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主な漢字文化圏は、漢字を生み出した[[中国]]と、[[ベトナム]]・[[朝鮮民主主義人民共和国]]・[[韓国]]・[[日本]]などの国々を指す。現在、韓国語とベトナム語の語彙の7割以上、日本語の語彙の5割以上が、古漢語とそこから派生した漢字語である。 |
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ただし、現在のベトナム及び韓国における漢字そのものの使用頻度は決して高くはない。ベトナムでは、フランス植民地下で考案された[[ラテン文字|ローマ字]]表記の[[ベトナム語#文字|クオック・グー]](国語) が一般に使用されており、高齢者や一部の専門家以外で漢字を理解する人は少ない。また韓国では漢字900字程度が義務教育で教えられているが、一般には[[李氏朝鮮]] (朝鮮王朝) の第4代国王[[世宗]]が考案したとされる[[ハングル]]が使用され、新聞等でも漢字はほとんど使われることはない。 |
ただし、現在のベトナム及び韓国における漢字そのものの使用頻度は決して高くはない。ベトナムでは、フランス植民地下で考案された[[ラテン文字|ローマ字]]表記の[[ベトナム語#文字|クオック・グー]](国語) が一般に使用されており、高齢者や一部の専門家以外で漢字を理解する人は少ない。また韓国では漢字900字程度が義務教育で教えられているが、一般には[[李氏朝鮮]] (朝鮮王朝) の第4代国王[[世宗]]が考案したとされる[[ハングル]]が使用され、新聞等でも漢字はほとんど使われることはない。 |
2006年9月21日 (木) 15:22時点における版
漢字文化圏(かんじぶんかけん)とは、漢字を受容した歴史があり、 それに伴い自国語に古典中国語系の語彙を大量に借用した東アジア地域を指す。
主な漢字文化圏は、漢字を生み出した中国と、ベトナム・朝鮮民主主義人民共和国・韓国・日本などの国々を指す。現在、韓国語とベトナム語の語彙の7割以上、日本語の語彙の5割以上が、古漢語とそこから派生した漢字語である。
ただし、現在のベトナム及び韓国における漢字そのものの使用頻度は決して高くはない。ベトナムでは、フランス植民地下で考案されたローマ字表記のクオック・グー(国語) が一般に使用されており、高齢者や一部の専門家以外で漢字を理解する人は少ない。また韓国では漢字900字程度が義務教育で教えられているが、一般には李氏朝鮮 (朝鮮王朝) の第4代国王世宗が考案したとされるハングルが使用され、新聞等でも漢字はほとんど使われることはない。
江戸時代の日本には、将軍が代わるたびに李氏朝鮮から朝鮮通信使が派遣された。江戸の儒学者たちは、漢字による筆談で朝鮮の儒学者と儒学論争を交わすことを楽しみにしていたという。
1840年のアヘン戦争で清が敗北し、中国の求心力が弱まると、冊封体制下に置かれた諸民族は、漢字そのものに従属の象徴としての疑問を抱き始め、第二次世界大戦後は独立の象徴として漢字を廃止する政策を取り始めた。
一方、その他の漢字使用国でも、康熙字典体を簡略化するのかしないのか、するとしたらどのようにするのかは各国の事情に基づいてのみ行われ、漢字が東アジアの国際文字であるとの視点はつい最近まで存在しなかった。
しかし、韓国・台湾・中華人民共和国が経済成長を遂げ、東アジアにおける先進国が日本だけとは言えなくなった現代、ヨーロッパ共同体にヒントを得た東アジア共同体も提唱され、東アジアの国際文字としての漢字の見直しが進んでいる。
そこで過去に漢字文化圏に属していたが漢字を捨てた国も漢字復活を唱えている。