完全爆弾解除マニュアル:Keep Talking and Nobody Explodes
ジャンル | パズル |
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対応機種 | |
開発元 | Steel Crate Games |
発売元 | Steel Crate Games |
デザイナー |
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プログラマー |
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音楽 | Liam Sauvé |
美術 | Chris Taylor |
人数 | マルチプレイヤー |
発売日 |
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エンジン | Unity[1] |
『完全爆弾解除マニュアル:Keep Talking and Nobody Explodes』(かんぜんばくだんかいじょマニュアル キープ・トーキング・アンド・ノーバディ・エクスプローズ、英: Keep Talking and Nobody Explodes)は、カナダのスタジオであるSteel Crate Gamesが開発したパズルゲーム。プレイヤーは、解除の手順が記されているマニュアルを見る他のプレイヤーと協力して手続き型に生成された爆弾を解除する。
当初はバーチャル・リアリティ(VR)用に開発され、Androidで動作するSamsung Gear VRでのみプレイすることができた。その後Microsoft Windows、OS X、PlayStation 4、Linuxの対応デバイスに移植され、VRなしでもプレイできるようになった。2018年8月に公開されたアップデートによってNintendo SwitchやXbox Oneでのプレイにも対応した。2019年8月にはiOSやAndroid向けに非VRの移植版がリリースされた。
システム
[編集]本作のプレイには最低2人が必要となる。1人は「処理担当者」としてデバイスでゲームをプレイし、その他のプレイヤーは「分析担当者」として爆弾の解除方法が記されたマニュアルをゲームの公式ウェブサイトから入手する[2]。処理担当者はマニュアルを見ることができず、分析担当者は爆弾を見ることができないため、爆弾を解除する際は会話をしてそれぞれが見ている内容を伝える必要がある[3]。
ゲーム内の各爆弾は「モジュール」と呼ばれる複数の装置で構成されている[3]。処理担当者は各モジュールの特徴を分析担当者に伝え、分析担当者はマニュアルを読んで解除方法を指示する[3]。全てのモジュールの解除に成功すると爆弾は解除される[2]。爆弾に取り付けられたタイマーの残り時間がゼロになるか、一定回数のミスをした場合、爆弾が爆発してゲームは失敗となる[3]。爆弾は手続き型に生成されているため、解除方法は毎回異なる[2][4]。ステージ制のノーマルモードの他に、自由にカスタマイズした爆弾を使用するフリーモードも存在する[5]。
開発
[編集]開発者のAllen Pestaluky、Ben Kane、Brian Fetterはグローバルゲームジャム2014のためにこのゲームを製作した[1]。3人はOculus RiftのDevelopment Kitを所有していたため、バーチャル・リアリティの真新しさを活用したいと考えていた[1]。当初製作したジェットコースターのシミュレーションゲームは多くの人が興味をもってプレイしたが、ヘッドセットを装着している人は楽しんでいるものの、順番を待っている人はその楽しさを共有できていないことに3人は気付き、ヘッドセットを装着している人と、その人を見ている人の両方が楽しさを共有できるゲームというアイデアが生まれた[1]。3人は複数の候補を検討した結果、爆弾解除というアイデアが最も面白く、またゲームジャムの間に完成することができると考えた[1]。ゲームジャムの終わりに、3人は参加した他の開発者に向けてゲームをプレゼンし、ゲームのプレイ動画をYouTubeに投稿した。ゲームジャムとYouTubeの視聴者の両方から「面白い」という反応が得られたことで、3人はゲームに需要があることを実感し、完全版を開発することを決めた[1][4]。当初開発した時点では、各モジュールを解除する手順も爆弾と同様に手続き型に生成されており、ゲームを始める度に変化していたが、後に固定化された[6]。
2015年7月16日にAndroidで動作するSamsung Gear VR向けにリリースされた[4]。2016年10月13日にPlayStation VR版がリリースされ[4]、同年11月10日にはAndroid用のバーチャル・リアリティ・プラットフォームであるGoogle Daydream版がリリースされた[4]。2018年8月16日には非VR版であるPlayStation 4版、Nintendo Switch版、Xbox One版が既存のユーザー向けに無料アップデートでリリースされた[7][8]。iOSとAndroidの移植版は2019年8月1日にリリースされた[9]。2019年2月28日には日本語版がNintendo Switchでリリースされ、PC版もアップデートにより日本語に対応した[5]。
評価
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レビュー収集サイトのMetacriticでは、PC版は「賛否両論または平均的」な評価であったが[11]、Nintendo Switch版とPlayStation 4版では「概ね好意的」な評価を受けた[10][12]。
デストラクトイドは10点中9点をつけ、「もしあなたが以前からカード・アゲンスト・ヒューマニティー、モノポリー、LaserdiscのボードゲームGargoylesをプレイすることに飽きているのであれば、『Keep Talking and Nobody Explodes』はあなたが求めている楽しみを間違いなく与えてくれるだろう。目前にあるタスクに取り組む準備ができている友人がいることが条件だが」と述べた[13]。
Ars TechnicaのSam Machkovechはこのゲームを「必携」とレビューしたが、プレイヤーがある程度モジュールを理解すると、チャレンジではなく「作業のようなリズムを見出す」ことができてしまうとも指摘した[14]。また、このゲームはパーティーゲームとしてのポテンシャルがあり、見ている人にとっても同様に楽しめるとも述べた[14]。
2015年のNAVGTRアワードでは「Game, Strategy」を受賞した[15]。このゲームは「Excellence in Design」も受賞し、2016年のインディペンデント・ゲーム・フェスティバルでは「Seumas McNally Grand Prize」と「Nuovo Award」にノミネートされた[16][17]。このゲームを開発したSteel Crate Gamesは、2016年のゲーム・デベロッパーズ・チョイス・アワード[18]と英国アカデミー賞ゲーム部門[19]でベスト・デビューにノミネートされた。オフィシャルUK・PlayStationマガジンは、このゲームをPlayStationのVRゲームのベスト3に挙げている[20]。
2016年3月までに総売上本数は20万本を超えた[6]。
脚注
[編集]- ^ a b c d e f Graft, Kris (2016年1月29日). “Road to IGF: Steel Crate Games' Keep Talking and Nobody Explodes” (英語). Gamasutra. 2017年8月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年1月29日閲覧。
- ^ a b c “Nintendo Switchでリアル爆弾処理班となり極限の緊張感・思考力・チームワークを試される「完全爆弾解除マニュアル:Keep Talking and Nobody Explodes」”. GIGAZINE (2019年3月2日). 2024年8月18日閲覧。
- ^ a b c d “『完全爆弾解除マニュアル』レビュー。爆弾解除のカギは“会話”し続けること。見たモノを言葉で伝えるのは思ったより難しい!”. ファミ通 (2019年8月14日). 2024年8月18日閲覧。
- ^ a b c d e “Keep Talking and Nobody Explodes press kit” (英語). Steel Crate Games. 2018年9月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年10月4日閲覧。
- ^ a b “解除役と指示役にわかれる爆弾解除ゲー『完全爆弾解除マニュアル:Keep Talking and Nobody Explodes』がSwitchで配信開始!”. IGN Japan (2019年2月28日). 2024年8月18日閲覧。
- ^ a b Marks, Tim (2016年3月3日). “Keep Talking and Nobody Explodes has sold over 200,000 copies” (英語). PC Gamer. 2016年3月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年3月3日閲覧。
- ^ Devore, Jordan (2018年6月7日). “Keep Talking and Nobody Explodes will be so great on Nintendo Switch” (英語). Destructoid. 2021年5月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年6月7日閲覧。
- ^ Dent, Steve (2018年8月10日). “'Keep Talking and Nobody Explodes' no longer requires VR on PS4” (英語). Engadget. 2018年8月10日閲覧。
- ^ Robertson, Adi (2019年7月25日). “Awesome bomb defusal game Keep Talking and Nobody Explodes comes to phones next week” (英語). The Verge. 2019年7月25日閲覧。
- ^ a b “Keep Talking and Nobody Explodes(Switch)” (英語). Metacritic. 2021年10月24日閲覧。
- ^ a b “Keep Talking and Nobody Explodes(PC)” (英語). Metacritic. 2017年5月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年3月29日閲覧。
- ^ a b “Keep Talking and Nobody Explodes(PS4)” (英語). Metacritic. 2017年10月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年3月29日閲覧。
- ^ a b “Review: Keep Talking and Nobody Explodes” (英語). Destructoid. 2016年12月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年5月19日閲覧。
- ^ a b “Keep Talking and Nobody Explodes review: The exact opposite of a bomb” (英語). Ars Technica (2015年10月6日). 2017年12月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年10月11日閲覧。
- ^ “NAVGTR Awards(2015)” (英語). National Academy of Video Game Trade Reviewers (2016年3月21日). 2017年2月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年8月16日閲覧。
- ^ Nunneley, Stephany (2016年1月6日). “Her Story, Undertale, Darkest Dungeon receive multiple 2016 IGF Award nominations” (英語). VG247. 2016年1月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年1月6日閲覧。
- ^ Gamasutra Staff (2016年3月16日). “Her Story takes home top honors at the 18th annual IGF Awards”. Gamasutra. 2016年4月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年3月16日閲覧。
- ^ Nunneley, Stephany (2016年1月8日). “The Witcher 3, Metal Gear Solid 5 lead nominees for GDC 2016 Awards” (英語). VG247. 2016年1月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年1月8日閲覧。
- ^ Nunnely, Stephany (2016年3月10日). “Rocket League, The Witcher 3, Fallout 4, others up for BAFTA Best Game Award” (英語). VG247. Gamer Network. 2016年5月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年3月10日閲覧。
- ^ PS VR Hall of Fame, Official UK PlayStation Magazine, Issue 136, June 2017, Future Publishing, page 108