見附島 (石川県)
見附島 | |
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西北西から望む見附島 (2014年10月11日) 令和6年能登半島地震後の見附島 (2024年2月16日) | |
所在地 |
日本 石川県珠洲市宝立町鵜飼[1][2] |
所在海域 | 日本海 |
座標 | 北緯37度23分46.26秒 東経137度14分50.24秒 / 北緯37.3961833度 東経137.2472889度座標: 北緯37度23分46.26秒 東経137度14分50.24秒 / 北緯37.3961833度 東経137.2472889度 |
面積 | 0.001147[3] km² |
海岸線長 | 0.4[1] km |
最高標高 | 約28[1][4][5] m |
プロジェクト 地形 |
見附島(見付島、みつけじま)は、石川県珠洲市にある無人島。島の形を軍艦に見立て軍艦島(ぐんかんじま)[1][3][4][5][6][7]、あるいは見月島(みつきじま)[2]の別名があり、能登地方のシンボルとなっている[4]。能登半島国定公園内に位置しており、石川県の天然記念物に指定されている[6]。
地理
[編集]珠洲市の南部、鵜飼海岸(着崎海岸)の南東200 - 300mに位置する[1][3]。全長158.5m、最大幅45.3m[8]、周囲400m[1][8]、頂部は面積が1,977.8m2、標高は28.8mである[1][4][5][7][8][9]。頂部はモチノキやタブノキの群落があり、地形の詳細は分かっていなかったが、2023年にドローンによる見附島のレーザー撮影と分析が行われ、頂部が平らな地形であることをはじめ、詳細な形状が明らかとなった[8]。
島内には見附神社があり、クロマツやシイ、タモ、エゾイタドリといった植物が分布しているほか、鳥類のカラスやウが生息している[3]。干潮時には踏み石が現れ、島のそばまで行くことができる[1]。島の周辺は公園として整備され、遊歩道やレストハウス、海水浴場、キャンプ場、国民宿舎のとじ荘(珠洲温泉)がある。
近傍に「小島」を従えていたが消滅しており、見附島も相次ぐ地震で斜面の崩落が進んでいる(後述)[10]。
地質と地形
[編集]能登半島北東域に広く分布している新第三紀中新世後期の泥岩や珪藻泥岩(飯塚珪藻泥岩層)の堆積構造で形成されている[11]。
地震や台風による地形の変化
[編集]- 1993年(平成5年)2月7日に発生した能登半島沖地震(M6.6)で島の東側一部が崩落した。
- 2019年の令和元年東日本台風(台風19号)による強風と高波の影響で「小島」が消失した[12]。
- 2020年(令和2年)12月以降の能登群発地震でたびたび島の一部が崩落している。
小島
[編集]かつて島から20m、海岸から約200m離れた場所に珪藻土の岩「小島」が存在していた。見附島と並ぶ「二島」として長年親しまれ、セットで信仰の対象になっていた。かつては高さ、幅ともに約10mあったとされているが、年月が経つにつれて浸食により高さ2m、幅2mの三角形の小さな岩にまで縮小し、令和元年東日本台風(台風19号)による強風と高波の影響で完全に消失した[12]。
島名の由来
[編集]見附島という島名は、空海(弘法大師)が佐渡島から当地方に渡った際、最初に見付けた島であることに由来する[1][3]。当地に降臨した加志波良比古神が最初に見つけた島とも伝わる。
文化
[編集]銭湯絵師の中島盛夫が島の景観を気に入り、各地の銭湯に描いている[16]。
交通アクセス
[編集]- 金沢駅西口・穴水駅前・のと里山空港より北鉄奥能登バス珠洲特急線・珠洲宇出津特急線で「珠洲鵜飼」(珠洲特急)または「南鵜飼」(珠洲宇出津特急)バス停下車。
- のと鉄道能登線廃止までは鵜飼駅が最寄り駅であった。
- のと里山空港より約40分。
脚注
[編集]- ^ a b c d e f g h i 『ニッポンを解剖する!金沢 能登図鑑』JTBパブリッシング、2018年3月1日、118頁。ISBN 978-4-533-12465-5。
- ^ a b “月と見附島の共演 地元住民ら楽しむ 珠洲”. 北陸中日新聞Web. (2020年10月2日) 2022年12月22日閲覧。
- ^ a b c d e 『角川日本地名大辞典 17 石川県』858ページ
- ^ a b c d e f “【動画】石川地震 能登のシンボル「軍艦島」も土砂崩れ、砂煙上げ揺らぐ”. 産経新聞ニュース. (2022年6月19日) 2022年12月22日閲覧。
- ^ a b c d e “石川・珠洲市の「軍艦島」地震で崩れる…観光客「島の先端がガラガラと音を立てて」”. 読売新聞オンライン. (2022年6月21日). オリジナルの2022年6月21日時点におけるアーカイブ。 2022年12月22日閲覧。
- ^ a b c “【珠洲で連日強い揺れ】見附島、裏側斜面も崩壊 両端欠けた「軍艦」に”. 北國新聞. (2022年6月21日). オリジナルの2022年6月21日時点におけるアーカイブ。 2022年12月22日閲覧。
- ^ a b “世界農業遺産の絶景に、能登ワイン、能登ミルクと飲み物ざんまい 能登半島ぐるり旅”. 朝日新聞デジタル マガジン & Travel (2019年10月23日). 2022年12月22日閲覧。
- ^ a b c d “見附島頂部は平ら 本社調査で初確認”. 北國新聞デジタル (北國新聞). (2023年11月18日) 2023年12月9日閲覧。
- ^ 『角川日本地名大辞典 17 石川県』857 - 858ページ
- ^ “「見附島は地域の宝」崩落心配、本紙報道受け住民続々訪れ”. 北國新聞 (2023年5月11日). 2024年2月5日閲覧。
- ^ “文化財の県指定について”. 石川県庁. 2024年2月1日閲覧。
- ^ a b 見附島の隣「小島」が消失『富山新聞』2019年10月17日付30面
- ^ 観光名所の「見附島」が地震で崩れる 石川・珠洲市 TBSテレビ(2024年1月2日)2024年2月5日閲覧
- ^ 名勝「見附島」半分に 住民落胆「もう軍艦島じゃない」 能登半島地震で崩落 北國新聞デジタル(2024年1月15日)2024年2月5日閲覧
- ^ “石川・珠洲の名勝崩落、変わり果てた姿に住民「もう軍艦島とは呼べない」”. 読売新聞オンライン. 2024年1月26日閲覧。および『読売新聞』夕刊1月26日1面「*珠洲・見附島 崩れ落ちた名所」
- ^ 『北國新聞』朝刊2018年3月12日付5面
参考文献
[編集]- 「角川日本地名大辞典」編纂委員会・竹内理三編『角川日本地名大辞典 17 石川県』(角川書店、1981年7月8日)ISBN 4040011708
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- ほっと石川旅ねっと 見附島/軍艦島 - 石川県観光連盟
- 珠洲市観光サイト 見附島 - 珠洲市