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ドルビーTrueHD

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Dolby TrueHDから転送)

ドルビーTrueHD(ドルビートゥルーエイチディー) とは、ドルビーラボラトリーズによる可逆音声コーデックであり、HD DVDBlu-ray Disc等の第3世代光ディスク規格での使用を目的としている。

概要

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ドルビーTrueHDでは、オーディオ標本圧縮の数学的基盤としてMeridian Lossless Packing(MLP)を使用している。MLPは以前のDVDオーディオフォーマットでも使われていたが、ドルビーTrueHDとDVDオーディオの詳細はかなり異なっており、ドルビーTrueHDのビットストリームでは、最大14の音響チャンネルを含めることができる。標本当たりの量子化ビット数(ビット深度)は最大24bitで、サンプリング周波数は最大192kHzまでサポートしている。

現在普及しているドルビーデジタルと同様、ドルビーTrueHDのビットストリームはプログラムのメタデータを搬送する。メタデータは符号化フォーマットや圧縮された音声サンプルとは分離されているが、音声波形に関する情報を格納している。例えば、音量正規化ダイナミックレンジ圧縮はドルビーTrueHDビットストリームに埋め込まれたメタデータで制御される。

なお、この用途で競合する規格としては、デジタル・シアター・システムズの可逆圧縮音声コーデック『DTS-HDマスターオーディオ』がある。

ドルビーTrueHDと第3世代光ディスク規格

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HD DVDでは、ドルビーTrueHDが必須コーデックとなっており、HD DVDプレーヤーでは、2.0chステレオのドルビーTrueHDビットストリームの伸張と復号をサポートが義務付けられている。ただし、実際のHD DVDプレーヤーは5.1chサラウンドのデコードをサポートしていた。また、ドルビーTrueHDの音声トラックのみを収録という形態も可能となっている。実際にドルビーTrueHDを再生する場合は、再生機器と視聴機器のHDMIケーブルの接続も必須となり、S/PDIFを使用すればドルビーデジタルに音源が劣化してしまう。
BD-Videoでは、ドルビーTrueHDはオプションの1つであり、補助音声トラックとして存在する。Blu-rayプレーヤー側で再生必須なコーデックはリニアPCMドルビーデジタルDTSデジタルサラウンドのみとなっており、すべてのBlu-rayプレーヤーがドルビーTrueHDの再生をサポートしているわけではない。また、競合規格のDTS-HDマスターオーディオの方がライセンス代が安い傾向にあるため、近年のブルーレイは、通常ドルビー規格はドルビーデジタルで歯どまりする傾向にあり、代わりにDTS、DTS-HDを両者とも一枚のBD-ROMに含有させる傾向にある。

HD DVDでもBD-Videoでも、ドルビーTrueHDの機能自体は同じで、最大7.1chサラウンド(96kHz/24bit)となっている{BD-Videoでは、5.1chサラウンド(192kHz/24bit)というエンコードも可能}。最大ビットレートは18Mbpsで、実際の映画タイトルのビットレートは5Mbps程度が割り当てられている。ドルビーTrueHD はダウンミキシングが可能であり、プレイヤーは必要に応じて、例えば5.1chサラウンドの音声トラックから2.0chステレオ信号を生成できる。

ドルビーTrueHDをデジタルリンクで送受信する場合、符号化されたビットストリーム(最大 18Mbps)か伸張したリニアPCM(35Mbps)を転送できる必要がある。HDMI Ver1.1以降はサラウンドのリニアPCMを転送できるので、ドルビーTrueHDの音声トラックも伸張すれば問題なく転送できる。HDMI Ver1.3以降ではドルビーTrueHDのそのままのビットストリームを転送可能となった[1]TOS-Link(およびS/PDIF)は、仕様上ドルビーデジタルなどにトランスコードせずにはドルビーTrueHDを転送できない。

HDMIを装備したプレイヤーは、内部でドルビーTrueHDをリニアPCMにデコードし、リニアPCMをHDMI Ver1.1以降のインターフェースに出力することができ[2]、Blu-rayプレーヤーの機能を持つゲーム機であるプレイステーション3もこの方式をサポートしている。また、プレイヤー内でドルビーTrueHDをデコードできないか、またはデコードしないよう設定されている場合、ドルビーTrueHDのビットストリームをそのまま HDMI Ver1.3以降で転送し、転送先の機器でデコードするという構成も可能である。HD DVDプレーヤーには、TrueHDを古いフォーマット(ドルビーデジタルやDTS)に変換する機能もあった。
また一部の再生機録画機にもこの機能が存在する(パナソニックDIGAなど)。

2006年(平成18年)4月18日に発売されたHD DVD版の『オペラ座の怪人』は、ドルビーTrueHDでサウンドトラックを提供する最初のタイトルとなった。

主な採用媒体

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主にHD DVD、2008~2009年あたりに発売されたものかワーナーブラザーズ製の一部のBlu-ray Discで採用。

主な採用作品

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洋画
邦画

関連項目

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脚注

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  1. ^ HDMI Part 5 - Audio in HDMI Versions” (2006年8月9日). 2008年9月6日閲覧。
  2. ^ HDMI FAQ at hdmi.org

外部リンク

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