コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

酸化リチウム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
酸化リチウム
識別情報
CAS登録番号 12057-24-8
特性
化学式 Li2O
モル質量 29.881 g/mol
外観 無色結晶
密度 2.013 g/cm3
融点

1570℃

沸点

2600℃

への溶解度 水と反応
構造
結晶構造 立方晶系
熱化学
標準生成熱 ΔfHo −597.94 kJ mol−1[1]
標準モルエントロピー So 37.57 J mol−1K−1
標準定圧モル比熱, Cpo 54.10 J mol−1K−1
危険性
EU分類 腐食性(C)
EU Index Not listed
Rフレーズ R34
Sフレーズ S26, S36/37/39, S45
引火点 不燃性
関連する物質
関連物質 酸化ナトリウム;酸化カリウム;酸化ルビジウム;酸化セシウム
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

酸化リチウム(さんかリチウム、lithium oxide)は組成式Li2Oで表されるリチウム酸化物である。

製法

[編集]

金属リチウムを空気中および酸素中で燃焼させると生成する。他のアルカリ金属と異なり酸素との直接反応では過酸化リチウムLi2O2および超酸化リチウムLiO2は生成しない。

箔に包んだ無水水酸化リチウムをニッケルボート中で減圧下675℃に加熱分解すると得られる[2]

また炭酸リチウムを700℃で50時間減圧下で加熱し分解させても得られる。

無水過酸化リチウムヘリウム中で450℃で6時間加熱し分解させても得られる。

性質

[編集]

白色の粉末でリチウムイオンLi+と酸化物イオンO2−からなるイオン結晶であり、他のアルカリ金属酸化物よりも熱力学的に安定で、融点もかなり高い。

水と熱を発して反応し、水酸化リチウムを生成する。

[1]
[1]

水蒸気および二酸化炭素を吸収しやすい。

結晶構造

[編集]

酸化リチウムの構造 __ O2−  __ Li+

酸化リチウムは酸化カリウムおよび酸化ナトリウムと同様に立方晶系逆蛍石型構造をとり、リチウムイオンLi+正四面体4配位、酸化物イオンO2−立方体8配位となる。その格子定数はa = 4.61Åである[3]

脚注

[編集]
  1. ^ a b c D.D. Wagman, W.H. Evans, V.B. Parker, R.H. Schumm, I. Halow, S.M. Bailey, K.L. Churney, R.I. Nuttal, K.L. Churney and R.I. Nuttal, The NBS tables of chemical thermodynamics properties, J. Phys. Chem. Ref. Data 11 Suppl. 2 (1982).
  2. ^ 日本化学会編 『新実験化学講座 無機化合物の合成I』 丸善、1976年
  3. ^ 『化学大辞典』 共立出版、1993年