二次元コード
二次元コード(にじげんコード)とは、横方向にしか情報を持たない一次元コード(バーコード)に対し、水平方向と垂直方向に情報を持つ表示方式のコードのこと。バーコードと比べると面積あたりの情報密度が高く、コード化するデータが同一であれば印字、表示面積は小さくなる。
小さな正方形を上下左右に配列させたマトリックス式(マトリックスコード)と、1次元バーコードを上下に複数重ねたスタック式(スタックコード)がある。
なお、「QRコード」はデンソーウェーブが開発したマトリックス式二次元コードの商標である。
二次元コード全体の技術的原理
[編集]いずれのタイプの二次元コードにも共通する技術的要素は下記の通りである。
- コードを生成するエンコード技術
- コードの形状
- データ効率
- 印刷したり表示したりする技術
- 変形や汚れに対するエラー訂正
- コードを画像処理して文字列などに変換するデコード技術
読み取りの精度はコード自体の規格に加え、読み取りの画像処理技術と光学系の性能に依存する。
マトリックスタイプのコードにおいて、データの最小単位を表すデータセルは点(又は三角・四角)状のものであり、データの格納範囲を表すものは直線か点線のものが多い。データセルをカラー化したり変形(三次元化も含み)させて、白黒であれば2のN(m×n)乗のデータであるものをM(整数)のN乗のデータの表現力に上げることもできる。
本技術の世界での発明当初は、1970年代始め頃、アメリカにおいてスタックコード、少し遅れてマトリックスタイプの二次元コードが数種類発明・開発された。1990年代に入って、NASAやUPSなどがその一部を採用したがプロセッサーのコストやソフト開発環境/ハード技術(処理速度)、レーザー読み取り機やCCDカメラの性能やコストがその普及の障害になり、工場の自動化などのFA(ファクトリーオートメーション)などへの用途が主体であった。アメリカでは、Veritec社など一部の会社がこの技術で株式公開するなど、成功例は少なからず有ったが、1990年代中盤までは大きな普及は無かった。その後、日本においても1997年頃から各社において自動エラー訂正や画像処理の技術が追加され、世界的にも規格化の動きも加速され、用途も徐々に広がってきた。
一つの大きな普及のきっかけになったのは、1999年ごろ以降の日本におけるCCDカメラ付携帯電話の爆発的普及であろうが、価格的な問題も一気に解決して規格化も進み、特にそれまで後発であったマトリックスタイプのコードも広く普及した。その頃から日本においてもさまざまな形状の2次元マトリックスコードが誕生して、新しいタイプの印刷方法や読み取り用の光学式ハードウエアも開発されてきた。
主な二次元コード
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マトリックス式[編集]
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スタック式[編集]
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マトリックス式の一覧画像
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QRコード
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AztecCode
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Semacode
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High Capacity Color Barcode(HCCB)。マイクロソフト・タグとしても知られる。
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CPcode
スタック式の一覧画像
外部リンク
[編集]- JAISA(社)日本自動認識システム協会
- 日本大百科全書(ニッポニカ)『二次元コード』 - コトバンク