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SARS関連コロナウイルス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
SARSr-CoVから転送)
SARS関連コロナウイルス
SARSコロナウイルス2の電子顕微鏡写真
分類
レルム : リボウィリア Riboviria
: オルトルナウイルス界 Orthornavirae
: ピスウイルス門 Pisuviricota
: ピソニウイルス鋼 Pisoniviricetes
: ニドウイルス目 Nidovirales
亜目 : コルニドウイルス亜目 Cornidovirineae
: コロナウイルス科 Coronaviridae
亜科 : オルトコロナウイルス亜科 Orthocoronavirinae
: ベータコロナウイルス属 Betacoronavirus
亜属 : サルベコウイルス亜属 Sarbecovirus
: SARS関連コロナウイルス
Severe acute respiratory syndrome-related coronavirus

SARS関連コロナウイルス (サーズかんれんコロナウイルス、Severe acute respiratory syndrome-related coronavirus, SARSr-CoV) は、ヒトコウモリをはじめとする哺乳類に感染するコロナウイルスの一種[1]ACE2受容体を利用して宿主細胞に侵入する。エンベロープを持つ一本鎖プラス鎖RNAウイルスである。ベータコロナウイルス属(第2群コロナウイルス)に含まれる。

以前は単にSARSコロナウイルスと呼ばれていたが、非常に近縁なウイルスが複数発見されたため、2009年にそれらを含む形に拡張された[2]

概要

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2つのウイルス株がヒトに病気を引き起こすことが知られている。SARSコロナウイルス (SARS-CoV) は、2002年から2004年にかけて重症急性呼吸器症候群 (SARS) のアウトブレイクを引き起こし、SARSコロナウイルス2 (SARS-CoV-2 / 日本で「新型コロナウイルス」とも呼ばれる) は、2019年末からの新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) のパンデミックを引き起こしている[3]

この2つのウイルス株は、同一の祖先に由来し、ウイルスゲノムに約80%[4]の相同性がある。しかし、それぞれ独立にヒトに異種間伝播したものであり、SARSコロナウイルス2は、SARSコロナウイルスの直接の子孫ではなく、姉妹関係にある[3]。SARS関連コロナウイルスは他にも数百の株があるが、この2つの株以外がヒトに感染することは知られていない。

コウモリは多くのSARS関連コロナウイルスの主要な保因者であり、またSARSコロナウイルスの起源と考えられていたハクビシンからもいくつかの系統が同定されている[3][5]

SARS関連コロナウイルスは、エボラ出血熱のアウトブレイク後に世界保健機関 (WHO) によって将来的な流行の可能性を指摘されていたウイルスの1つであった。この予測は、2019年末からの新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) の流行によって現実のものとなった[6][7]

脚注

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出典

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  1. ^ Branswell, Helen (9 November 2015). “SARS-like virus in bats shows potential to infect humans, study finds”. Stat News. https://www.statnews.com/2015/11/09/sars-like-virus-bats-shows-potential-infect-humans-study-finds/ 20 February 2020閲覧。 
  2. ^ ICTV Taxonomy history: Severe acute respiratory syndrome-related coronavirus
  3. ^ a b c Coronavirus Study Group (11 February 2020). “Severe acute respiratory syndrome-related coronavirus: The species and its viruses”. bioRxiv. 12 February 2020閲覧。
  4. ^ “Analysis of therapeutic targets for SARS-CoV-2 and discovery of potential drugs by computational methods”. Acta Pharmaceutica Sinica B. (February 2020). doi:10.1016/j.apsb.2020.02.008. 
  5. ^ “Ecoepidemiology and complete genome comparison of different strains of severe acute respiratory syndrome-related Rhinolophus bat coronavirus in China reveal bats as a reservoir for acute, self-limiting infection that allows recombination events”. Journal of Virology 84 (6): 2808-19. (March 2010). doi:10.1128/JVI.02219-09. PMC 2826035. PMID 20071579. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2826035/. 
  6. ^ After Ebola, a Blueprint Emerges to Jump-Start R&D”. Scientific American Blog Network. 20 December 2016時点のオリジナルよりアーカイブ13 December 2016閲覧。
  7. ^ LIST OF PATHOGENS”. World Health Organization. 20 December 2016時点のオリジナルよりアーカイブ13 December 2016閲覧。