H&K HK33
表示
(HK33GS1から転送)
H&K HK33 | |
H&K HK33 | |
---|---|
種類 | 小銃(アサルトライフル) |
製造国 | ドイツ |
設計・製造 | H&K |
仕様 | |
種別 | アサルトライフル |
口径 | 5.56 mm |
銃身長 | 390 mm[1] |
ライフリング | 6条右転 |
使用弾薬 | 5.56x45mm NATO弾 |
装弾数 | 25発、30発、40発(箱形弾倉)[2] |
作動方式 | 反動利用方式 |
全長 | 925 mm[1] |
重量 | 3,900 g[1] |
発射速度 | 700発/分 |
歴史 | |
設計年 | 1963年 |
関連戦争・紛争 | など |
バリエーション |
|
H&K HK33は、H&K社によって開発された小口径アサルトライフルである。
概要
[編集]H&K HK33は、7.62x51mm NATO弾を使用するアサルトライフル(バトルライフル)であるH&K G3をスケールダウンしたうえで5.56x45mm NATO弾を使用できるように再設計されたアサルトライフルである。使用する弾薬が小口径ゆえに全体的なサイズや重量がG3よりも小型軽量化され、反動も必然的に少なくなった。
HK33の作動機構はG3と同じ半閉鎖ローラー・ロッキング方式のディレイド・ブローバックであり、G3と同型のボルトが組み込まれている[3]。
当初開発されたHK33は、アメリカ軍のM16同様の5.56x45mm弾を使用できるように設計されている[4]。発展型であるHK33Eは同じ5.56 mm口径だが、NATOが正式採用しているSS109弾に対応している[5]。 マガジンの装弾数は当初は25発で、後に30・40連マガジンが追加された[2]。
固定ストックは、G3同様に金属製の基部・ポリマー製(ライセンス生産品では木製の場合もある)の中間部・ゴム製のバットプレートからなるものと、MP5同様にポリマーの一体成型のものの2種類が存在する。
HK33のトリガーグループとストックはG3系サブマシンガンのMP5シリーズと互換性を持っている。
各型及び派生型
[編集]- HK33
- 基本型。
- H&K HK32
- 7.62x39mm弾仕様。
- HK43
- 民間向けHK33[6]。ごく短期間で生産が終了し、小改良を加えたHK93が主に流通した。
- HK13
- マガジン装填式軽機関銃。
- HK23
- ベルト給弾式汎用機関銃。アメリカ軍のトライアルにおいてM249軽機関銃に敗れた。
- HK53
- サブマシンガンサイズに切り詰めたモデル[4]。
- HK53 FPW(Firing Port Weapon)[7]
- Eシリーズ
- SS109弾に対応するために改設計されたモデル。それまでのモデルに対してサブタイプ記号の前に"E"が追加されている。
- HK33EA2
- HK33EA3
- HK33EA5
- HK33KEA2
- HK33KEA3
- HK33ETGS
- HK53E
- HK13E
- HK23E
- GRシリーズ
- 照準器を固定式スコープに置き換えたモデル。それぞれ以下の名称となっている。
- GR2 (HK53)
- GR3 (HK33)
- GR6 (HK13)
- GR9 (HK23)
外国製
[編集]- T223
- アメリカのH&R Firearms社がライセンス生産したHK33。
- T43
- トルコのMKE社がライセンス生産したHK33A2。
- T50
- トルコのMKE社が独自に開発したもの。独自のハンドガードと半透明マガジン、およびM4カービン同様の伸縮式ストック、ピカティニー・レールを装備している。
- T12
- トルコのMKE社が独自に開発した狙撃銃風のもの。HK33のバレルを延長してリアサイトを取り外し、PSG1のストックとピカティニー・レール付きのハンドガードを装備している。
- PK8
- パキスタン・オーディナンス・ファクトリー社製のG3A3ベースのもの。G3A3の装填口に新設計部品を付け、HK33用マガジンが使えるようにしている。
- BA-11
- ミャンマーがライセンス生産したもの。ストックやグリップ、ハンドガードが木製になっている。
- BA-12
- ミャンマーが独自に開発した軽機関銃。BA-11に二脚と短いハンドガードを取り付けたもの。
- 11式
- タイでライセンス生産されたもの。セレクターの表記がアルファベットからタイ文字に変更されている。またブルパップ式に改造した派生型も確認されており、アイアンサイトをM16タイプに変更し、フォアグリップを装備したものとなっている。
使用国
[編集]- アルゼンチン
- ボスニア・ヘルツェゴビナ
- ブラジル
- チリ
- キプロス
- 東ティモール
- エクアドル - 1994年に、エクアドル軍がFN FALの後継となる制式小銃として導入[8]。
- エルサルバドル
- フランス - サン=テティエンヌ造兵廠でライセンス生産。
- ギリシャ
- ドイツ
- アイルランド
- イタリア
- レバノン
- マレーシア
- メキシコ
- ミャンマー - 「MA-11」の名称で採用。BAシリーズと共にMAシリーズとしてライセンス生産。
- ペルー
- ポルトガル
- スペイン
- タイ - ライセンス生産品を「11式」の名称で採用。
- トルコ - MKE社がライセンス生産[5]。
- イギリス - 「L101A1」の名称で採用。
- アメリカ合衆国 - ベトナム戦争時にアメリカ海軍特殊部隊 (Navy SEALs) がT223を使用していた。
- ベネズエラ
登場作品
[編集]- 『ランボー』
- 前半の山中にてティーズル保安官がHK93を使用
漫画
[編集]- 『こちら葛飾区亀有公園前派出所』
- 悪魔がやってきた!の巻に登場。
- 『うぽって!!』
- HK33Eを擬人化したちゅーすりーとHK32を擬人化したトリッツァチ・ドゥヴァが登場し、実銃も使用する。
ゲーム
[編集]- 『レインボーシックス シージ』
- A2が「AR33」の名称で登場。
- 『CoD:MWII』
- 「[Lachmann-556」の名称で登場。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c Akira 2004, p. 16.
- ^ a b Akira 2004, p. 12.
- ^ Akira 2004, pp. 14–15.
- ^ a b c Akira 2004, p. 13.
- ^ a b Akira 2004, p. 21.
- ^ a b Akira 2004, p. 10.
- ^ Mr.Maim (Mar 31, 2014). “HK53 Firing Port Weapon - aka:HK MICV”. HKPRO.com. 2022年7月18日閲覧。
- ^ Satoshi Matsuo「無可動実銃に見る20世紀の小火器123 HK33A2」『Gun Profissionals 令和元年6月号』株式会社ホビージャパン、2019年4月27日、126頁。
参考文献
[編集]- Akira「HK33/HK43」『Gun』第43巻第2号、国際出版、2004年2月、8-21頁。