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2010年10月19日 (火) 22:22時点における版
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/8/83/Anti-Chinese_government_rally_on_2_October_2010_at_Shibuya_05.jpg/320px-Anti-Chinese_government_rally_on_2_October_2010_at_Shibuya_05.jpg)
2010年尖閣諸島抗議デモ(2010ねんせんかくしょとうこうぎデモ)とは、尖閣諸島中国漁船衝突事件に端を発し、日本や中華人民共和国で行なわれた一連の抗議活動である。
概要
尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件を巡り、日本においては中国への抗議を主として、また、この件に関する日本政府(菅政権)の対応や態度について東京や沖縄を始めとする各地でデモ活動が行われている。
一方、中国においても反日デモや「日本の反中デモに対抗するデモ」が四川省や河南省など各地で展開し、デモ隊が暴徒化して日系企業の店舗や日本車を壊すなどし、10月17日には一時、警察当局も抑えきれない規模に膨れ上がった。
日本国内の抗議活動
概要
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/6/68/Anti-Chinese_government_rally_on_2_October_2010_at_Shibuya_09.jpg/230px-Anti-Chinese_government_rally_on_2_October_2010_at_Shibuya_09.jpg)
(渋谷 神宮前交差点)
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/3/30/Japanese_conservative_holds_a_placard_on_anti-Chinese_government_03.jpg/230px-Japanese_conservative_holds_a_placard_on_anti-Chinese_government_03.jpg)
(10月2日・渋谷)
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/2/2e/Anti-Chinese_government_rally_on_2_October_2010_at_Shibuya_07.jpg/230px-Anti-Chinese_government_rally_on_2_October_2010_at_Shibuya_07.jpg)
(10月2日・渋谷)
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/8/84/Anti-Chinese_government_rally_on_16_October_2010_at_Roppongi_12.jpg/230px-Anti-Chinese_government_rally_on_16_October_2010_at_Roppongi_12.jpg)
(10月16日・六本木)
2010年(平成22年)10月2日には、30都道府県で抗議活動が行われ[1]、特に東京渋谷でのデモ行進は大規模であり、田母神俊雄元航空幕僚長が会長を務める頑張れ日本!全国行動委員会を筆頭に草莽全国地方議員の会・日本李登輝友の会・日本ウイグル協会[2]が共同で主催し、参加者は主催者発表で約2700人[3]、警察発表では2670人とされている[要出典]。デモ行進前に代々木公園でおこなわれた集会には田母神俊雄、柚原正敬(日本李登輝友の会事務局長)、イリハム・マハムティ[2]、山田宏、土屋敬之[4]が登壇した。集会後にはデモ隊列が組まれ、集会を行った代々木公園から出発し、渋谷駅、表参道駅、原宿駅を経て、再び代々木公園に戻った。
デモは同日、名古屋でも行われ、CS放送チャンネル桜の報道によると約400人が参加した[5]。10月3日には沖縄でも「尖閣諸島を守ろう実行委員会」が主催したデモが行われ、主催者発表で1500人が参加したとされている[6]。
10月16日には東京都港区で抗議集会が行われ[7][8]、参加者は警察によると約2,800人(『産経』[8])・5800人(香港『文匯報』[7])が参加し、混乱はなかったという[8]。一方で、デモに対抗する在日中国人と思しき2人の若者が「排外主義」など書かれたプラカードを持ち、「帝国主義的膨張主義」であると叫びながらデモ行進の阻止を試み、警察官に排除される場面もあった[9][10]。チャンネル桜によれば、これらの人物は、横断幕を持つ中国人役2名、暴力行為を誘発する日本人役1名、それを撮影する1名の、計4名による「反日左翼の中国人過激派を装ったやらせ」であるという[11]。デモ行進終了後、希望者のみ中国大使館へ抗議行動へ向かい、全員が抗議を終えるまでに約2時間を要した。同日には宜野湾市でも「中国の領海侵犯から尖閣諸島海域を守る沖縄県民の集い」が行なわれ、約700人が参加した[8]。
これらの対中抗議デモを受け、中国外務省は日本国内の中国の大使館や総領事館の安全確保を求める談話を発表した[12]。
報道
2010年10月2日渋谷デモの報道は、事前報道として9月28日にチャンネル桜が運営するSo-TVで事前予告を[13]、翌29日にはウォールストリートジャーナルがデモ予定に触れた報道[14]を行い、同記事を聯合ニュース韓国語版と日本経済新聞英字版がそれぞれ配信[15][16]。10月1日にはBBC中国語版もデモ予定に触れた[17]。
デモ開催後にはロイター、ウォールストリートジャーナル、CNN、フランス通信社等の大手国際メディアを始め[18][19][3][20]、中国[21]、韓国[22]、台湾[23][24]、タイ[25]、ベトナム[26]、インドネシア[27]、シンガポール[28]等のアジア諸国、その他オーストラリア[29]、チェコ[30]、ブラジル[31]、イラン[32]、クウェート[33]、カナダ[34]等の世界各国で報道や配信が行われた[35]。しかし日本国内では、チャンネル桜のCS放送や同チャンネルのユーチューブ公式サイトが報道を行ったものの[36][37]、NHKや関東キー局、6大紙を含めた大手マスコミの取材や報道は「放送していないものについては、回答はできません」、「ニュース項目の判断基準は、お答えしていません」等の回答があったのみで[36]一切行われず[38][35]、ジェイ・キャストやサーチナ等の新興ネットメディア等が、日本国内大手メディアによる報道のあまりの少なさと不自然さを指摘する状況であった[36][39]。
2010年10月16日の東京デモ及び中国大使館前抗議活動の報道は、シンガポールや香港を含む中華系メディアが14日に事前報道を開始[40]。15日には台湾メディアもこれに続いた[41]。日本では産経新聞[8]や時事通信、NHKなども報じている。
報道に対する批判・見解
有識者・著名人
- 10月2日のデモの呼びかけ人の1人である田母神俊雄は同日のデモについて、「主だったメディアには直前にリリースした」「中国のデモは十数人規模でも日中で報じられるのに、日本でこれだけの人が集まったことが報じられないのはおかしい」と批判した[4]。
- 酒井信彦は、日本の大手メディアが中国で行われている反日デモの場合では場所や人数まで詳細に報道しているにも関わらず、日本で行われたデモを一切報じなかったことに対して、「シナ侵略者の最大の手先である朝日新聞は言うまでもなく、その他の読売・毎日なども及び腰になるにしても、産経新聞だけは絶対に報道しなければならなったはずである」「産経新聞すら、何故デモを報道しなかったのか、その原因・背景は徹底的に追究・解明されなければならない。そこには極めて巨大な闇が、潜んでいるに違いない」と述べている[38](陰謀論も参照のこと)。
- 産経新聞論説委員の古森義久は自社の報道姿勢について残念なことであると批判した[42]。
- 青山繁晴は、10月6日に放送された関西テレビのスーパーニュースアンカーにおいて、デモを報じなかったメディアに対し、「何もかも横並び」と苦言を呈した。また、直後にキャスターの山本浩之は、「ひと言だけ言わせてください」と前置きした上で、「渋谷はフジテレビの報道エリア」といった趣旨を述べている。
- 西村幸祐は、海外では大きく報じられたにもかかわらず、日本国内ではネットメディアしか報じていないことなどから、非常に偏った情報空間であるとしてパラレルワールドになっていると述べている[37]。
- 田原総一朗は10月15日に配信された「田原総一朗のタブーに挑戦!」において、10月2日のデモを報じなかったのは何故かという視聴者からの質問に対し、「運動を起こした主体がチャンネル桜、そして田母神さんという事で、『色付き』だと思って報道しない」といった趣旨を述べたうえで、「これは間違いで、主体を明らかにして報道をすれば良い」とし、「報道しないほうが無難」と考えている姿勢に対して「コンプライアンスの欠陥」と苦言を呈した。
インターネット世論
- インターネット上では「欧米メディアは多数報じているのに、なぜ日本のメディアは報じないのか」「圧力がかかっているのか」「日本の公共放送局NHKに向かって行進したにもかかわらず、NHKはニュースにしなかった」「民主党に気を使っているのか」などの書き込みがおこなわれた[4][39][43]。
日本の報道機関による反論・釈明
- 夕刊フジは、マークしていなかったデモが予想外の規模になったとした上で、報道規制の存在を否定した[4]。
- 産経新聞は10月10日付けのコラムにて、10月2日のデモについて短く触れた[1]。
- 読売テレビ解説委員の春川正明は10月18日に放送された情報ライブ ミヤネ屋にて、「こういうデモに参加するのは普通の人じゃない」と述べた。
- TBSテレビで10月19日に放送されたひるおび!の「中国反日デモの真相 高まる中国反日デモに見る中国の光と影…」と題した時事解説において一橋大学 王雲海教授の見解として、10月2日の東京渋谷でのデモ行進と16日の東京都港区における中国大使館への抗議デモが、中国各地で10月16日より発生した反日デモ発生の一因に考えられる、と紹介された。
確認されている主な活動
日付 | 都市 | デモ行進参加人数 | 備考 |
---|---|---|---|
2010年10月2日 | 東京都渋谷区 | 約2,700人[3] | |
愛知県名古屋市 | 約400人[5] | ||
2010年10月3日 | 沖縄県那覇市 | 約1,500人[6] | |
2010年10月16日 | 東京都港区 | 約3000人[8]または約6,000人[7][44] | |
沖縄県宜野湾市 | 約700人[8] |
中国国内の抗議活動
船衝突事件以後、散発的に抗議活動が行われている。デモ参加者には江沢民前国家主席による徹底した愛国教育によって反日感情を植え付けられている1980年代・1990年代生まれの若者が多いこと、中国政府によって社会問題に対する不満のはけ口が反日に向かうように統制されていることが指摘されている[45][46][47]。実際に中国当局に対するデモは中止させられている[48]。
10月16日、中国の少なくとも3つの都市で数万人規模のデモが発生し、新華社の報道によれば、河南省鄭州市、陝西省西安市、浙江省杭州市でもデモがあったという。四川省成都市で数千人規模の反日デモが起こり、現地のイトーヨーカ堂や伊勢丹の窓ガラス、ショーケース、シャッターがデモ隊に破壊される事態が起こった[49][50]。陝西省西安市では7000人以上のデモ隊が集結して日本国国旗を燃やし[50]、ミズノの直営店[51][50][52]や日本料理店のガラスが割られた[50]。デモでは「沖縄を回収、解放せよ」「打倒小日本」などとした横断幕が掲げられた[47]。同日、中国のインターネット上では在東京中国大使館への抗議活動への対抗デモの呼びかけが相次いでいた[53]。
10月17日、四川省綿陽市では数千人のデモが暴徒化して日本料理店や日系家電店などを襲い日本車を破壊したが、警察は制止することなく傍観した[54][55]。
10月18日、湖北省武漢市では約2千人のデモが発生した。警察はデモは容認しつつ暴徒化は阻止した[56]。このデモと同じ10月18日に、中国当局の立ち退き強要に対する抗議デモが約千人の住民によって行われたが、警察によって中止させられた[48]。
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華僑・華人の抗議行動
2010年9月18日、ニューヨークの日本総領事館前に1000人の華僑・華人が集まり「釣魚島は中国の領土だ」などと訴えるデモ活動を行った[57]。
諸国の反応
日本
- 2010年10月17日 - 海江田万里経済財政担当大臣は中国における反日デモについて、「まだ一部の動きだろうと思うが、燃え上がらないように日本も努力しなければいけない」と述べた[58]。
- 2010年10月18日 - 決算委員会で菅首相は、日系企業施設に被害が及んでいることについて「中国側関係当局に対して遺憾の意を伝えるとともに、邦人および日系企業の安全確保を強く要請している」と述べた[59]。
- 2010年10月18日 - 仙谷由人官房長官は同16日に東京都で行われた反中デモについて「あまり過敏に反応するのはいかがかと思う」と述べた[60]。
- 2010年10月19日 - 北澤俊美防衛大臣は中国における反日デモについて、「国の中でさまざまな意見が共鳴してデモになることはどこにでもあると思う」と述べた[61]。
中国
- 2010年10月16日 - 外務省が日本側に対し「重大な関心」を表明したとの談話を出し、中国大使館や総領事館の安全確保を求めるとしている[12]。
その他の国と地域
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外部リンク
- ウェブサイト
- 頑張れ日本!!全国行動委員会 - 主催団体のひとつ(公式サイト)
- 草莽全国地方議員の会 - 主催団体のひとつ(公式サイト)
- 尖閣デモ 海外報道等 関連報道まとめ
- 動画
- チャンネル桜のYouTube - 各地で行われた今回のデモ映像が閲覧可能。
- デモ行進 10.2中国の尖閣諸島侵略糾弾!全国国民統一行動 桜H22/10/4
関連項目
参考文献
- 山際澄夫「10・2尖閣デモ現場レポート 日本メディアが集団自殺した日」『WiLL』11月号増刊、ワック・マガジンズ、2010年10月、pp.74-83。
脚注
- ^ a b 青木伸行 (2010年10月10日). “【from Editor】うそをつく政権を監視する (2/2ページ)”. 産経新聞 2010年10月11日閲覧。
- ^ a b “中国の尖閣諸島侵略糾弾!集会 デモ行進”. JANJAN. (2010年10月3日) 2010年10月12日閲覧。
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- ^ a b c d “田母神氏“煽動”尖閣大規模デモ…国内メディアが無視したワケ”. ZAKZAK. (2010年10月4日) 2010年10月10日閲覧。
- ^ a b “【名古屋】10.2中国の尖閣侵略糾弾!全国国民統一行動[桜H22/10/8]”. So-TV (2010年10月8日). 2010年10月11日閲覧。
- ^ a b “尖閣衝突事件に抗議し平和行進”. 琉球新報. (2010年10月4日)
- ^ a b c “6千日本右翼 中國大使館示威” (中文). 文匯報 (2010年10月17日). 2010年10月17日閲覧。
- ^ a b c d e f g 【尖閣衝突事件】東京の中国大使館前で2800人デモ、沖縄でも集会 産経新聞
- ^ “都内で右派系デモ、中国の「侵略」に抗議 1000人以上行進”. AFPBB News. (2010年10月16日) 2010年10月19日閲覧。
- ^ “Anti-China protest in Japan” (English). Reuters (2010年10月16日). 2010年10月17日閲覧。
- ^ “【10.16尖閣デモ】反日左翼の自作自演工作と国内外の報道姿勢[桜H22/10/18]”. So-TV (2010年10月18日). 2010年10月19日閲覧。
- ^ a b 日本に安全確保求める 中国、東京のデモで 産経新聞
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