モノグラフ
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モノグラフ(英: monograph)、モノグラフィーとは、ある一つの主題に関する研究を記した本や論文のことである[1]。
モノグラフは単行書であるが、逐次刊行物として出版されることもあり、これをモノグラフシリーズという[2]。図書館学においてモノグラフシリーズは単行書と逐次刊行物の境界領域に位置付けられる[3]。
社会科学
[編集]社会科学では、ある個人や集団、テーマを多角的に分析・調査したレポートをいう[4]。
生物学
[編集]生物の分類学では、全世界(あるいは特定地域)に生息する特定分類群の全種を網羅して分類学的に検討し、記載した総説論文をモノグラフと呼ぶ[5][6]。生物の種は新種が発見されると逐次的に記載が行われることが多いので、どんな種が見つかっているか、それらはどのような点で異なるかという情報は多くの論文にまたがって存在することになる。モノグラフはそれらを総合した上で検討を加えたものとなる。その過程では先行論文を精査すると同時に実際の標本の検討も行われ、新たな種が発見されることも多く、従って新種記載をも含むことが珍しくない。
モノグラフより部分的な内容を扱ったものはレビジョン[7](英: revision、「分類学的再検討」と訳される[8])と呼ばれる[6]。
脚注
[編集]- ^ 「モノグラフ」『図書館情報学用語辞典 第5版』 。コトバンクより2021年2月5日閲覧。
- ^ 「モノグラフシリーズ」『図書館情報学用語辞典 第5版』 。コトバンクより2021年2月5日閲覧。
- ^ “2.2.1 図書と逐次刊行物”. 目録情報の基準 第5版. 国立情報学研究所 (2020年8月). 2021年2月5日閲覧。
- ^ 「モノグラフ」『ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典』 。コトバンクより2021年2月5日閲覧。
- ^ 速水格「古生物学の今昔」『化石』第74巻、日本古生物学会、2003年、81-84頁、doi:10.14825/kaseki.74.0_81。
- ^ a b Stephen G. Saupe. “Plant Taxonomy (BIOL308): Descriptions, Literature, Manuals & Monographs”. 2021年2月5日閲覧。
- ^ 大原昌宏「標本・文献・インターネット」『大学出版』第41号、大学出版部協会、1999年、6-10頁。
- ^ 本村浩之「ツバメコノシロ科魚類の分類学的研究を振り返って : 実践と考え方: 種分類を目指す若手研究者と学生に向けて」『タクサ:日本動物分類学会誌』第34巻、日本動物分類学会、2013年、32-53頁、doi:10.19004/taxa.34.0_32。
参考文献
[編集]- 長谷川一「隠喩としての人文系学術書」『カレントアウェアネス』第296号、国立国会図書館、2008年、4-6頁。)