名探偵夢水清志郎事件ノート
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『名探偵夢水清志郎事件ノート』(めいたんていゆめみずきよしろうじけんノート)は、講談社青い鳥文庫より1994年から刊行されている、はやみねかおるによる推理小説シリーズ。文庫版が講談社文庫から順次刊行されている。15年後の2009年、青い鳥文庫より完結編が発売された。
NHK教育のドラマ愛の詩枠で『双子探偵』としてドラマ化されている。また、講談社よりえぬえけい、箸井地図により漫画化された。えぬえけいによる漫画版は2009年、第33回講談社漫画賞児童部門を受賞している。
概要
背表紙に書かれている対象年齢は「小学上級から」とされており、漢字にルビが振ってあり子供にも読みやすい本になっている。作品の特徴としては、ほぼ全編にわたって物語内での時系列において殺人事件が起こらないことがあげられる。
ストーリー
中学一年生岩崎亜衣の家の隣にある「幽霊屋敷」と呼ばれている古い洋館に、誰かが引っ越してきた。亜衣はどんな人物が引っ越してきたのかを確かめるため、お茶っ葉を持参して洋館への潜入を試みる。それが新しい隣人、名(迷?)探偵・夢水清志郎(教授)との出会いだった。
注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。
登場人物
本編
- 夢水清志郎(ゆめみず きよしろう)
- 本作の主人公。独身。自称名探偵であり、実際に数々の事件を解決しているが、一般的な常識や記憶力は持ち合わせておらず、本人は自分の年齢、生年月日、過去に解決した事件すら覚えていない。(ただ、神隠島の事件の解決の仕方には今でも悩んでるらしい)さらに何日も食事を忘れ、本を読んでいることが出来る。その為か、岩崎姉妹より“社会生活不適応者”と呼ばれることがある。また、かなりの大食漢、自信家でもあり、ゴキブリ並の凄まじい生命力も持つ。危険に対しての勘は鋭い。年齢不明だが、精神年齢は3歳程度である。また、ビー球が得意。
- かなりの長身で、同時にかなりのやせ型であり、亜衣曰く「針金細工の人形」。ハワイ警察のサイ警部によると「グニャグニャの黒いピンクパンサー」。
- また、黒いサングラスをつけていて何を考えているか分からない。(ただしマンガ版では、目がサングラスより大きい)
- 岩崎家の隣の洋館に住み、岩崎三姉妹は彼が元M大学論理学教授であることから「教授」と呼ぶ。服は黒の背広を一着しか持っていない。しかし、本人曰く「同じ背広を何枚も持っている」とのこと。
- 岩崎姉妹の部屋と自分の洋館の部屋に直通している糸電話があり、それを通じて姉妹たちと連絡をとっている。それを利用して『夢水インターネットサービス』などというものを考え、亜衣たちからお金を取ろうとする事もある(大概は失敗している)。
岩崎家
- 岩崎亜衣(いわさき あい)
- 本シリーズの主な語り手をつとめており、本作のヒロイン。岩崎家の三つ子の長女。性格は、少し心配性だといわれる程しっかりとしていて、姉妹としての決定は大抵彼女が行う。しっかりものだけに、田舎のおばあちゃんから教えられたと言う民間療法で教授の風邪を看病したりしてる。
- しかし、中井麗一のデートの誘いに気づかないなど、恋愛にはかなり鈍感な面もある。「I」がネーミングの由来。
- 推理小説が大好きで、第二回以降の江戸川乱歩賞受賞作品をすべて言える程。所持数も多く、持っている本でバリケードを作れてしまうくらい多い。学校では文芸部に所属し、読むだけでなく自身も小説を書いたりしている。中学三年生の時には、他に部長候補がいなかった(実際には後述の中井麗一がいるが、まず中井麗一のような人にはまず任せられない)所為でもあるが、文芸部の部長を務めている。
- 大量の推理小説を読んでいるためか作品ごとに推理力が上がっていて「踊る夜光怪人」では、教授に「名探偵」と言われた。観察力も高い水準にあり、「いい目をしている」と褒められることも。また、語り手のためか、第六感が鋭く、バイバイエンジェルでは、事件の真相の夢をみたり、魔女の隠れ里でも教授が引っ越すのを察しりした。因みに本シリーズで、名推理を披露しているのは夢水清志郎以外で亜衣と中井麗一のみ。
- 容姿は、黒髪のセミロング(髪の色と長さは三姉妹ともほぼ同じらしい)で、周りの者からは可愛いと評価されるらしく(真衣や美衣にも共通)、中井麗一などから好意を寄せられている。その為、ラブレターを色々な男子から貰うらしい。本作品では虹北学園でも有名な美人三姉妹と書かれている。中井麗一からもらった50円玉の首飾りを大事にしていて、よく出かけるときにつけている。
- 視力は良く両眼とも2.0。運動神経は普通だが、経験により事件の時の反応はすばやい。成績は三人とも優秀らしい。(魔女の隠れ里)数学と美術とたこ焼きがすきらしい。ごきぶりと、怖い話が苦手。三人とも好奇心旺盛。自称、教授の飼育係。夏祭りといえば、るり色の浴衣にセルロイドのお面だと思っている。
- 漫画ではオレンジに近い茶髪のセミショートになっている。また、原作より更に鈍感。
- 岩崎真衣(いわさき まい)
- 三つ子の次女で、さっぱりした性格でおおらか(がさつ)で、髪型はポニーテールが定番。近視だがメガネをかける様子はない(ただしコンタクトをしているらしい)。その為、これ以上眼を悪くしたくないという理由でテレビゲームはまったくしないようである。「My」がネーミングの由来。
- 体を動かすことが大好きで、家にはトレーニング用品を置き、学校では陸上部に所属している。また、「そして5人がいなくなる」までは長距離走の場合、真衣よりも亜衣の方がスタミナがあったようだが、その後「亡霊は夜歩く」内に「毎日15キロ走っている」と言った記述がある事から、現在は真衣の方がスタミナがある様子。運動が得意なためいくつかの高校からスカウトされたが本人曰く「スカウトで高校へ行ったら期待にこたえなきゃいけない。そんなのは重い。」ために全部のスカウトを断っている。
- 自称、教授の保護者。ラブレターは、主に年下からもらうらしい。活字嫌悪症。『そして5人がいなくなる』時は映画が好きだが、『人形は笑わない』時は詳しくないことになっている。
- 漫画版ではオレンジっぽい茶髪で、これは亜衣と美衣にも共通していえることである。また、髪をアップでひとつ結びしていることが多く、かなり口調が悪い。
- 岩崎美衣(いわさき みい)
- 三つ子の末っ子。甘えん坊で大のオシャレ好き。また、教授の影響を一番受けやすい天然ボケな性格(夢水インターネットサービスなどに引っかかる)。学校では星占い同好会に所属している。左利き。また、運動神経が「全部真衣にとられたんじゃないのか」と亜衣に思われる程悪い。「Me」がネーミングの由来。
- 新聞フリークで、趣味は気に入った記事をスクラップすることで(亜衣は少しあぶないんじゃと心配している)、日本の新聞数紙以外にも英語・フランス語の新聞も読んでいる(おかげで新聞代が莫大なものになると母・羽衣が嘆いている)。その為か英語とフランス語のリスニングが得意で、作中では亜衣と真衣に英語・フランス語の会話を通訳する場面もある。しかし、話すのは苦手なようで、また、何故か英語の成績は亜衣、真衣と変わらない(亜衣曰く、その点は全くの『謎』らしい)。そして、文章ばかりの本は嫌いらしい。自称、教授のしつけ係。ラブレターは、主に年上からもらうらしい。二学年下の一ノ瀬匠から好かれている。
- 小説では髪を二つ結びにしていることが多く、漫画版ではオレンジっぽい茶髪で、ゆるいパーマがかかっている。また、新聞ではなくオシャレ雑誌を読んでいることになっている。
- 岩崎羽衣(いわさき うい)
- 三つ子の母親で、何事にも寛大な日本のお母さん。教授の食事の世話などをよくしている為、怖いもの知らずである教授が頭の上がらない唯一の相手である。読書、トレーニング、新聞のスクラップなどを日々の日課にしており、三つ子の趣味は彼女の影響を受けているものと思われる。また、怒るととても怖い(豹変する様は、亜衣曰く「天使の笑顔から般若の怒り顔」)。「We」がネーミングの由来。
- 岩崎一太郎(いわさき いちたろう)
- 岩崎一家の主人。「72時間働けますか」がスローガンの商社の社員のため忙しく、本編では滅多に登場しない。その為、性格や容姿などはほとんど謎である(挿絵では何度か描かれている)。洗濯機に対するこだわりがあるらしい。作中では、休暇をとると娘を置いて、羽衣母さんと旅行に行く事が多い。
虹北学園
- 中井麗一(なかい れいいち)
- 通称、レーチ(「知性が零」と言う意味の「零知」から)。自称「夢水探偵事務所の第一助手」。性格はずぼらで、髪を伸ばすという校則違反もしている為、亜衣からは「野蛮人」と呼ばれることもある(後にクラス委員長になった時などに亜衣以外の他の女子にもよく言われていた)。国語以外の学校の成績は良くないが、頭が悪いわけではない。こと事件の時だけは頭脳明晰であると言ってもよい程。水野千秋(後述)に好かれている。容姿は、背が低く髪が長い。足も短い。その為よく女の子に間違えられる。夢水からは白皙の美少年だと思われていたが、その後文化祭で夢水と初対面した時に幻滅されてしまい、その影響からか『亡霊は夜歩く』のラストで髪を短く切った。(だが、それ以降は再び元の長髪に戻っている)亜衣と同じ文芸部に所属しているが、作品を書いたことは一度もない(本人曰く、「おれの存在そのものが詩だ!」であるが、誰にも理解されていない)。完結編においてフランスに留学する。人物紹介では亜衣の「彼氏」と書かれているが、本文中で亜衣は肯定していない(但し否定もせず、疑問形で記述されている)。性格は「天上天下唯我独尊」だが、夏祭りに亜衣を誘う電話をかけるのに躊躇する純情な面もあり、『踊る夜光怪人』では「相互主義」(本人 談)。水野千秋や一之瀬匠(いずれも後述)など、年下の人間に慕われる傾向があるようだ。完結編では、下級生に、亜衣にあげるためポケットに隠していた第二ボタン以外とられてしまった。
- 漫画版では短髪で、かつ金髪になっていて、かなり美形。身長も亜衣より高くなっている。漫画版の人物紹介では、「亜衣のクラスメイト」となっている。
- 片桐(かたぎり)
- 文芸部員で、三年時には部長となる。亜衣たちの一学年上。通称「カマキリ部長」。純文学志向。麗一とは犬猿の仲。
- 水野千秋(みずの ちあき)
- 文芸部員。亜衣たちの一学年下。麗一のことを慕う。美人で成績優秀で性格もよい、完璧にほぼ近い人間といえる。
- 虹彩寺の住職水野一人の一人娘で、父の様子がおかしいと麗一に相談したことがある。
- 漫画では髪の毛が少し緑がかった青になっている。また、麗一が亜衣を好きなことを知っている。この点は、原作も一緒。
- 森川美琴(もりかわ みこと)
- 文芸部員。亜衣たちの一学年下。母はお琴の先生で、父はコンピュータプログラマー。普段はきゃぴきゃぴとした現代っ子だが、パソコンの前に座ると人格が変わり冷徹な研究員のような口調になる。また、亜衣たちに修学旅行のお土産をねだるため後輩を使うなどちゃっかりした性格。
- 一ノ瀬匠(いちのせ たくみ)
- 文芸部員。亜衣たちの二学年下。編み物同好会「あみあみ」にも入っている。剣道部員全員を編み棒一本で倒せる実力者。真衣も「あの腕なら全国を狙える」と言っており、クイーン並みとまではいかないが、刃物を使わずともそれなりに物を切れる様子。だが美衣のことを好きになってからは急速に弱くなっている。ちなみに、美衣が修学旅行のおみやげとしてプレゼントしたピンクの竹刀をお守り代わりにして、トレーニングをしている。サクセス塾から美衣達が帰ってくるのを自販機の裏に隠れて見守ったり、朝早くに亜衣と美衣が入れ替わるのを近くで見ている等、多少ストーカーっぽい行動をしている(が、本人は自覚していない)。デジタル一眼レフと三脚を持っていてもランニングをしていると言い張る。レーチを尊敬しているが、その際、文芸部副部長であるレーチの鼻先に美衣特製のピンクの竹刀を突きつけたこともある。亜衣には、思っていることと行動が一致していない人と思われている。
- また、中村巧之助(後述)の子孫である可能性がある。
- 真木恭子(まき きょうこ)
- 数学教師。虹北学園中のOG。実家は虹北商店街のラーメン屋「マッキーのお店」。生徒の校則違反には厳しいが、実は生徒思い。
- 浦田満太郎
- 修学旅行のときにバスの座席が希望の配置になるよう、黒魔術の本をわざわざ購入し実行した。その際、ロウソクは仏壇から盗み、短剣は弟の玩具を使用した。しかし失敗して、隣は柔道部の同級生になってしまった。ちなみに短剣の名前は「サンダーむらさめソード」。文中では「M太郎」となっている。
- 片桐弟(かたぎりおとうと)
- 片桐の弟(片桐より二歳年下)で影の卒業生を送る会実行委員長をやった。(ただ、卒業生だった亜衣たちは、すでに周知していた。)麗一にはカマキリ弟と呼ばれている。卒業の時期に学園に混乱を招く張本人でもある。
- 歌枕真一(かつらぎ しんいち)
- まくら投げ協会(PTA)の会長。「あやかし修学旅行」で、まくら投げの大会で「百花繚乱」や「百花斉放」などの技をみせた。最終巻でアメリカに留学した。
- 川口敏弘(かわぐち としひろ)
- 未確認生物捕獲隊の隊長。卒業したあと、冒険家になった。本人曰く、たこ焼きさえあればどこからでも戻ってくるらしい。
その他
- 伊藤真理(いとう まり)
- 女性雑誌『セ・シーマ』のタフな編集者。関西なまりの口調で話す。髪型は黒髪のショートボブ(コミックス版ではさらに短めのショートカット)で、視力が悪いためメガネをかけている。20代半ばらしいが、女子大生に見られるほど若く見える。こちらも岩崎一太郎と同様「72時間働けますか?」がスローガンで、3日間まったく休憩をせずに働くこともしばしばある。車を運転するのがうまいが、決して安全運転とは言えず、視界の悪い雪道でさえスピードメーターが振り切るほどのスピードで走る。高速道路では時速200キロ近くで走ったこともある(高速道路は何キロ出してもいいと思っているらしい)。本人曰く無事故無違反(無違反は反則切符を切られなかっただけ)。
- 愛車は「ポチ一号」(スズキ・アルトワークスにエンジン改造を加えたバケモノ車)だったがその後「ポチアマゾン」(トヨタ・ファンカーゴ)に乗り換えた(この際に、伊藤の口から三姉妹に対し、事実上ポチ一号にはエアバッグが付いていなかった事を告げている)。取材用バス「ポチV3」もあり、やはり尋常ではないスピードを出す。また、愛用のノートパソコンには、「サイクロン1号」と名付けており、相当の改造を施していることから、かなり機械を扱うのになれた人物のようである。これらのネーミングの数々は仮面ライダーシリーズに由来。
- 大江戸編ではぽち1号という馬にまたがり、混雑する花見客の間を猛スピードで走っていた。その後明治時代にはぽち2号という馬を持ち、新聞社を建てた。
- 上越(じょうえつ)警部
- 夢水や三つ子と親しい、人情味のある小太りな中年警部(原作では年齢は50歳くらい、小太りな体型で髪が少々薄いのに対し、漫画版では30歳前後くらいでかなりスマート、髪はオールバックにして前髪を2、3本垂らしている、結構な男前となっている)。
- 出会った当初は夢水のことを嫌っていたが(拳銃をつきだす程)、最近では、警察では解けないような不可解な事件を持ち込んでくることもある。所属している特別捜査課の仕事が忙しく、家族とのんびり休日を過ごすことを何よりの楽しみにしている。ウインクが下手で、両目をつぶってしまう。怪盗クイーンとも何度か関わっていて、その際に一度、岩清水刑事に変装したジョーカーを見破った事がある。
- 一見すると実力のある警部には見えないが、「そして5人がいなくなる」に自らも事件の全貌を知っていた事を示唆する発言がある事から、それなりの頭脳があるものと思われる。
- 「そして5人がいなくなる」時には、ウインクが出来ていたが、その後、出来なくなっている。
- 岩清水(いわしみず)刑事
- おしゃれでちょっとアブナイ刑事で上越警部の部下。教授とは仲が悪い。アルマーニのスーツを着用している事が多い(腕時計はロレックス)。美人には弱いようで、「いつも心に好奇心!」収録の『怪盗クイーンからの挑戦状』では車ですれ違った美人(亜衣の台詞から判断すると同作品に収録された松原秀行氏のパソコン通信探偵団事件ノートシリーズに登場している野沢レイだと思われる。)にみとれハンドルを切り損ねたことも。
- 仕事熱心ではあるが、情熱が空回りすることが多く、すぐ拳銃を抜く、手錠をちらつかせるなどの大袈裟な行為も目立つ(補導しようとするたびに手錠を出す)。実力も一般人以下なことが多いが、本人は自信過剰かつ想像力(妄想力?)豊富で、気づいていない。
- 一度怪盗クイーンの飛行船トルバドゥールにさらわれた経験がある(ジョーカーが仕事で岩清水刑事に変装する必要があった為)。そこでRDから接待され、おでん等を振舞われた後、夜には無事家に戻された。ちなみに、後に彼はその時の事を「怪盗クイーンのかくれがから脱出した」と、自分の都合の良いように表現した。
大江戸編
- 夢水清志郎左右衛門(ゆめみず きよしろうざえもん)
- 大江戸編で初登場した自称名探偵。黒塗りの眼鏡をし、真っ黒な着物を着ている。性格、容姿共に夢水清志郎に似ており、彼の先祖とされている。イギリスでジョセフベルという人物から、教授になれる、と言われた事を岩崎三姉妹にはなしたため「教授」と呼ばれている。夢水清志郎とちがってゴキブリ並の凄まじい生命力は持っていないようだ。
- 中村巧之介(なかむら たくみのすけ)
- 超古流剣術「天真流」の使い手。絵者らと共に長屋に住む。見た目はやせて不健康そう。江戸城お庭番衆(後述)の生き残りと対決する。常に5人の親衛隊がまとわりついている。江戸城無血開城の後は清志郎左右衛門と共に旅することになり、ハワイ編にも登場する。かなりの蕎麦好きで、蕎麦のために命をかける程である。
- 京都で新撰組が蕎麦屋で刀を抜き店主とけんかになった時、彼は怒って天真流を使い、新撰組の度肝を抜いた。また、江戸でも侍に蕎麦をひっくり返された時に、怒って天真流を使ったこともある。怒ると周りが見えなくなる人物らしい。
- 子孫と思われる家系、あるいは人物として怪盗クイーンシリーズ主人公の怪盗クイーン、虹北恭助シリーズに出てくるミリリットル家、本シリーズ中に出てくる一ノ瀬などが挙げられる。また、超常現象研究会初代会長・中村巧の先祖である可能性も。
- 絵者(えしゃ)
- 三つ子(亜衣・真衣・美衣)が大家をしている長屋に住んでいる、「徳利鳩(とっくりはと。トリックアートのこと)」を用いる風変わりな絵描き。三つ子の見分けがつかない為、一人のときは「小娘」、3人でいるときは「小娘ども」と呼んでいる。絵そのものはとても上手で、絵者が描いた江戸城は本物と見違えるくらいなのだが、絵の中に人間は描かない。
- かつてフランスで革命軍の流れ弾によって妻と娘を亡くし、人を信用しなくなり世間の流れなど気にしていなかったが、旧幕府軍と新政府軍が戦争すると知って夢水らに協力する。
- 名前の由来はマウリッツ・エッシャーからだと思われる。
- ゐつ
- 巧之介と同じ見せ物小屋で働く軽業師。藍色の髪と目を持つ。宝(後述)から教わった為天真流も少し使える。大入道事件の時、教授に「屋根を塗り替えさせる」ということを頼まれて知り合いとなった。また、「怪盗九印」の異名を名乗って予告状を出して盗まれた人にとって不必要な物ばかりを盗んでいたが、夢水清志郎左右衛門に正体を見破られる。実はフランス人で、かつて父と共にフランスを捨てて日本に着たが、地震によって生き別れになってしまった。
- 巧之介やゐつの子孫とおぼしき人物が幾人か、本シリーズあるいは怪盗クイーンシリーズ、虹北恭助シリーズ等に登場している。
- 特にゐつの性質を受け継いでいる子孫の可能性がある人物として、怪盗クイーンが挙げられる。
- 宝(たから)
- 巧之介やゐつの見せ物小屋の持ち主。温厚な老人だが、江戸城お庭番衆だった過去を持ち柴の育ての親でもある人物。
- 亜朱(あっしゅ)、柴(しば)
- 亜朱は寺鰤座の看板役者として、柴はその仲間で闇の「天真流」に精通している、という謎の多い2人であるが、正体は江戸城に残った「江戸城お庭番衆」である。しかし、巧之介に負かされてしまい、宝に諭されて「江戸城お庭番衆」を辞める。ちなみに亜朱は相手のつぼに正確に針を打ち込んで殺すという技を持っていて、柴は宝によって「闇の天真流」を教えられ育てられた。
- 名前の由来は阿修羅とシヴァと思われる。
大学編
- 風街美里(かざまち みさと)
- 夢水の大学時代の教え子で、夢水が顧問を務めるM大学探偵同好会の部長。大学2年の時、N県青零湖で起きた嵐の中の密室殺人である湖畔荘事件(午前零時のシンデレラ事件)に、4年生では神隠島事件に巻き込まれた(夢水が大学時代に解決した事件は作者の裏ページで閲覧可能)。元祖夢水清志郎の観察日記製作者で、卒論の名目で夢水清志郎の初恋を聞き出した張本人(卒論は他のことを書いた)。身長160センチ、体重45キロで、スリーサイズは秘密らしい。因みに空手が得意。なお、彼女は小学校教師となって、他のはやみね作品(虹北恭助・)にも登場している。
- 勇嶺美奈湖(はやみね みなこ)
- M大学探偵同好会の副部長で歴代二人目の部員。美里が4年生であるときに入部。入った理由は、自身が推理小説好きなのと、探偵同好会が少人数であることだという。
- 勇嶺家は典型的な男系家族であり、美奈湖は6代目にして初めて生まれた女性。年の離れた3人の兄がいる。男女7歳にして席を同じゅうせず、という超明治的な教育によって、現代の大和撫子へと成長した。京風の石狩なべを作れる唯一の人物。
- 身長158センチで体重43キロ。美里曰く、「美人というより、可愛いという顔」。
- なお、この2人は夢水のソファーの名前になっている。
ドラマ
→詳細は「双子探偵」を参照
『双子探偵』(ふたごたんてい)の題で、1999年7月から10月にかけてNHK教育テレビのドラマ愛の詩枠でドラマ化された。主演は三倉茉奈・三倉佳奈。
原作との相違点
- 岩崎姉妹が三つ子から双子へと変更されている。
- 原作では夢水の自宅は洋館であり、亜衣たち姉妹の家の隣であるが、ドラマ版では自宅が無くビルの一室に居候をしている。
- 夢水の性格がハードボイルド調となっている。
- 夢水が帽子をかぶっている。
- 物語の舞台が銀座となっている。
作品一覧
- そして五人がいなくなる
- 亡霊(ゴースト)は夜歩く
- 消える総生島
- 魔女の隠れ里
- 踊る夜光怪人
- 機巧館のかぞえ唄
- 人形は笑わない
- 『ミステリーの館』へ、ようこそ
- あやかし修学旅行 鵺のなく夜
- 笛吹き男とサクセス塾の秘密
- ハワイ幽霊城の謎
- 卒業 ~開かずの教室を開けるとき~
外伝
- ギヤマン壺の謎
- 徳利長屋の怪
- ハワイ幽霊城の謎(作者曰く、一応外伝。こちらは夢水編であり、クイーン編も書く予定らしい。)
- オリエント急行とパンドラの匣
青い鳥おもしろランド
- 夢水清志郎に挑戦! 名探偵ものしりクイズ
- 夢水清志郎に挑戦! 名探偵ものしりクイズ超(ハイパー)
- 夢水清志郎に挑戦! 名探偵ものしりクイズ極(ウルトラ)
未刊行作品
勇嶺薫名義の作品
- 神隠島
- 教授の初恋
- 上記は夢水清志郎がM大学教授時代の作品。2009年6月現在はやみねかおるの裏ページにて回覧可能
- 魔女の隠れ里 未解決の謎
- 夢水清志郎の事件簿
- 上記は作者公式ページに掲載されていて閲覧可能。
外部リンク
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