Strava
開発元 | Strava, Inc |
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初版 | 2009 |
対応OS | Android, iOS or Webブラウザ |
対応言語 | 14言語[1][2] |
対応言語一覧 英語、オランダ語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、日本語、韓国語、ポルトガル語(ポルトガル、ブラジル)、ロシア語、中国語(簡体字、繁体字)、スペイン語(スペイン、ラテンアメリカ) | |
種別 | フィットネス |
ライセンス | プロプライエタリ |
公式サイト |
strava |
Strava(ストラバ)は、ソーシャルネットワーク機能を組み込んだフィットネスアクティビティ記録用のWebサービスである。主に、GPSを利用したサイクリングやランニングの記録ができる[3]。 フリーミアムモデルを採用しており、いくつかの機能はサブスクリプションプランに契約することで使用できるようになる。 Stravaは2009年にマーク・ゲイニーとマイケル・ホーヴァスにより開発され、アメリカのカリフォルニア州サンフランシスコに拠点を置いている。
概要
[編集]Stravaはユーザーのアクティビティデータを記録し、ユーザーのフォロワーと共有したり、全体に公開したりできる。アクティビティを公開した場合、Stravaは同じ時間と場所で行われたアクティビティをグループ化する(マラソン、バーチャルサイクリングイベントなど)。アクティビティの記録には、ルートの概要、標高(実標高、獲得標高)、速度(平均、最低、最高)、時間(合計、移動時間)、パワー、および心拍数が含まれる。 アクティビティはスマートフォンのアプリや、ガーミン、Google Fit、スント、Wahooなどのサードパーティ製品から記録することができる。また、StravaのWebサイト上で手動追加することもできる。
Strava Metroは都市計画担当者向けに販売されているプログラムで、サポートされている都市や地域のサイクリングデータを提供する[4][5] 。
歴史
[編集]Stravaはスウェーデン語で「努力」を意味する単語である。サービスは2009年に開始された。共同創設者のマーク・ゲイニーとマイケル・ホーヴァスは、1980年代にハーバード大学でボート競技チームのメンバーとして出会った[6]。
サービス開始当初はサイクリストに人気があり、さらにランナーへと人気が広がった。2017年までに、10億回を超えるアクティビティがStravaにアップロードされた[7]。2020年までにStravaのユーザーは5000万人を超え、30億回のアクティビティがアップロードされた[8]。
2022年3月、Stravaは2022年ロシアのウクライナ侵攻の影響で、ロシアとベラルーシにおけるサービスを中止した[9]。
2022年5月、Stravaは傷害予防プログラムを提供するアプリRecover Athleticsの運営会社を買収した。Stravaは、パーソナライズされたケガ予防の運動プランなどを、Recover Athleticsのコンテンツとしてサブスクリプションプランに加えた[10]。
2023年の初頭、Stravaはサブスクリプションプランの大幅な値上げを世界各国で発表した。一部の市場では2倍以上に値上げした[11][12]。その1ヶ月前には、同社は従業員の約14%を解雇した[13]。同社の最新のベンチャーキャピタルからの資金調達は、2020年1月の1億1000万ドル規模のシリーズFラウンドである[14]。
2023年1月、同社はFatmapを買収した。Fatmapはアウトドアアクティビティ用の3D高解像度マップを構築する企業で、長期的にはFatmapのコアプラットフォームをStravaに統合することを目標としている[15]。 2023年2月、創業者兼CEOのマイケル・ホーヴァスは、より優れたCEOに交代する必要があるとして、辞任を表明した[16][17]。
機能とツール
[編集]Stravaはソーシャルメディア機能を組み込んでおり、エクササイズの記録をフォロワーに共有することができる。GPSによる記録だけでなく、写真や映像を投稿することもできる。フォロワーは、投稿にコメントしたり、「Kudos」(いいね!ボタンに相当)を送ったりできる。
Beaconは、Stravaユーザーが自分の位置を選択した相手と共有し、運動中の緊急連絡手段として活用できる機能である。
その他のプレミアム機能として、カスタムルート作成機能や、マップセグメントリーダーボードへのアクセスがある。サブスクリプションプランを利用しているユーザーは、パーソナライズされた回復およびケガ予防運動プランを利用することができる[18]。
Stravaは、セグメントを頻繁に通るランナーやサイクリスト、およびアクティビティタイプごとの最速タイムを表示するリーダーボード機能を提供している。最速タイム(KOM, King of the Mountainの略)は、ドーピングあるいはオートバイなどを用いて不正に記録されたタイムが含まれているとして批判の対象にもなっている[19][20][21]。これらの対応として、Stravaは疑わしいアクティビティを報告できる機能を追加した[22]。
プライバシー問題
[編集]2017年11月、Stravaは「グローバルヒートマップ」機能をリリースした。これは世界中のStravaユーザーからの2年間のアクティビティを可視化したものである[23]。2018年1月、国際安全保障を専攻するオーストラリア国立大学の学生が、シリアのアメリカ軍基地、アフガニスタンの前線基地、イギリス海軍のクライド海軍基地などをマッピングしていることを発見した[24][25][26][27]。この調査結果により、フィットネスアプリやその他の位置情報活用サービスに関連するプライバシー問題について継続的に調査が行われた。 StravaのCEOであるジェームズ・クォールズは、同社はこの問題について「軍および政府関係者と協力することを約束」しており、機能を見直してプライバシー設定を簡素化すると発表した[28][29]。ユーザーはグローバルヒートマップに情報を提供することをオプトアウトできるようになったが、機密情報を含む元のデータはGitHubにアーカイブされたままである[30][31]。
また、別のセキュリティ上の欠陥が2022年6月に報告され、イスラエルの軍事基地内に勤務する従業員が識別可能になっていた。この問題はStravaのセグメント機能によるものだった[32]。
脚注
[編集]- ^ “Changing your language in the Strava App”. Strava. November 10, 2018閲覧。
- ^ “Strava: Run, Ride, Swim” (英語). App Store. 2023年3月13日閲覧。
- ^ “Supported Activity Types on Strava” (英語). Strava Support. November 10, 2018閲覧。
- ^ Walker, Peter (May 9, 2016). “City planners tap into wealth of cycling data from Strava tracking app” (英語). The Guardian. November 10, 2018閲覧。
- ^ MacMichael, Simon (May 7, 2014). “Strava moves into 'big data' – London & Glasgow already signed up to find out where cyclists ride”. Road.cc. December 1, 2014閲覧。
- ^ George, Rose (2020年1月14日). “Kudos, leaderboards, QOMs: how fitness app Strava became a religion” (英語). The Guardian. ISSN 0261-3077 2023年2月5日閲覧。
- ^ Hichens, Liz (2017年5月24日). “A Triathlete Just Uploaded Strava's One-Billionth Activity” (英語). Triathlete. 2023年2月5日閲覧。
- ^ “Strava now has 50 million users” (英語). Cyclist (February 11, 2020). 2023年2月5日閲覧。
- ^ Dress, Bradley (2022年3月11日). “Strava ending service in Russia, Belarus” (英語). TheHill. 2022年3月16日閲覧。
- ^ “Strava Acquires Injury Prevention App, Recover Athletics”. PR Newswire (24 May 2022). 24 May 2022閲覧。
- ^ “Strava hikes monthly subscription price by more than 25 per cent” (英語). BikeRadar. 2023年2月5日閲覧。
- ^ Song, Victoria (2023年1月13日). “Strava knows its messy price hike is confusing” (英語). The Verge. 2023年2月5日閲覧。
- ^ “Strava Lays Off Employees, Significantly Raises Prices” (英語). Runner's World (2023年1月13日). 2023年2月5日閲覧。
- ^ Etherington, Darrell (2020年11月16日). “Strava raises $110 million, touts growth rate of 2 million new users per month in 2020” (英語). TechCrunch. 2023年2月5日閲覧。
- ^ “Strava acquires Fatmap, a 3D mapping platform for the great outdoors”. TechCrunch (January 24, 2023). 2023年3月13日閲覧。
- ^ “Strava starts race to find new CEO” (英語). cyclingweekly.com (2023年2月13日). 2023年2月13日閲覧。
- ^ Sawers, Paul (2023年2月13日). “Strava searches for new CEO with co-founder Michael Horvath departing for a second time” (英語). TechCrunch. 2023年2月14日閲覧。
- ^ “Strava Acquires Injury Prevention App, Recover Athletics”. PR Newswire (24 May 2022). 24 May 2022閲覧。
- ^ Paresh, Dave. “Fitness app Strava faces an uproar over an elite cycling user linked to doping”. www.latimes.com. 2023年3月13日閲覧。
- ^ “Strava KOMS are being hijacked by motorbikers going as fast as 112mph” (英語). road.cc (2022年9月20日). 2023年3月3日閲覧。
- ^ Usborne, Simon (2016年6月1日). “Dope and glory: the rise of cheating in amateur sport” (英語). The Guardian. ISSN 0261-3077 2023年3月3日閲覧。
- ^ “How to Report Cheating on Strava”. Strava Support (31 August 2022). 2023年3月13日閲覧。
- ^ Robb, Drew (April 4, 2018). “Building the Global Heatmap – strava-engineering” (英語). Strava Engineering. July 13, 2019閲覧。
- ^ Hern, Alex (January 23, 2018). “Fitness tracking app gives away location of secret US army bases”. The Guardian January 28, 2018閲覧。
- ^ “Fitness tracker highlights military bases” (英語). BBC News. (2018年) January 29, 2018閲覧。
- ^ “Strava Endangering the Military Accidentally” (英語). Crash Security. (January 28, 2018) May 21, 2018閲覧。
- ^ Liptak, Andrew (January 28, 2018). “Strava's fitness tracker heat map reveals the location of military bases”. The Verge. July 13, 2019閲覧。
- ^ “Strava's fitness heatmaps are a 'potential catastrophe'” (英語). Engadget. July 13, 2019閲覧。
- ^ “Strava will focus on privacy awareness to address security issues” (英語). Engadget. July 13, 2019閲覧。
- ^ Hern, Alex (January 29, 2018). “Strava suggests military users 'opt out' of heatmap as row deepens” (英語). The Guardian. April 2, 2020閲覧。
- ^ Schwartz, Mathew (January 28, 2018). “Feel the Heat: Strava 'Big Data' Maps Sensitive Locations” (英語). www.bankinfosecurity.com. April 2, 2020閲覧。
- ^ “Strava app flaw revealed runs of Israeli officials at secret bases” (英語). BBC News. (2022年6月21日) 2022年6月22日閲覧。