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宮福鉄道MF100形気動車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
MF200形から転送)
宮福鉄道MF100形気動車
宮福鉄道MF200形気動車
MF100形(非リニューアル車)
2009年8月 福知山運転支区)
基本情報
運用者 北近畿タンゴ鉄道[注 1][1][2]
WILLER TRAINS(京都丹後鉄道)[3][2]
製造所 富士重工業[4][5][6]
製造年 1988年[5][7][8]
製造数 MF100形4両
MF200形2両[4][5][7][8]
運用開始 1988年(昭和63年)7月16日[9][1]
主要諸元
軌間 1,067[10] mm
最高運転速度 95[4][7][11] km/h
車両定員 27(座席)+53(立席)= 80名[4][7]
車両重量 26.8t(空車)[7]
全長 16,500[5][7][10] mm
車体長 16,000[5][10] mm
全幅 3,090[5][7][10] mm
車体幅 2,700[5][10] mm
全高 3,935[5][7][10] mm
床面高さ 1,240mm[10]
台車 二軸ボギー台車
FU34FD・FU34FT[5][12][7]
車輪径 722 mm[13]
固定軸距 1,800 mm[10]
台車中心間距離 11,000 mm[10]
動力伝達方式 液体式
機関 新潟鐵工所6H13ASディーゼルエンジン[5][4][11]
機関出力 184 kW(250 PS)/ 1,900 rpm[5][4][7]
変速機 TACN-22-1100[4][13]
変速段 変速2段・直結1段[5][4][11]
制動装置 DE1A自動空気ブレーキ[5][4][11][14]
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宮福鉄道MF100形気動車(みやふくてつどうMF100がたきどうしゃ)は、宮福鉄道(その後北近畿タンゴ鉄道に改称)が開業時に導入した気動車である[9][1]。上下分離に伴い2015年(平成27年)4月1日からはWILLER TRAINS(京都丹後鉄道)が運用している[3]

本項では、イベント対応車として一部の仕様が異なるMF200形気動車についても記述する。

概要

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1988年、北近畿タンゴ鉄道の前身である宮福鉄道が宮福線を開業させた際に、富士重工業で製造した車両で、同社の開発した軽快気動車LE-DCシリーズの一種である[6]。 1988年4月に一般車MF100形が4両 (101 - 104) 、イベント対応車MF200形が2両 (201 - 202) 製造された[5][12][7][8]

なお、「MF」は旧社名の「宮福」を略したもので、社名変更の名残となっている。

構造

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車体

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富士重工業の地方鉄道向け車両「LE-DCシリーズ」であり、車体は全長16.5m (車体長16m)、幅2.7mの全溶接構造の普通鋼に、耐寒耐雪対策付車両であるため、外板は2.3mmの高耐候性鋼板SPAを使用しており[6][11][15][16]スイスの山岳鉄道を模したデザインで、車体正面は貫通形で、ヘッドライトが前照灯(前部標識灯)[注 2]と後部標識灯(尾灯)[注 3]を一つの円形ライトケースに収めているのが特徴的である[17][18][6][10]

MF100形はボディーカラーが深緑色千歳緑)、MF200形は深赤色(鳶赤色)であるが、これは宮福線沿線に位置する大江山伝説にちなんだもので、前者は青鬼を、後者は赤鬼をそれぞれイメージしている[18][7][19]

車内

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側出入口または側引戸は車体両端2箇所に片開きドア[注 4]を設け、旅客乗降口の幅は850mmであり、運転室は半室構造で乗客の監視を容易にし、客室には運転室横に整理券発行機やワンマン運転用の機器を、運賃箱は客室側に回転させれるように配置、車内・車外にはスピーカーを4個ずつ設置した [11][4][10]

車内は、床には表面に茶褐色の塩化ビニル樹脂を張り、厚さは25mmの防音構造とし、内装化粧板はクリーム系合成樹脂板を用い、客室内天井灯は蛍光灯[注 5]を12箇所と出入台灯[注 6]を4箇所設置している[4]。 なお、200番台の天井照明はシャンデリアを設けた[14]

座席は新幹線200系電車と同様の回転機構付き簡易リクライニングシートを使用しており、シートピッチは1,027mmで1+2列で配置され、定員は80人(うち座席27人)であり、モケットは緑色をベースに黒色の細格子縞とし、MF200形は、モケットは煉瓦色をベースに黒色・茶色・橙色の小紋柄としており、普通列車用の車両としてはグレードが高い装備である[17][14][20][10][12][18]

側窓は、上段は固定、下段は上昇下降できる構造であり、カーテンは横引き式とした[12]。 また、全車両トイレは設置されていない[11]

また、200番台にはカラオケ機器用電源やビデオディスプレイ用電源を装備している[10][12]

走行装置

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走行用ディーゼルエンジン新潟鐵工所(現・IHI原動機)製の6H13AS (184 kW(250 PS) を1基搭載しており、液体変速機は、変速2段・直結1段の 新潟コンバーター製のTACN-22-1100を搭載している[5][4][11][13]

台車は空気バネ支持で、車輪径は722mmの2軸駆動台車であり、動力台車形式はFU34FD、付随台車形式はFU34FTである[5][7][12][13]

制動装置は、応荷重装置付きのDE1A自動空気ブレーキを採用し、勾配を下る場合に使用する抑速ブレーキには、機関排気ブレーキとリダーダーブレーキを併用し、自動スキマ調整装置を備え、安全の確保と制輪子の摩耗を減少を図っている[14][10]。 また、総括制御用ジャンパ連結器を備え、JRの一般型気動車とも併結可能である[14][4][10]。 2017年にはこの機能を活用し、キハ40系との連結運転を行っている[21]

空調装置

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暖房装置は、運転席に能力5.1kW(4,400 kcal/h)のエンジン排熱を利用した温風式が2基、客室に能力5.3kW(4,600kcal/h)のエンジン排熱を利用した温風式が腰掛下に6基搭載されている[11][12]。 冷房装置は、能力25.6 kW(22,000 kcal/h)のエンジン直結方式が1基搭載されている[11][12]

リニューアル

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MF100形とMF200形全車に対してリニューアル工事を実施し、外観の扉部分が黄色水色・ピンク色に塗装されている[22]

車両配置と運用線区

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6両すべてが福知山運転支区に配置された[4]おもに宮福線内において単行または2両編成で使用されたほか、宮津線用のKTR700形・KTR800形と連結して2両ないし3両編成で運転されたこともあった。[要出典]

2019年(令和元年)度以降、KTR300形の導入によって本形式には廃車が発生している[8]2021年2月のMF201廃車に伴ってMF200形は形式消滅し、2024年現在はMF102の1両のみが残存する。[要出典]

MF102は2022年に大阪車輌工業で内外装のリニューアル改造が実施され、同年9月より「海の京都」仕様として、普通列車として運用されている[23][24]

MF100形・MF200形配置表
車両番号 廃車時期
MF101 2022年3月[要出典]
MF102 現役
MF103 2021年2月[要出典]
MF104 2020年2月[要出典]
MF201 2021年2月[要出典]
MF202 2019年2月1日[8]

注釈

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  1. ^ 1989年に宮福鉄道より改称
  2. ^ シールドビーム・150W
  3. ^ シールドビーム・50W
  4. ^ 型式・DP-40Y
  5. ^ 2本・20W
  6. ^ 白熱灯・25W

出典

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参考文献

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  • 車両電気協会『車両と電気』通巻460号(1988年9月号)
    • 宮福鉄道 総務課 泉俊弘「新生第3セクター 宮福鉄道について」 pp. 20- 25
  • 交友社『鉄道ファン』通巻330号(1988年10月号)
    • 飯島巌「マイカントリー・レールのニューパワー 第3セクター鉄道のディーゼルカー」 pp. 9 - 41
  • 日本鉄道車輌工業会『車両技術』通巻184号(1988年10月号)
    • 富士重工業 宇都宮車両工場 技術部 副部長 佐藤徹「新しい LE-Car」 pp. 48- 58
  • 日本鉄道運転協会『運転協会誌』通巻371号(1990年5月号)
    • 北近畿タンゴ鉄道 総務部 総務部長 岡井一郎「夢の架橋 北近畿タンゴ鉄道」 pp. 20 - 23
  • 日本鉄道運転協会『運転協会誌』通巻446号(1996年8月号)
    • 北近畿タンゴ鉄道 運輸部 運転車両課長 中村俊計 pp. 370 - 373
  • 交友社『鉄道ファン』通巻719号(2021年3月号)
    • 寺田裕一「30年前の鉄道風景 国鉄・JR転換線探訪 京都丹後鉄道 宮福線」 pp. 94- 99

Web資料

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地域公共交通の活性化及び再生に関する法律に基づく 鉄道事業再構築実施計画の認定について(北近畿タンゴ鉄道 宮福線及び宮津線)” (PDF). 国土交通省 (2015年3月10日). 2023年2月7日閲覧。

「ぐるっと北近畿号」運転”. railf.jp(鉄道ニュース) (2017年6月26日). 2023年2月9日閲覧。

京都丹後鉄道に「海の京都トレイン」 福知山-宮津で運行”. 両丹日日新聞 (2022年9月5日). 2023年2月13日閲覧。

京都丹後鉄道で「海の京都」運転中”. railf.jp(鉄道ニュース) (2022年11月14日). 2023年2月13日閲覧。

外部リンク

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