Tru64 UNIX
開発者 | IBM、DEC、コンパック、HP |
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OSの系統 | UNIX |
開発状況 | Current |
最新安定版 | V5.1B-6 / 2011年3月 |
プラットフォーム | DEC Alpha |
カーネル種別 | ハイブリッドカーネル |
ライセンス | プロプライエタリ |
ウェブサイト | 日本HP - HP Tru64 UNIX |
Tru64 UNIXはヒューレット・パッカード(以前はコンパック、その前はDEC) のAlphaプラットフォーム向け64ビットUNIXである。以前にはDigital UNIXとして、その前はOSF/1として知られていた。DECのさらにその前のUNIX製品はUltrixとして知られている。
Tru64 UNIXは、Machカーネル上に構築されているという点で他の一般的な商用UNIXとは一線を画している。Tru64 UNIXは時としてPOSIXとの互換性の欠点を批判されることがある。
(上記の内容は、公平ではないと思います。商用UNIXの大部分は、様々な段階を得て、SVR4へ移行した。オープンソースOSの普及により、商品としての価値がなくなった、ということだけでしょう。明確に書いてあるリファレンス資料はないと思います。)
OSF/1
[編集]1988年、いわゆる「UNIX戦争」の最中に、AT&Tやサン・マイクロシステムズと対抗するUNIXを開発すべく、DECはIBM、ヒューレットパッカード (HP) と合流してOpen Software Foundation (OSF) を結成した。OSF/1はカーネギーメロン大学で開発されたMachカーネルを利用した最初のオペレーティングシステムであり、System VとBSDに続く第3の主要なUNIXファミリの基礎として、おそらく最もよく知られている。
DECの最初のOSF/1は、1991年にMIPSワークステーション用にリリースされた。実際には決して完全にサポートされた製品ではなく、1992年の末までにはキャンセルされた。DECはOSF/1を新しい製品であるAlphaワークステーションに移植し、これがOSF/1として一般的に知られている最初のバージョン(V1.2)であった。
(少し、言葉足らずがあって、誤解を生むと思います。MIPS用のOSF/1 V1.0/V1.1はUltrixの後継として発売されましたが、日本語対応について不十分だったようです。そして、そのままMIPS版のOSF/1の需要はない、と判断されたそうです。リファレンス文献を探すのは不可能だと思います。内情を知る社員には守秘義務がありますが、当時なら、普通に口頭で簡単な説明をDECから聞けたはずです。SVR4がSystem VとSun-OSのBSDを合成したのと同じように、OSF/1はBSDの改良版を用意しようとしました。BSDは4.4になっても、OSとしての基本機能がSystem Vの比較して、貧弱すぎたのはよく知られた話です。効率のよいプロセス間通信すらありませんでした。BSDは、ユーザインタフェースやツール等、ユーザから見た外部仕様の充実が特徴です。Machは、BSDの改良版を目指していましたので、カーネルとしてMachを選択したOSを標準化するというのは自然な流れです。)
HPも、初期のバージョンのPA-RISCワークステーション用に設計されたOSF/1と呼ばれる製品に取りかかっていたが、ハードウェアの複雑さのためこのプロジェクトは実際には立ち上がらなかった。
(HPで、Machを移植することが技術的に難しいわけではないのは当たり前の話です。実際に移植もされていたそうです。System Vから移行するに当たって、バイナリ互換性の問題が課題でした。また、MachはSystem Vと比較して、マルチプロセッササポートが充実していたのですが、その分、重かったようです。分散OSが将来を担うとされていましたが、Machが軽くなっていくことはありませんでした。Darwin時代まで持ちませんでした。OSFの動きはAT&TのOS戦略方針を変更し、System Vのソース公開に関する条件がSUN以外でも従来のままとなり、ライセンス料の大幅引き上げも中止となりました。それで、OSF/1はDEC以外では不必要と見做されたようです。DECは、UNIXのライセンス料に関して特別な立場にあり、OSF/1を継続することによって、ライセンス料支払いの必要がなかったのですが、他のメーカは違うので、メリットがなくなりました。これもまた、リファレンス文献が見つかるはずがありません。噂しかない、契約上の秘密です。UNIX戦争の本質は、ライセンス料の引き下げにあります。)
1994年に、UNIX戦争がUNIX市場を断片化してしまった後に、Open Software FoundationはOSF/1の研究開発への資金提供を停止した。
Digital UNIX
[編集]OSFがOSF/1を投げ出してしまった後、DECはその製品をDigital UNIXと改名し、Alphaプロセッサ向けの主要なオペレーティングシステム (OS) として扱った。Digital UNIXは64ビットでありMachカーネルの基礎を維持していたが、BSD、System Vや他のソースのコンポーネントも取り入れた。
Tru64 UNIX
[編集]コンパックがDECを買収した後、純粋な64ビットOSであることを強調するために、Digital UNIXはTru64 UNIXへと改名された。
(コンパックはALPHAと共に、ライセンス料支払いの必要ないUNIXを手に入れたのですが、オープンソースのOSの登場と普及によって、SVR4とバイナリ互換がないことが理由で、メリットがなくなってしまいました。バイナリ互換を実現すると、SystemVのライセンス料支払いが発生します。コンパックを買収したHPも同じ結果となりました。リファレンスとなるべき資料を探すとなると、無理でしょう。なお、当初からSystem V互換を目指していたLinuxへKernel Threadが搭載されるのが遅れたのは、想定外というのを加える必要があるでしょう)
今後の予定
[編集]HPによるコンパックの買収に伴い、Tru64 UNIXを廃止してその最も特徴的な機能(ファイルシステムなど)をHP固有のUNIXであるHP-UXへ移植することを発表した。このファイルシステムはクラスタ環境で同時に両ノードからmount可能など先進的なものだった。しかしながら、2004年12月の時点では、HPはこのプロジェクトをキャンセルしたようであり、替わりにVeritas File Systemを利用することを選択して、Tru64 UNIXの残りの先進的な機能も放棄してしまった。この過程で、多く残っていたTru64 UNIXの開発者も冗長となりレイオフされた。
(HPの方針は、オープンソースOSの活用となり、Linuxへ移行したので、その結果だと考えるのが良いのですが、これもまた、リファレンス資料を探すのは難しいかもしれません。当初は、将来計画をそのように予定しつつ、両天秤にかけていたはずです。)
外部リンク
[編集]- 日本HP Tru64 UNIX
- Tru64.org
- ウィキメディア・コモンズには、Tru64 UNIXに関するカテゴリがあります。