筆界特定制度
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この記事は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。 |
筆界特定制度(ひつかいとくていせいど)とは、土地の一筆ごとの境界(筆界:ひつかい)を決定するための行政制度のことである。
筆界特定登記官が土地の所有権の登記名義人等の申請により、申請人等に意見及び資料を提出する機会を与えた上、外部専門家である筆界調査委員の意見を踏まえ、筆界の現地における位置を特定する不動産登記法上の制度である。
2005年(平成17年)4月6日、第162回国会において成立し、同月13日公布された不動産登記法等の一部を改正する法律により導入された。この法律は2006年(平成18年)1月20日より施行されている。
申請手数料
対象土地の価額によって決まる。対象2筆の合計額が4,000万円の場合、申請手数料は8,000円。 また、手続の中で測量を要することがあり、その時は測量費用を負担する必要がある。
対象土地の合計額の2分の1に5%を乗じた額単価
- 100万円までの部分…10万までごと800円
- 100万円を超え500万円までの部分…20万円までごと800円
- 500万円を超え1000万円までの部分…50万円までごと1600円
- 1000万円を超え10億円までの部分…100万円までごと2400円
- 10億円を超え50億円までの部分…500万円までごと8000円
- 50億円を超える部分…1000万円までごと8000円
これらは収入印紙での納付が原則である。
筆界特定までの期間
特定にかかる期間は半年をめどとするが、実際は一年近くかかる。 また、本制度によりある程度は筆界は特定されるが、その結論に納得出来ない場合境界確定訴訟に持ち込むことができる。 しかし、既に境界確定訴訟で最高裁判決まで確定したものは却下となる。
境界確定訴訟
筆界特定制度導入以前は、裁判所主導の下、非訟手続により土地の境界が確定されていた。これを境界確定訴訟という。弁論主義の適用が排除されることから形式的形成訴訟の典型例とされてきた。筆界特定制度においては裁判所の代わりに筆界特定登記官が選任され行政手続によってこれにあたることになっている。なお、この制度も引き続き存置される。