利用者:長谷川こうせい
朝日日本歴史人物事典「色川三中」の解説
[編集]色川三中
[編集]没年:安政2.6.23(1855.8.5)
生年:享和1.6.24(1801.8.3)
幕末の国学者。幼名豊太郎,のち英明といい,通称は圭輔または三郎兵衛。東海,瑞霞園と号した。常陸国(茨城県)土浦土着の薬商英恵,妻富の長男。家は,かつて幕府の醤油御用を務めるほど羽振りがよかったが,文政8(1825)年,父の死去により継いだ時点では破産状態で,その再建に約10年の歳月を費やした。天保期以降,生活の緊縮と商売精進が実を結び,家業再興に成功。かくて本格的な学問修業は30代まで待たねばならなかったが,まず平田篤胤を訪ね,次いで天保7(1836)年には江戸の橘守部に入門。終始,家業と学芸を両立させながら,豊富な蔵書を築き,主に古代制度史研究に邁進した。歌文の才は発揮しなかったものの,古文書の編纂と税制,度量衡などについて多くの業績を残し,後進の国学者に少なからぬ影響をおよぼした。<著作>『田令図解抄』(『日本経済叢書』32巻),『香取文書纂』<参考文献>中井信彦『色川三中の研究』
(ロバート・キャンベル)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報
367日誕生日大事典「色川三中」の解説
[編集]色川三中 (いろかわみなか)
[編集]生年月日:1801年6月24日
江戸時代末期の国学者;薬商
1855年没
出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報
日本大百科全書(ニッポニカ)「色川三中」の解説
[編集]色川三中
[編集]いろかわみなか
[編集](1801―1855)
[編集]常陸(ひたち)国(茨城県)土浦の商人で国学者。通称三郎兵衛、東海と号す。家業は薬種業、しょうゆ醸造業を兼ねていた。1825年(文政8)家督(かとく)を継ぎ、不振の家業再興に努力し、経営が順調にいくと薬種業は弟に譲って、自身はしょうゆ業に専念するとともに、国学の研究に情熱を傾け、36年(天保7)江戸・浅草の橘守部(たちばなもりべ)の門に入った。橘門下では史学と古典の研究に励み、家業と研究を両立させ、蔵書1万巻を所有したという。田制、税制、度量衡の研究、古文書の収集などに優れた業績をあげ、『検田考証』『田令図解抄』『常総遺文』『香取文書纂(さん)』など多数の著書がある。とくに中山信名(のぶな)の遺稿『新編常陸国誌』を修訂した功績は大きい。遺著は東京の静嘉堂(せいかどう)文庫、土浦市立図書館に所蔵されている。
[佐久間好雄]
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デジタル版 日本人名大辞典+Plus「色川三中」の解説
[編集]色川三中 いろかわ-みなか
[編集]1801-1855 江戸時代後期の国学者。
享和元年6月24日生まれ。常陸(ひたち)(茨城県)土浦で家業の薬種業,醤油(しょうゆ)醸造業を再興させたのち,天保(てんぽう)7年橘守部に入門。田制,税制,度量衡の研究や古文書の収集・編集に業績をのこす。中山信名(のぶな)の遺稿「新編常陸国誌」を修訂した。安政2年6月23日死去。55歳。通称は三郎兵衛。号は東海。著作に「検田考証」「租庸調考」など。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「色川三中」の解説
[編集]色川三中
[編集]いろかわみなか
[編集][生]享和1(1801).6.24.
[没]安政2(1855).6.23.
江戸時代後期の国学者。号は東海。常陸土浦の薬種兼醸造業の家に生れたが,家督は弟に譲り,みずからは古代の田地法制の研究や古文書の収集書写に専念。編著に『香取文書纂』,主著に『田令図解抄』『皇朝田制考』などがある。遺書は静嘉堂文庫に収蔵。
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精選版 日本国語大辞典「色川三中」の解説
[編集]いろかわ‐みなか【色川三中】
[編集]江戸末期の国学者。名は英明、三郎兵衛ともいう。号は東海。家号を瑞霞園と称した。常陸国、土浦の人。有職故実や典故に通じた。著「田令図解抄」「皇国田制考」「度量考」など。享和二~安政二年(一八〇二‐五五)
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デジタル大辞泉「色川三中」の解説
[編集]いろかわ‐みなか〔いろかは‐〕【色川三中】
[編集][1801~1855]江戸後期の国学者。常陸(ひたち)の人。通称、三郎兵衛。田制・税制・度量衡の研究、古文書の収集などで知られる。著「香取文書纂」など。
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世界大百科事典内の色川三中の言及
[編集]【香取文書纂】より
[編集]…常陸国土浦の国学者色川三中(1802‐55)が田制研究の資料として,香取神宮とその社家の所蔵する文書を影写し,家別(ほぼ編年順)に編集した古文書集。62巻。…