.nagano-np.co.jp/articles/22751 2018年3月10日閲覧。 
  17. ^ “ずらり酒徳利 米澤酒造リニューアルオープン”. Nagano Nippo Web (長野日報社). (2017年12月10日). http://www.nagano-np.co.jp/articles/25682 2018年3月10日閲覧。 
  18. ^ a b 馬渕信彦 (2017年10月30日). “日本酒ブームの影で増加する酒蔵の廃業――「買収」という「ポジティブな手法」が蔵元を救う”. GetNavi Web (学研プラス). https://getnavi.jp/cuisine/193238/ 2018年3月10日閲覧。 
  19. ^ コトバンク 今錦とは([日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクションの解説)”. 2018年3月11日閲覧。
  20. ^ 製品案内”. 米澤酒造. 2018年3月10日閲覧。

外部リンク

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動画

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