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雷神 (行進曲)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
雷神行進曲から転送)

雷神』(らいじん、英語: The Thunderer)は、ジョン・フィリップ・スーザ作曲の行進曲1889年に作曲された[1]。日本語では、『雷神行進曲』、『ザ・サンダラー』と呼ばれることもある。

この曲は、スーザの作品として最もよく知られた作品のひとつであり、また比較的演奏しやすい曲でもある[2]1968年から1972年にかけて、アメリカ合衆国ABCニュースは、この曲を選挙のテーマとして使用していた。

題名と作曲の経緯

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曲名の「雷神」とは、雷を武器として操るギリシャ神話の主神ゼウスローマ神話ユーピテル)のことである。曲名の由来は公的には明らかにされていないが、「(この曲の)楽譜に記されたドラムとビューグルの爆発(的効果)」からこの名が付けられたものと考えられている[2]

スーザの娘であるヘレンは、この題名を「the thunderer」のニックネームを持つロンドン・タイムズを指すものかもしれないと推測したが、当時スーザはロンドン・タイムズと関係を持っていなかった[3]

この曲がフリーメイソンと関係があることは明らかであり、1889年10月に開催されたテンプル騎士団英語版グランド・エンキャンプメントの第24期トリエンナル・コンクレーブのために作曲された[3]。曲はこの大会を後援したワシントンDCにあるテンプル騎士団の第2コロンビア・コマンドリーに献呈されている[3]。スーザはこの組織によって3年前に騎士とされていた[3]。あるいは題名の「The Thunderer」もコンクレーブの開催のために奔走した人物を指すのかもしれない[3]

楽曲

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この作品は、スーザの多くの作品と同じような構成になっているが、スーザが最も早い時期に生み出した「明確にアメリカらしいサウンドの行進曲」である[2]。この行進曲は、スーザの他の曲と同様の標準的な形式(IAABBCDCDC)をとっている。他の曲と同じように、対照的な複数のテーマが導入される。Bセクションの反復部では、対位法的旋律が導入される。3番目のセクション(トリオ)は歌うような旋律である。トランペットが同じ指使いで吹けるところが特徴的である。最後のテーマの反復を導入するところで、リタルダンドがあり、そのまま切れ目なく終結部へとつながる[2]

日本における普及

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『雷神』は早くから日本にも紹介されており、今日でも吹奏楽曲として演奏される機会が頻繁にある。1956年には、選抜高等学校野球大会入場行進曲に使用された。

出典・脚注

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  1. ^ The Works of John Philip Sousa”. John Philip Sousa - American Conductor, Composer & Patriot. Dallas Wind Symphony. 2007年9月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年9月10日閲覧。
  2. ^ a b c d The Thunderer, march for band”. Answers.com. 2008年11月21日閲覧。
  3. ^ a b c d e “THE THUNDERER” (1889), United States Marine Band, https://www.marineband.marines.mil/Audio-Resources/The-Complete-Marches-of-John-Philip-Sousa/The-Thunderer-March/ 

外部リンク

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