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クラチャイダム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
黒ショウガから転送)
クラチャイダム
保全状況評価[1]
DATA DEFICIENT
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 単子葉類 Monocots
階級なし : ツユクサ類 Commelinids
: ショウガ目 Zingiberales
: ショウガ科 Zingiberaceae
: バンウコン属 Kaempferia
: クラチャイダム K. parviflora
学名
Kaempferia parviflora Wall. ex Baker[2]
シノニム
  • Kaempferia rubromarginata (S.Q.Tong) R.J.Searle
  • Stahlianthus rubromarginatus S.Q.Tong[3]

クラチャイダムタイ語: กระชายดำ[4]タイ語発音: [krà.t͡ɕʰāːi̯.dām] クラチャーイダーム; 学名: Kaempferia parviflora)は、タイを原産とするショウガ科バンウコン属Kaempferia)の多年草。日本では、黒ショウガ黒ウコンブラックジンジャーとも呼ばれる。

原産国タイでは1000年以上も前の昔から、滋養強壮や精力増強、疲労回復や血圧調整、腹痛、アレルギーなどに効果があると信じられており[5]、長寿薬としても使用されている。さらに、男性の勃起不全(ED)の改善にも効果があるとされている[6]

近年の研究では、肥満解消や心肺機能の向上、美容効果もあると言われている[5]

特徴

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クラチャイダムは、他のショウガ科の植物と同様に、土の中に根茎があり、葉は地上に生えている。根も葉も見た目は一般的なショウガと非常に似ているものの、塊根部分を切ると、切断面がサツマイモの皮のような紫色をしている点が特徴である。

分布

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分布についての説明は資料によりまちまちである。キュー王立植物園系データベース Plants of the World Online ではバングラデシュ、ビルマ(ミャンマー)、タイカンボジアに自生するとされている[3]。一方、いずれもショウガ目植物の専門家であるベトナムチャン・フー・ダンTrần Hữu Ðăng)ならびにチェコヤナ・レオン=シュコルニチコヴァースペイン語版が監修を行ったIUCNレッドリストにおいてはインド、ビルマ、タイ、ラオス、ベトナムが一応の分布域とされている[1]。ただIUCNレッドリストでは本種が東南アジアの広域で栽培されており、種子が鳥により拡散され容易に結実することや、それが栽培個体から始まり野生化した下位個体群をなす可能性について言及され、純粋な野生個体群を見極めることは非常に困難であるとされている[1]。そもそもタイプ標本に関してもビルマのアッタラン川英語版河岸で採取されたとの記述は存在する[7]ものの、それが野生個体のものであったか否かについてははっきりしていない[1]

成分

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クラチャイダムの成分として有名なのが、11種類のフラボノイドである[8]。フラボノイドには抗酸化作用があり、これらのフラボノイドが健康増進に寄与しているとされている。その他に、抗酸化物質の効果には、老化防止(アンチエイジング)、動脈硬化心筋梗塞の予防などが挙げられる。

クラチャイダムにはフラボノイド以外にも、アルギニンや、BCAA(バリン・ロイシン・イソロイシン)やトリプトファンなどの必須アミノ酸アスパラギン酸などが含まれている。

利用

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タイで栄養価が高いとされているのは根茎であり、古くから塊根部分を薄切りにして煮出したり、酒に漬けて、飲用していた。日本では、サプリメント(健康食品)として、クラチャイダムの抽出液を含んだ錠剤やカプセルが販売されている。

脚注

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出典

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  1. ^ a b c d Tran, H.D. & Leong-Škorničková, J. 2019. Kaempferia parviflora. The IUCN Red List of Threatened Species 2019: e.T117415630A124283592. doi:10.2305/IUCN.UK.2019-3.RLTS.T117415630A124283592.en. Accessed on 22 July 2023.
  2. ^ E. C. Stuart Baker (1864–1944; 鳥類学者) もしくはジョン・ギルバート・ベイカー (1834–1920; 植物学者)
  3. ^ a b POWO (2023). Plants of the World Online. Facilitated by the Royal Botanic Gardens, Kew. Published on the Internet; https://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:797188-1 2023年7月22日閲覧。
  4. ^ กระชายดำ | Kaempferia parviflora Wall. ex Baker : BGO Plant Database-ฐานข้อมูลพันธุ์ไม้ องค์การสวนพฤกษศาสตร์” (タイ語). [シリキット王妃植物園英語版]. 2023年7月22日閲覧。
  5. ^ a b Matsushita M, Yoneshiro T, Aita S, Kamiya T, Kusaba N, Yamaguchi K, Takagaki K, Kameya T, Sugie H, Saito M (2015) Kaempferia parviflora extract increases whole-body energy expenditure in humans: roles of brown adipose tissue. J Nutr Sci Vitaminol (Tokyo) 61:79–83., doi:10.3177/jnsv.61.79
  6. ^ Efficacy Assessment of Kaempferia parviflora for the Management of Erectile Dysfunction, ISSN 1608-4217
  7. ^ Baker, J. G. (1890). “Scitamineæ”. In J. D. Hooker. The Flora of British India. 6. London: L. Reeve & Co.. p. 221. https://www.biodiversitylibrary.org/page/18708103 
  8. ^ Simultaneous identification and quantitation of 11 flavonoid constituents in Kaempferia parviflora by gas chromatography. Sutthanut K, Sripanidkulchai B, Yenjai C, Jay M., J Chromatogr A. 2007 Mar 2;1143(1-2):227-33. Epub 2007 Jan 13., doi:10.1016/j.chroma.2007.01.033

関連項目

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