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'''鈴吹太郎'''(すずふき たろう)は主に[[テーブルトークRPG]](TRPG)を手がける日本のゲームデザイナー、ライター。
'''鈴吹太郎'''(すずふき たろう)は主に[[テーブルトークRPG]](TRPG)を手がける日本のゲームデザイナー、ライター。


ゲームデザイナー業以外にも、TRPGを主に製作する会社「[[ファーイースト・アミューズメント・リサーチ]]」(F.E.A.R.)および出版社「[[ファーイースト・アミューズメント・リサーチ#ゲーム・フィールド|ゲーム・フィールド]]」を創設し、その社長も務める。そのためリプレイでは「'''社長'''」の通称で呼ばれることが多い。なおF.E.A.R.(およびゲーム・フィールド)社長としては「鈴吹太郎」ではなく本名の「中島純一郎」名義を用いている
ゲームデザイナー業以外にも、TRPGを主に製作する会社「[[ファーイースト・アミューズメント・リサーチ]]」(F.E.A.R.)および出版社「[[ファーイースト・アミューズメント・リサーチ#ゲーム・フィールド|ゲーム・フィールド]]」を創設し、その社長も務める。そのためリプレイでは「'''社長'''」の通称で呼ばれることが多い。


'''中島純一郎'''とも<ref>http://www.groupsne.co.jp/user/report/trpgfes2017/</ref>。
'''中島純一郎'''とも<ref>http://www.groupsne.co.jp/user/report/trpgfes2017/</ref>。

==経歴==
==経歴==
元々は医者を志しており[[慶應義塾大学]]医学部に入学。在学中に、『[[ダンジョンズ&ドラゴンズ]]』の翻訳(新和版)などを通じて当時ブームになりつつあったテーブルトークRPGを知り、とあるゲームサークル(後の[[怪兵隊]])の門戸を叩く。実際にTRPGを始めたのは23歳の時で、本人は「けっこう遅かった」という認識でいる<ref>{{Cite book|和書
元々は医者を志しており[[慶應義塾大学]]医学部に入学。在学中に、『[[ダンジョンズ&ドラゴンズ]]』の翻訳(新和版)などを通じて当時ブームになりつつあったテーブルトークRPGを知り、とあるゲームサークル(後の[[怪兵隊]])の門戸を叩く。実際にTRPGを始めたのは23歳の時で、本人は「けっこう遅かった」という認識でいる<ref>{{Cite book|和書

2021年8月31日 (火) 08:50時点における版

鈴吹太郎(すずふき たろう)は主にテーブルトークRPG(TRPG)を手がける日本のゲームデザイナー、ライター。

ゲームデザイナー業以外にも、TRPGを主に製作する会社「ファーイースト・アミューズメント・リサーチ」(F.E.A.R.)および出版社「ゲーム・フィールド」を創設し、その社長も務める。そのためリプレイでは「社長」の通称で呼ばれることが多い。

中島純一郎とも[1]

経歴

元々は医者を志しており慶應義塾大学医学部に入学。在学中に、『ダンジョンズ&ドラゴンズ』の翻訳(新和版)などを通じて当時ブームになりつつあったテーブルトークRPGを知り、とあるゲームサークル(後の怪兵隊)の門戸を叩く。実際にTRPGを始めたのは23歳の時で、本人は「けっこう遅かった」という認識でいる[2]。このサークルが相当にヘビーゲーマーの集まりだったらしく、短期間でテーブルトークRPGのノウハウを叩き込まれる。

その後、緑内障を発症し医者の道を断念。学習塾経営者兼講師を営みながらゲームライターの仕事をこなすという異色の経歴を歩む。

ゲーム業界での仕事が増え、『イースTRPG』などゲームデザインの仕事も手がけるようになっていくうちに、自分の会社を持ちたいと考えるようになる。そして1993年に経営していた学習塾を畳み、TRPG製作会社であるF.E.A.R.を設立。当時活躍していたフリーのTRPGライターの多くがここに所属することになった。

1997年にはF.E.A.R.の系列出版社としてゲーム・フィールドを設立。1990年代後半の「テーブルトークRPG冬の時代」を乗り越え、現在でも多数のTRPGの出版を続けている。

作風

ゲームデザイナーとしての代表作は『トーキョーN◎VA』、『ブレイド・オブ・アルカナ』など。キャラクターの生き様(スタイル)の表現にこだわり、根強いファン層を持つ作品が多い。そのゲームデザイン思想についても、まとまった形の論考を示している[# 1]。例えば、変形ダイスやチット、アーマークラスといった「直感的」に分かりやすいゲーム表現と、プレイヤーがある種の発見をし続けられる要素であるところの“気付き”の概念(「想到性」と鈴吹は表現する。具体的には「コンボ」要素など)の両輪の重要性を説いたり、プレイヤーに対してゲーム中与えたストレスを一定の段階で吐き出させることで快楽を与える(カタルシス)というストレス&カタルシスのゲーム構造の分析は巧みであり、F.E.A.R.のゲームにもその影響は色濃く反映されている。

人物

  • 幾つかの豪快なエピソードを残している。『セブン=フォートレスRPG』リプレイ「リーンの闇砦」で、PCでありながら卓のノリに任せてラスボスの座を得てしまったファラウスの逸話が代表的だが、他にも「仕事とプライベートを合わせて1ヶ月に8~15回もセッションした」[7][8]「リプレイ読者の期待に応えるべくGMにシーンのカットを指示。その影響でシナリオが大幅に狂った」[9]などがある。
  • 私生活では4児の父である。このことから、『BEAST BIND NEW TESTAMENT 新約・魔獣の絆』リプレイ「別れの日は過ぎて」では、ゲームマスター(GM)の田中天の「親子の絆がテーマなので、実際に親である人にお願いしたい」との意向で主人公を務めている。また、『アルシャードセイヴァーRPG』リプレイ「ブレイヴ・ニュー・ワールド」ではGMの田中天の「TRPGの経験があるが、アルシャードの経験がないプレイヤーに心当たりはないか」という相談に実娘を紹介し、親子でリプレイ参加となった。
  • 声優の勝生真沙子の20年来のファンであり[10]、『アリアンロッド・サガ ファンブック Heartbreak Memory』収録のCDドラマ「追憶のフラグメント」のキャスティングでは、ボスである“復讐者”のアザゼル役に勝生を指名している。また檜山修之とは『トーキョーN◎VA The Revolution』サプリメント『ナイフ・エッジ』収録のCDドラマ「ブレインハンター」以来の付き合い[11]だが、特に『ナイトウィザード The ANIMATION』での演技を「自分の中でナイトメアのイメージはアニメ版に差し変わっている」と断言するほど絶賛しており[12]、『アリアンロッド・サガ ファンブック Felloship of Stone』収録のCDドラマ「思い出フロントライン」でも、自身のPCであるナヴァール役に檜山を指名している[13]
  • F.E.A.R.およびゲーム・フィールドの社長業やテストプレイのチェックなどで多忙を極めるため、リプレイライターとしては寡作である[# 2]。ただし鈴吹がGMを務め、執筆を他者が担当したリプレイがいくつか存在する。田中信二のリプレイライターデビュー作である『トーキョーN◎VA』(ルール第一版)リプレイ「支配者の逃亡」はその一つ[15]

作品リスト

テーブルトークRPG

リプレイ

リプレイのプレイヤーとしての参加

ペンドラゴン

  • 三つの槍の探索(ブロウベル)

セブン=フォートレス

アルシャード(ルール第一版)

  • オーディンの槍(リナ・ザウルクス)
  • 古城の秘密(サプリメント『オン・ユア・マインド』収録:クリエ)

アルシャードff

アルシャードガイアRPG

アルシャードセイヴァーRPG

ダブルクロス The 2nd Edition

  • ダブルクロス・リプレイ・オリジン(大宙ヒカル)
  • ダブルクロス・リプレイ・エクソダス(ガブリエル・ガルシア)

ダブルクロス The 3rd Edition

  • ダブルクロス・リプレイ・ジェネシス(陸原瞳)
  • ダブルクロス・リプレイ・カオスガーデン 楽園のイヴ(メイビィ)

アリアンロッドRPG

ナイトウィザード(ルール第一版)

ナイトウィザード The 2nd Edition

異界戦記カオスフレア

  • 断罪巨兵パイラーヴァ(ガルーダ)
  • リオフレード魔法学院(守護怪獣リオブレードン/カシス)
  • 世界の卵(メルキオール)

その他

  • BEAST BIND NEW TESTAMENT 新約・魔獣の絆 別れの日は過ぎて(サプリメント『ビーストバインド エヴァンジェル』収録:天國護)
  • 神曲奏界ポリフォニカRPGリプレイ(ネルグリット・クァス・ディストラペリ)
  • ガンメタル・ブレイズリプレイ セイント・アンガー(“ラフレシア”レイジィ)
  • デモンパラサイト異聞 源平鬼御霊~剣姫照魔伝~(陶高顕)
  • スターレジェンド リプレイ そして蒼き星へ(サプリメント『ファントムプラネット』収録:アッシュ・ウィザード)
  • サイキックハーツRPG(車小虎)
  • メタリックガーディアンRPGリプレイ 起動、鋼の守護神!(ハロルド・ティラー)
  • メタリックガーディアンRPG・インヴェイジョン 襲来、宇宙からの侵略者!(神田川大輔)

文庫・書籍未収録

  • アルシャードガイア リプレイ 紅き世界より来るもの(『ゲーマーズ・フィールド』別冊「ウェポンスミス」収録:安国寺アキラ)
  • 天羅WAR リプレイ TRAIN KEPT A-ROLLIN'(『ゲーマーズ・フィールド』別冊「スタンダードRPGシステム」収録:ベアトリーチェお雪)
  • スターレジェンド リプレイ 星に願いを(『ゲーマーズ・フィールド』別冊「MAGIC!MAGIC!」収録:キューブ)
  • アリアンロッドRPG 2E リプレイ 三つの魔石(『ゲーマーズ・フィールド』別冊「たとえばこんなアリアンロッド」収録:アンドリュー・ヘイゲン)

脚注

注釈

  1. ^ 「『RPGデザインのストラテジー』[3]など。
  2. ^ プロジェクト「アリアンロッド・サガ」の立ち上げに際しては、菊池たけしの「アリアンロッド・サガ・リプレイ」と対になるリプレイシリーズ「アリアンロッド・サガ・リプレイ・ブレイク」のGM兼リプレイライターを務めたが、久保田悠羅は「ただでさえ忙しい社長のスケジュールをリプレイ執筆の為に確保するのは無謀」[14]と当時を振り返っている。

出典

  1. ^ http://www.groupsne.co.jp/user/report/trpgfes2017/
  2. ^ 『ゲーマーズ・フィールド別冊Vol.2 鈴吹太郎の挑戦』、5ページ頁。ISBN 978-4-907792-22-0 
  3. ^ 『ゲーマーズ・フィールド別冊Vol.2 鈴吹太郎の挑戦』、66-75ページ頁。ISBN 978-4-907792-22-0 
  4. ^ 異能使い 第二式』リプレイ『デモンスレイヤー~葬魂鬼~』p12。
  5. ^ 『デモンスレイヤー~葬魂鬼~』p14。
  6. ^ 『ゲーマーズ・フィールド別冊Vol.22 SRS'11』、19ページ頁。ISBN 978-4-86224-067-5 
  7. ^ 『アリアンロッド・サガ・リプレイ2 最強のフィアンセ』、19ページ頁。ISBN 978-4-8291-4549-4 
  8. ^ 『ゲーマーズ・フィールド別冊Vol.22 SRS'11』、91ページ頁。ISBN 978-4-86224-067-5 
  9. ^ 『セブン=フォートレスリプレイ シェローティアの空砦2 天より来る破滅』、100-103ページ、124-126ページ頁。ISBN 978-4-04-726400-7 
  10. ^ 『アリアンロッド・サガ ファンブック Heartbreak Memory』、89ページ頁。ISBN 978-4-04-727410-5 
  11. ^ 『トーキョーN◎VA The Detonation クロニクル』、179ページ頁。ISBN 978-4-7577-3074-8 
  12. ^ 『ナイトウィザード The 2nd Edition リプレイ モノクロームの境界』、76ページ頁。ISBN 978-4-7577-4772-2 
  13. ^ 『アリアンロッド・サガ ファンブック Felloship of Stone』、135ページ頁。ISBN 978-4-04-726631-5 
  14. ^ 『ゲーマーズ・フィールド別冊Vol.19 アリアンロッド・サガ演義』、35ページ頁。ISBN 978-4-86224-053-8 
  15. ^ 『ゲーマーズ・フィールド別冊Vol.21 かわいそうとはこういうことだ』、6-7ページ頁。ISBN 978-4-86224-061-3 
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