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上述の『でっちあげ:福岡「殺人教師」事件の真相』によれば、[[2003年]]に福岡県の小学校で起こった事例では、モンスターペアレントが虚偽の告発によって担任教師を「いじめ教師」に仕立て上げ、またモンスターペアレントの告発を鵜呑みにした「[[人権派]]」[[弁護士]]たちによる550人もの大弁護団が結成されることとなった。事件は法廷に持ち込まれたが、審理の過程でモンスターペアレントの告発が[[捏造]]であったことが次々と明らかになった。この事件は1審で被告(教師側)勝訴となり原告は控訴したが、2007年3月に控訴を取り下げて原告敗訴が確定した。 |
上述の『でっちあげ:福岡「殺人教師」事件の真相』によれば、[[2003年]]に福岡県の小学校で起こった事例では、モンスターペアレントが虚偽の告発によって担任教師を「いじめ教師」に仕立て上げ、またモンスターペアレントの告発を鵜呑みにした「[[人権派]]」[[弁護士]]たちによる550人もの大弁護団が結成されることとなった。事件は法廷に持ち込まれたが、審理の過程でモンスターペアレントの告発が[[捏造]]であったことが次々と明らかになった。この事件は1審で被告(教師側)勝訴となり原告は控訴したが、2007年3月に控訴を取り下げて原告敗訴が確定した。 |
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しかし、教員も生徒に対して[[私立三田学園中学校]]や[[私立追手門学園高校]]など'''教員がでっち上げて生徒を退学'''させたこともあった。[http://www7.atwiki.jp/kyouiku_hiroba/pages/152.html] |
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また[[2007年]][[2月1日]]に[[NHK]]が放送した「[[クローズアップ現代]]:要求する親、問われる教師」では、モンスターペアレントへの対応に疲れ果てて自殺した女性教師の事例が紹介され、大きな反響を呼んだ。 |
また[[2007年]][[2月1日]]に[[NHK]]が放送した「[[クローズアップ現代]]:要求する親、問われる教師」では、モンスターペアレントへの対応に疲れ果てて自殺した女性教師の事例が紹介され、大きな反響を呼んだ。 |
2007年7月15日 (日) 22:39時点における版
モンスターペアレント(Monster parent)とは、学校に対して自己中心的で理不尽な要求を繰り返す保護者を意味する和製英語である。
基本は直接教員にクレームを行うが、校長や教育委員会など、より権限の強い部署にクレームを持ち込んで、間接的に現場の教員や学校に圧力をかけるという形式も増えている。また、なかには虚偽の告発をするなどして法的問題に発展させようとする場合もある。
なお、日本と同様に理不尽な要求を学校に出す保護者が社会問題化しているアメリカで、彼らはヘリコプターペアレント(Helicopter parent)と呼ばれる。これは、学校の上空を周回するヘリコプターのように常に自分の子供を監視し、何かあればすぐに学校に乗り込んでくることからである。
概要
この問題を研究している大阪大学大学院教授である小野田正利によると、こうした保護者が目立って増え始めたのは1990年代後半からであるとされる(アメリカにおける「ヘリコプター・ペアレント」問題の発見は1991年である)。この時期に子供が学齢期を迎えた人々の多くは1970年代後半から1980年代前半の校内暴力時代を経験しているので元来教師への敬意を持っておらず、さらに教職の人気が低かったバブル期に社会に出た為に、教師をバカにしているというのが小野田の解釈である。また「言ったもん勝ち」がまかり通る風潮が強まっていることもモンスターペアレント出現の原因の一つではないかと小野田は指摘している[1]。
また、喜入克はこうした保護者の増加の原因を「保護者の消費者意識の暴走」と見ている。喜入によれば、保護者は自分の子供が学校で他の子供より「損」な待遇を受けることが我慢出来ないのであり、それは「同じ値段を払えば同じ商品が手に入る」という意識で教育サービスを捉えているからであるとされる。例えばある学年の学級担任が新卒、中堅、評判の良いベテランというような構成になったとする。モンスターペアレントは、自分の子供が「評判の良いベテラン教師」以外に担任されることを不当待遇であると考える(学校は選べても先生は選べない)。
また喜入は、これらモンスターペアレントやその子供に学校が手こずる理由として、彼らが「学校と対等な消費者」としての立場と「まだ半人前である子供」としての立場を使い分けるという現象も指摘している。すなわちモンスターペアレントやその子供たちは、学校に対してクレームを付ける際には「消費者」として振る舞い、そうしたクレームが学校に「ルール違反」と認定されて退学や停学などの処分を出されそうになると、「半人前である子供への情状酌量」を要求するのである。
このような保護者側の変質の他、福田ますみはモンスターペアレントが教師による生徒いじめを捏造した福岡県での事例を取材した著書『でっちあげ:福岡「殺人教師」事件の真相』において、「ダメ教師」の構図に安易に飛びついてきちんとした取材をせずに報道してしまうマスメディアの問題(この事例では朝日新聞と週刊文春)も指摘している。
その他、地域の人間関係が希薄になった結果、かつては地域社会が緩衝材となっていた個々の親の不満が直接学校に持ち込まれるようになった状況も背景にあるのではないかという意見も多い。
しかし、教員の中にはいじめを加担する教師、体罰を行う教師。でっち上げで退学を強要する教師・学校が多数いる中で教員の評判はますます悪くなる一方である。きちんと対応しない学校・教師が多いだけでなく、もともとの原因が管理職や主幹であったとしても新米教師や目下の教師に問題処理を行わせることもある。
近年、クレームの増加は学校のみでなく、市区町村の役場、都道府県庁のほか、公共図書館、警察、郵便局などといった出先機関や公共施設などの公務員の働く職場全体において起きている。いわゆる小泉改革によって掲げられた「官から民へ」の標語のもと、民間と比較した公務員の劣等性の強調、公務員を悪者にし民間をおだてあげる政治手法、さらには、教員免許更新制などの教育改革を実現したい勢力やマスコミ等が、意図的に問題のある教員を取り上げて伝えるなど、国民の公務員や教員に対するイメージダウンの著しい状況がつくりだされ、クレームに拍車がかかっている。さらに、社会保険庁の労働組合がパソコン操作の上限などを設定するなど、労働組合の批判も上がっている。日教組へのクレームも今後増えるだろう。
問題点
こうした保護者が一人でも出現すると、教職員はその対応に膨大な時間を奪われてしまう。その結果、他の児童・生徒の為に使う(教材研究、授業準備、生徒指導、部活指導、補習などの)時間が無くなり、場合によっては学校全体に悪影響が広まる。
適切な対応がなされればその影響は最小限に留まるが、対応が一人の担任教職員に押しつけられた場合などは逆に被害が拡大したり、担当教職員自身が体や精神を病んでしまう事例も珍しくない。特に、経験が浅い新任教師は適切な対応が出来ず、問題を抱え込んでしまうと言われている。
著名な事例
上述の『でっちあげ:福岡「殺人教師」事件の真相』によれば、2003年に福岡県の小学校で起こった事例では、モンスターペアレントが虚偽の告発によって担任教師を「いじめ教師」に仕立て上げ、またモンスターペアレントの告発を鵜呑みにした「人権派」弁護士たちによる550人もの大弁護団が結成されることとなった。事件は法廷に持ち込まれたが、審理の過程でモンスターペアレントの告発が捏造であったことが次々と明らかになった。この事件は1審で被告(教師側)勝訴となり原告は控訴したが、2007年3月に控訴を取り下げて原告敗訴が確定した。 しかし、教員も生徒に対して私立三田学園中学校や私立追手門学園高校など教員がでっち上げて生徒を退学させたこともあった。[1]
また2007年2月1日にNHKが放送した「クローズアップ現代:要求する親、問われる教師」では、モンスターペアレントへの対応に疲れ果てて自殺した女性教師の事例が紹介され、大きな反響を呼んだ。
モンスターペアレントの行動例
- 自分の子供が注意されたことに逆上して職員室に乗り込み、延々とクレームを付ける(「クローズアップ現代」に登場)
- 早朝であろうが深夜であろうが教職員の自宅に電話をかけ、何時間もクレームを付ける(「クローズアップ現代」に登場)
- 子供同士の喧嘩に介入し、相手の子供を非難する長大な文書を学校に持ち込んで処罰を要求する[2]
- 自分の子供がリレー競技の選手に選ばれないのは不自然だとクレームをつける[2]
- 子供がプリントを親に渡さなかったことを、教師の指導のせいにする[2]
- 「自分の子どもを手厚く指導するために専用の教員をつけろ」「我が子を学校代表にして地域行事に参加させろ」などと要求する[3]
- 「○○小学校○年○組の○○という児童はクラスの迷惑なので学校に来させないでくれ」といきなり都道府県の教育委員会に匿名で要求する[1]
教員の反撃・対策
- 「モンスターペアレント」という語が登場する以前からこうした問題を「親のイチャモン」として研究してきた小野田は、モンスターペアレントのイチャモンを額面通りに受け取るのではなく、その要求によってモンスターペアレントが実際には何を求めているのかを察知し、可能な解決策を探るという手法を提言している。
- 喜入はこうしたモンスターペアレントの対応は個々の教職員や学校では不可能であるとし、教育委員会内にモンスターペアレント対応専門のチームを設置することを提案している。
- 教育再生会議は喜入の考え方に近く、2007年6月1日に決定した第2次報告の中で「学校問題解決支援チーム(仮称)の設置」を提言している。また学校協議会等地域社会と学校との連携を図る試みも行われている。
- 教職員が個人で訴訟費用保険(教職員賠償責任保険)に入るケースも増加しており、2007年には東京都の公立校の教職員の3分の1がこうした保険に入っていると報道された。2007年7月12日付の毎日新聞記事によれば、都教員の訴訟費用保険加入数は2000年から2007年の間に1,300人から21,800人へと激増したとされる。この保険は、教職員の不法行為による被害者への個人賠償責任保険に加えて、不法行為の有無に関わらず訴訟を起こされた際の訴訟費用も負担する。モンスターペアレントは前述の福岡県での事例のように教師の行動を捏造して訴訟を起こすこともあるので、こうした保険にはそれなりの意味がある。
- 「●●君・○○さんのお母さんはモンスターペアレントです」と教師が生徒の前で言い触らしそれが新たないじめに発展する恐れがある。さらにモンスターペアレントの子どもがいじめなどで自殺した場合学校側は「生徒の親はモンスターペアレントです」と報道機関、教育委員会に報告し、自分達の非を認めないケースが今後増えていくだろう。
- 善意のある要求・要望でさえもモンスターペアレント扱いにされ、貴重な意見を見捨ててしまうおそれもある。
参考文献
- 小野田正利『悲鳴をあげる学校―親の“イチャモン”から“結びあい”へ 』(旬報社、2006)
- 喜入克『高校の現実 生徒指導の現場から』(草思社、2007)
- 福田ますみ『でっちあげ 福岡「殺人教師」事件の真相』(新潮社、2007)
脚注・出典
- ^ a b 「小野田正利 講演「人と人が結びあえる社会であり続けるために」 (PDFファイル)」 引用エラー: 無効な
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タグ; name "no2"が異なる内容で複数回定義されています - ^ 「読売新聞「名古屋市教委への親の理不尽な要求390件」」
外部リンク
- 小野田正利講演「人と人が結びあえる社会であり続けるために」(モンスターペアレントの行動の具体的な事例、対策案など)
- 中央教育審議会 生涯学習分科会(第37回)議事録・配付資料(モンスターペアレントに関する委員発言が見られる)
- 中日新聞「増えるモンスターペアレント(上)教員に無理難題」
- 中日新聞「増えるモンスターペアレント(下)説明伝わらず苦慮」
- 東京新聞「親の不当要求…おびえる学校・先生の訴訟保険、3人に1人加入・都公立校」
- 読売新聞「名古屋市教委への親の理不尽な要求390件」
- 親の理不尽な要求、抗議に学校苦慮…読売調査(モンスターペアレントの行動の事例集など)
- ORな日々「つるしあげ・・・」(部活動の試合で負けた責任を保護者に延々と糾弾された教師の手記)
- 理不尽クレーム:19教委が対応策 支援チームや研修で毎日新聞2007/7/12記事