MICROMV
表示
(MICRO MVから転送)
MICROMV(マイクロエムブイ)は ソニーが2001年(平成13年)に商品化した民生用SD画質ビデオ規格である。
MiniDVカセット容積比約30%の超小型カセットを用い、MPEG-2デジタル記録で1時間の録画が可能。日本国内向けに商品化されたのはハンディカム(カムコーダ)4機種のみで、磁気テープ式ビデオカメラでは世界最小・最軽量(ブリック飲料サイズの容積198cc、質量230g)となったDCR-IP1K(2003年(平成15年))などがある(他に海外市場向けが数機種ある)。他社の参入がなく、ソニー独自規格になり2005年(平成17年)にはすべての機器が生産終了。テープの製造・販売は継続されていたが、2015年(平成27年)11月10日にテープの製造を2016年(平成28年)3月をもって、ベータマックスとともに終了する事が発表された[1]。
規格概要
[編集]- 記録方式:MR 2ヘッド・ヘリカルスキャン方式 (MRヘッドはハードディスクドライブ用と同タイプ)
- 再生方式:ノントラッキング(NT)方式 (デジタルマイクロカセットや一部のDAT機器で採用された方式)
- 映像圧縮形式:MPEG-2 TS 12Mbps
- 音声圧縮形式:MPEG-1 Audio Layer2 256kbps 48kHz
- 解像度:720×480(NTSC時)
- ドラムサイズ:21.7mm
- ドラム回転数:6000rpm
- カセットテープサイズ:46×30.2×8.5mm (Mini DV 容積比約30%)
- テープ幅:3.8mm (コンパクトカセットと同等)
- テープ厚/磁性層厚:5.3μm/0.05μm
- テープ材質:蒸着(ME)
- テープスピード:5.657mm/s (DVは18.831mm/s)
- 記録トラック幅:5μm
- アジマス角:±25°[2]
- 記録波長:0.29μm
- サーチデータ:あり
- ICメモリー:マイクロカセットメモリー(64kbit、標準装備)
- 録画時間:1時間
機種
[編集]ネットワークハンディカムシリーズ(IP1Kは除く)として本体にCompact HTMLインターネットブラウザとBluetoothを搭載し、Bluetoothのモデム機能を使用してメモリースティックに保存した画像やMPEG1動画(3MBまで)を添付したメールの送受信やブラウジングが可能。操作はタッチパネルとカーソルキーで行い、文字はPOBoxのトグル打ちで入力する。ハンディカムのオプションとしてCFモデムアダプタBTA-NW1も発売。
- DCR-IP7
- 2001年(平成13年)10月発売。容積280cc、質量310g。
- DCR-IP55
- 2002年(平成14年)4月発売。スライド式シューティンググリップ。
- DCR-IP220K
- 2002年(平成14年)9月発売。
- DCR-IP1K
- 2003年(平成15年)10月発売。容積198cc、質量230g(民生用カムコーダとして最小、最軽量)。Bluetoothは非搭載。
- MGR60
- 60分記録MICROMVテープ
- MGRCLD
- ヘッドクリーニングテープ
脚注
[編集]- ^ ベータビデオカセットおよびマイクロMVカセットテープ出荷終了のお知らせ
- ^ 恒木啓三ほか (2002). “MRヘッドを用いた民生用VCR電磁変換系の開発(画像記録装置および一般)”. 映像情報メディア学会技術報告 22 (2): 15 - 22. doi:10.11485/itetr.26.2.0_15.