イットリア安定化ジルコニア
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イットリア安定化ジルコニア(イットリアあんていかジルコニア、英: yttria-stabilized zirconia、YSZ)はジルコニアを元とした酸化物で、酸化イットリウムを添加して、室温下でのジルコニアの結晶構造を安定化させたものである。「ジルコニア(酸化ジルコニウム)」(化学式: ZrO2)と「イットリア(酸化イットリウム)」(化学式: Y2O3)から成っているので、このような名前が付けられている。
安定化されていないジルコニアは高温領域で相転移を起こすため、立方晶または正方晶での安定化を図るために安定化剤として、酸化イットリウムを5 - 10 %程度加えたものである。
物的性質
[編集]硬度が高く(キュービックジルコニアの場合でモース硬度が8 - 8.5)、イオン伝導性に優れている。また、高温(600 ℃以上)で固体電解質となる。
安定化剤として酸化カルシウムを加えた、酸化カルシウム安定化ジルコニアに比べ、高温長時間での安定性が高い(脱安定化性が低い)。
応用
[編集]YSZには多くの応用がある。
- 硬度と化学不活性であること(例:歯のクラウン)
- 耐火物として (例:ジェットエンジン、車のブレーキパーツ)
- イオン性伝導性を生かした電気伝導性セラミックスとして(例:排気ガス中の酸素濃度の測定、高温の湯のpH計測、燃料電池など)
- 固体酸化物形燃料電池 (SOFC)製品の材料として
- 硬度と単結晶中の光学特性から、宝石として(キュービックジルコニア)
関連材料として、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化セリウム(セリア)、または酸化アルミニウム(アルミナ)安定化ジルコニア、部分安定化ジルコニア(PSZ)がある。安定化ハフニア(酸化ハフニウム)も知られている。