シュトラッセンのアルゴリズム
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シュトラッセンのアルゴリズム(Strassen algorithm)は、行列の積を高速に計算するアルゴリズムである。通常、行列同士の積を計算するにはの時間が必要だが、このアルゴリズムを用いると、の時間で計算できる[1]。1969年、フォルカー・シュトラッセンが開発した[1][2]。
便宜上、を偶数と考えて、以下のように部分行列に分解する。
そして、以下の七つの行列をつくる。
このとき、
の関係が成り立つ。
この関係を利用して計算すると、部分行列同士の乗算が、通常の方法では8回必要なのに、この方法では7回ですむようになり、計算時間が削減される。部分行列への分割を再帰的に行うことにより、さらに計算時間を削減することができる。
脚注
[編集]関連文献
[編集]- Ushiro, Y. (1998). An extension of Strassen's algorithm on matrix multiplication, Hitachi, Ltd. General Purpose Computer Division.
解説記事
[編集]- Huang, J., Smith, T. M., Henry, G. M., & van de Geijn, R. A. (2016, November). Strassen's algorithm reloaded. In Proceedings of the International Conference for High Performance Computing, Networking, Storage and Analysis (p. 59). IEEE Press.
- Gates, A. Q., & Kreinovich, V. (2001). Strassen's Algorithm Made (Somewhat) More Natural: A Pedagogical Remark. Bulletin of the EATCS, 73, 142-145.
- Grochow, J. A., & Moore, C. (2017). Designing Strassen's algorithm. arXiv preprint arXiv:1708.09398.
- Ikenmeyer, C., & Lysikov, V. (2017). Strassen's 2x2 matrix multiplication algorithm: A conceptual perspective. arXiv preprint arXiv:1708.08083.
精度保証付き数値計算
[編集]- 荻田武史, 大石進一, 後保範「Strassen のアルゴリズムによる行列乗算の高速精度保証 (微分方程式の数値解法と線形計算)」『数理解析研究所講究録』第1320巻、京都大学数理解析研究所、2003年5月、151-161頁、CRID 1050282677273376512、hdl:2433/43088、ISSN 1880-2818。
- 森山敦史, 荻田武史, 後保範, 大石進一「拡張Strassen法による連立一次方程式の精度保証 (数値解析と新しい情報技術)」『数理解析研究所講究録』第1362巻、京都大学数理解析研究所、2004年4月、47-55頁、CRID 1050001202108508672、hdl:2433/25277、ISSN 1880-2818。