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青年漫画

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
青年誌から転送)

青年漫画(せいねんまんが)は、日本における漫画のジャンルのひとつであり、少年漫画よりも上の年齢層を対象とした漫画。

概要

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かつては成人の男性をおもな対象としていたが、現在では若年層や女性の読者も増え、少年漫画少女漫画もしくは女性漫画との境界も薄れつつある。幅広い作風の作品を取り扱う事により広範な読者を獲得し、漫画業界においては掲載雑誌数および対象読者層の観点から市場の大きなジャンルとなっている。

扱われるテーマはビジネス賭博グルメなど多岐にわたるが、少年漫画や少女漫画ではあまり扱われない大学生、社会人の生活、社会人向けの実践的な知識、本格的なミステリー社会問題経済関連のテーマなどが扱われることも多く、思想的・政治的な表現を盛り込んだ作品もある。老若男女、様々な人物たちを成人男性の視点で傍観する作品もある為、少年漫画に近い作品、少女漫画に近い作品を生み出すこともできる(実際に、青年漫画の用法を使った「マニア向け少年漫画」「男性向け少女漫画」を名乗っている雑誌もある)。概ね高校生以上の年代層をターゲットとしており、少年漫画と比べてが読者層の年齢が高いことから、ホラー漫画格闘漫画の傾向による性的・暴力的な描写への制約も薄い。性的・暴力的な描写、喫煙・飲酒シーンなどがなく、それに関する概念・問題点のみを描写している全年齢対象の青年漫画もある。

少年漫画・少女漫画もしくは女性漫画に近べて表現の制約が少なく、作者の自由度が高いジャンルであり、少年漫画や少女漫画から移籍してきた作家も多い。掲載作品のメディアミックスに関してはテレビドラマ化・映画化の割合が多く、アニメ(TVアニメ作品・OVA作品)化もしくはゲーム化される機会が多い少年漫画・少女漫画・メディアミックス系の漫画雑誌と対比すれば、より広範な読者層の支持が期待される。ただし、少年漫画にも言える事だが、女性キャラクターは男性キャラクターと比べるとエロティックさ、目に見える行動といった外見的な魅力、役割が重視されており、男性キャラクターと同じぐらい登場頻度を増やすと背景画と一続きのような絵柄になり、読者の感情移入を促す人物として描写する分には限度がある。少年漫画と同様に男性キャラクター、男性が抱える社会問題を描くのに向いている。

成人向け漫画(漫画によるポルノグラフィ)の通称である「成年漫画」とは全く異なるジャンルであり、出版・流通の段階では厳密に区別される。しかし、成人向け漫画業界から青年漫画業界への作家の流入もあり、一部の雑誌では実質的に成人向け漫画雑誌に近い誌面になっている(作品において「成年向け青年漫画」となっている)場合もある。他方、成人向け漫画雑誌にも「マークなし」と呼ばれるソフト路線の作品を扱う雑誌が存在し、グレーゾーンの存在が両者の区別を困難にしている場合がある[誰によって?]

出版・流通・販売の段階では、マニアックな漫画雑誌や、月刊コミック電撃大王などメディアミックスに重点を置いた漫画雑誌に掲載された作品も青年漫画に含まれるが、マーケティングの手法や消費者の立場からは青年漫画と区別されることもある。

歴史

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昭和30年代から漫画サンデー誌が存在したとみられるが、これは大人向け(18禁の意味ではない)つまり教養のある人向けの色気を含んだ内容の雑誌であり、青年漫画誌として見られていたわけではない。

昭和39年に週刊漫画ゴラクが発売され、昭和40年代初めには漫画サニーなどの青年向けのエロと危険と暴力の匂いのする雑誌があり、昭和42年の週刊漫画アクション誌でルパン三世などがヒットして市場と分野が成長した。

おりから、日本の高度成長の結果、貿易黒字が続き、紙パルプが入手しやすくなって各分野の漫画雑誌が次々に増えていった時代である。またカウンターカルチャーが盛んだった時代でもある。

女性の青年層向けマンガの雑誌としては、経済的に自立しづらい高校生も青年に含めるならば、1968年創刊のセブンティーン誌など(当時はハイティーン誌と呼ばれた)があるが、若い大人に似た意味の青年であれば、1970年代末創刊のBE・LOVE(1979)、YOU(1980)などの雑誌から明確な分野が始まる。 その後、女性の18歳以上を対象とした分野は、レディースコミックと呼ばれるようになる。

関連項目

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外部リンク

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