下関総合車両所
下関総合車両所 | |
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基本情報 | |
鉄道事業者 | 西日本旅客鉄道 |
帰属組織 | 広島支社 |
所属略号 | 広セキ、関 |
整備済み車両略号 | SS |
配置両数 | |
機関車 | 16両 |
電車 | 233両 |
気動車 | 111両 |
客車 | 6両 |
貨車 | 35両 |
合計 | 401両 |
備考 | 2010年4月現在のデータ |
下関総合車両所(しものせきそうごうしゃりょうじょ)は、山口県下関市にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)の車両基地および車両工場。広島支社管内。
概要
かつては下関地域鉄道部の一部門であったが、2009年6月1日の鉄道部再編に伴い、同部門と山口鉄道部車両管理室(旧小郡運転所)を統合して新たに広島支社直轄の独立した車両総合管理組織となった。組織としてはJR西日本の他の総合車両所(網干総合車両所・後藤総合車両所など)と同様、それまでの下関地域鉄道部下関車両センター(旧幡生車両所←旧幡生工場)が総合車両所の本所となり、傘下に運用検修センター(旧下関運転所、下関地域鉄道部下関車両管理室の改組)、さらに運用検修センターの支所として新山口支所(旧小郡運転所、山口鉄道部車両管理室の改組)が置かれている。
組織体系
本所
下関総合車両所の本所は、下関市幡生宮ノ下町(幡生駅構内)にある車両工場である。JR西日本広島支社管内および一部の他支社の在来線車両(電気機関車、ディーゼル機関車、電車、気動車、客車)の全般検査・要部検査・交番検査・仕業検査などの検修および改造を行っている。
1995年、下関地域鉄道部の発足にともない、その下部組織(下関車両センター)となったが、2009年6月1日付けで実施された組織再編により広島支社直轄の組織として発足した。
日本国有鉄道(国鉄)時代は幡生工場(1985年3月20日[1]からは幡生車両所)として、国鉄末期の電車の先頭車改造なども多く手がけていた。また、広島鉄道管理局における車両の大部分の全般検査を担当していた。機関車は広島工場(1985年3月20日から広島車両所)。現在のJR貨物広島車両所が担当していた。
運用検修センター
下関総合車両所運用検修センター(しものせきそうごうしゃりょうしょうんようけんしゅうセンター)は下関市大和町2丁目にある車両基地で、下関駅の門司駅寄りの敷地内にある。下関地域鉄道部発足以前は、下関運転所と称する車両および乗務員の基地であったが、下関地域鉄道部の発足にともない、廃止となった宇部電車区配置車両の移管を受け、乗務員部門を下関乗務員センターに分離して同部の下部組織となり下関車両管理室(しものせきしゃりょうかんりしつ)に改称した。2009年6月1日付けで実施された組織再編により、下関総合車両所の一部門として独立した。
かつては幡生支所が存在したが、JR化後は幡生機関区としてJR貨物に引き継がれている。
新山口支所
下関総合車両所運用検修センター新山口支所(しものせきそうごうしゃりょうしょうんようけんしゅうセンターしんやまぐちししょ)は、山口県山口市小郡下郷にある車両基地で、新山口駅構内の東側にある。元は小郡運転所と称する車両及び乗務員基地であったが、1995年に鉄道部所管エリアの車両基地を鉄道部に統合させる方針により、山口鉄道部(1990年発足)傘下の車両基地である山口鉄道部車両管理室に改組した。2009年6月1日に山口鉄道部と宇部新川鉄道部および下関地域鉄道部の一部区間を統合して山口地域鉄道部が発足するにあたって、車両基地部門が下関総合車両所の一部門に移管され、現在の名称となっている。
整備済み車両の車体に記される略号
「SS」 幡生工場時代は「HB」だった。
所属車両の車体に記される略号
本所・新山口支所所属車両のいずれにも同じ略号が記されている。
所属車両
2010年4月1日現在の所属車両は以下の通り[2]で、運用検修センター本区と、新山口支所に分けて配置されている。 なお、JR化後に製造された車両は2010年現在、キハ120形のみとなっており、電車については国鉄時代に製造された車両のみとなっている。
区所 | 電車 | 気動車 | 機関車 | 客車 | 貨車 | 合計 |
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本所 | 233両 | 2両 | 16両 | 0両 | 0両 | 251両 |
新山口 | 0両 | 109両 | 0両 | 6両 | 35両 | 150両 |
合計 | 233両 | 111両 | 16両 | 6両 | 35両 | 401両 |
原則として、電車・機関車は本所(下関)、気動車・客車・貨車は新山口配置となっている。
運用検修センター本区配置
電車
- 105系電車(22両)
- 123系電車(5両)
- 1両編成(U編成)5本が所属している。宇部線・小野田線(本山支線を含む)・山陽本線(宇部駅 - 下関駅)で運用されている。小野田線以外では105系U編成への増結用として運用されている。
- 2002年以降、JR西日本が保有する123系電車の全車が下関に集結している。
- 115系電車(184両)
- 4両編成44本、2両編成4本が配置されている。
- 山陽本線(三石駅 - 下関駅)・呉線・可部線で運用されている。
- 4両編成は、3000/3500番台体質改善車のみで構成されるN編成19本、体質改善車のみで構成されるO編成4本と、体質改善工事未施工車を含む編成のうち両方向にクハ111形を含むH編成1本、糸崎方にクハ111形を含むG編成3本、両方向がクハ115形のC編成17本の内訳である。
- 2両編成(T編成)は1000番台体質改善車4本である。かつては550番台4本の陣容であったが、老朽化のため福知山電車区の6000番台R編成4本を自動解結装置を撤去して転入させ、550番台を置き換えている。
- 編成中に含まれるクハ111形はマスター・コントローラーが交換されており、抑速ブレーキを使用できる。
- 体質改善車を含む編成は全車が白をベースに窓周りが茶、その下に青帯の広島更新色となっている。それ以外はクリームに青帯の瀬戸内色である。
- 広島支社では支社管内の電車を濃黄色一色に塗り変えることを発表しているが、その第1弾として2010年1月20日に下関所属の115系4両編成1本(N-05編成:クハ115-3005を先頭とする4連)が新塗装で出場した[3][4]。
- 117系電車(20両)
- 4両編成(C編成)5本が所属している。山陽本線(新山口駅 - 下関駅)で運用されている。
- JR九州からの乗り入れ廃止に伴う車両不足により、2005年に宮原総合運転所から貸し出し扱いとなっていたが、2007年11月に正式に配置となっている。
- 広島支社では支社管内の電車を濃黄色一色に塗り変えることを発表している。
- クモハ42形電車(1両)
- クモハ42001(U編成)の1両が所属している。旧形電車。2003年までは宇部電車区に所属し、小野田線の本山支線で運用されていた。車籍を保持したまま保留車として保管されている。
気動車
機関車
- EF65形電気機関車(10両)
- 1000番台の10両(1120・1124・1126・1128・1130 - 1135号機)が所属。定期運用はなく、臨時・団体列車や工事列車の牽引を担当する。なお、宮原総合運転所や京都総合運転所、岡山電車区にも常駐する。
- DD51形ディーゼル機関車(1両)
- 1両(844号機)が所属。臨時列車の牽引や山口線でのC57 1号機の試運転に使用されるほか、SLやまぐち号の補機にも使用される。
- DE10形ディーゼル機関車(3両)
- 3両が所属。臨時列車の牽引やC56 160号機の試運転、駅の構内入れ替えなどに使用される。
運用検修センター新山口支所配置
気動車
- キハ40形気動車(29両)
- 2000番台29両が所属している。全車がワンマン運転に対応している。
- 山口線・岩徳線・山陰本線(益田駅 - 下関駅)・芸備線(三次駅 - 広島駅)で運用されている。原則、岩徳線とそれ以外の3路線とで運用が分けられている。後述のキハ47形・48形を含め、全車が広島色(黄色と白のツートンカラーにグレーの細帯)に塗り分けられており、側面中央上部にLED式の行先表示器の増設が行われるなどの体質改善が終了している。
- 今後は後述のキハ47形・48形を含め、全般検査時に全車が朱色5号(タラコ色)への塗装変更をされる予定である。
- 岩徳線・芸備線充当車両は山陽本線経由で定期的に運用検修センター新山口支所に回送される。
- キハ47形気動車(70両)
- 0番台30両、1000番台18両、1500番台1両、2000番台8両、2500番台3両、3000番台8両、3500番台2両が所属している。一部車両がワンマン運転に対応している。
- キハ40形と同区間で運用されている。
- キハ48形気動車(2両)
- キハ120形気動車(8両)
客車
貨車
- チキ5200形貨車(6両)
- レール輸送用長物車。新山口駅駐在。
- トラ45000形貨車(3両)
- 事業用資材運搬用として在籍。
- ワム80000形貨車(7両)
過去の所属車両
- キハ58系気動車
- かつては山陰本線・山口線の急行運用を担い、急行運用がなくなった後もしばらくは広島色に塗り替えられて配備されていたが、2008年3月30日に新山口発下関行として廃車回送を兼ねた団体列車で運用された後、2008年4月25日に全車廃車され配備が消滅した。
- キハ181系気動車
- 2001年に山陰本線で運行されていた特急「いそかぜ」の運転区間が益田駅 - 小倉駅に短縮された際、後藤総合車両所から3両編成2本6両(キハ181-8・28・31・32 キハ180-10・17)が転属して旧下関車両管理室に配備されたが、2005年の同特急の運行終了に伴い予備車となり、後に解体された。この間、山陽本線の臨時快速「下関ふくフク号」、「関門・MUSASHI号」や山口線の特急「おき」の臨時列車の運用にも充当されていた。
- 50系客車
- マニ50形客車
- 2両が救援車代用として在籍していたが、2009年度に廃車された。
脚注
- ^ 国鉄の全国工場再編成により、広島、後藤、多度津とともに工場から車両所(幡生車両所)に名称変更されて、JR西日本に継承された。
- ^ 交通新聞社「電車編成表2011冬」
- ^ “115系セキN-05編成が黄色となって出場”. 鉄道ファン・鉄道ニュース. 交友社 (2010年1月20日). 2010年1月22日閲覧。
- ^ 山口新聞 (2010年1月21日). ““幸福の黄色い電車”山陽線・JR西の塗り替え第1号”. 山口新聞ニュース. みなと山口合同新聞社. 2010年1月22日閲覧。
- ^ “【JR西】EF66配給輸送”. 鉄道ホビダス・RMニュース. ネコ・パプリッシング (2010年9月22日). 2010年9月24日閲覧。
- ^ ジェイアール貨物北陸ロジスティクス 新着情報嵯峨野観光鉄道様からEF66機関車をモニュメント用に改良する工事を受注しました。
- ^ キハ23 1が解体される - 鉄道ファン鉄道ニュース2009年6月18日付。同誌9月号にも同じ記事が掲載されている。