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虚淵玄

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虚淵 玄
(うろぶち げん)
プロフィール
別名 Magica Quartet
新房昭之蒼樹うめシャフト
との共有筆名)[1]
誕生日 (1972-12-20) 1972年12月20日(52歳)
出身地 日本の旗 東京都
血液型 O型
主な作品
アニメPhantom -PHANTOM THE ANIMATION-』(シナリオ原案)
ブラスレイター』(シリーズ構成)
Fate/Zero』(原作者)
魔法少女まどか☆マギカ』(シリーズ構成・脚本)
特撮仮面ライダー鎧武/ガイム
受賞
2011年ニュータイプアニメアワード 脚本賞
第11回東京アニメアワード 個人部門脚本賞
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虚淵 玄(うろぶち げん、男性、1972年12月20日 - )は、日本の脚本家小説家シナリオライター株式会社ニトロプラス取締役[2]

来歴

和光大学卒業[3]小説家志望だったが、Leaf製作のアダルトゲーム『』『』から、ゲームが持つ表現の幅に確信を得てニトロプラスに入社[4]。同社のデビュー作となる『Phantom -PHANTOM OF INFERNO-』などのシナリオを手がける。

鬼哭街』以後は『"Hello, world."』では企画原案、『斬魔大聖デモンベイン』では監修を務めるなど、製作統括者的な役割を任されていることが多くなっていたが、『続・殺戮のジャンゴ -地獄の賞金首-』で『沙耶の唄』以来約4年ぶりにゲームのシナリオを手がけた。

2006年から2007年にかけて、TYPE-MOONとの共同プロジェクト『Fate/Zero』の執筆を担当。2008年には『Phantom』や『続・殺戮のジャンゴ』で興味を持った広江礼威からの指名で、『ブラック・ラグーン』のノベライズ「シェイターネ・バーディ」を執筆した。同年に放送されたアニメ『ブラスレイター』でシリーズ構成・脚本を担当して以降は、アニメ作品のシナリオにも関わるようになり、2011年の『魔法少女まどか☆マギカ』で知名度を大きく上げた。

現在でも作品クレジットに名前が記載される際には、括弧書きで“ ニトロプラス ”の社名を付ける事も多い。

人物

映画愛好家であり、作品中にオマージュを挿入するケースが多い。例えば、『Phantom -PHANTOM OF INFERNO-』では作品の一部が『レオン』のプロットをなぞる形になっており、またヒロインの一人が『タクシードライバー』の主人公の台詞を真似たり、『夕陽のガンマン』の決闘方法を真似たりしている(その経緯のためか、『NOIR』が同作品の模倣ではないか、訴訟を提起すべきではないかとインターネット掲示板で議論が起こった時に、「そんなことをしたら、こっちが映画製作者から訴えられる」という趣旨のコメントをしたことがある)。「TECH GIAN」のメーカーコラムに『8mm』や『処刑人』のパロディを書いたことがあるほか、同人作品『浄火の紋章』などの『リベリオン』の二次創作ゲームを製作した。

好きな映画監督は、黒沢清セルジオ・レオーネジョン・カーペンターなど。

幼少期はロボットアニメが好きで、影響を受けた作品として『装甲騎兵ボトムズ』を挙げている[5]

離婚歴がある[6]

作風

元々シナリオライターではなく小説家志望であったにも拘らず、本人曰く「文学」に関しては全く手をつけず、「オッパイ」と「爆発」の出てくるエンターテイメント作品にしか興味が湧かなかったという[7]。故にそういった方向の映画や小説、またプラモデル雑誌の白黒ページなどから影響を受けており、その作品には頻繁に銃や車が登場する傾向がある。

本人は「心温まる物語を書きたい」と心の内を『Fate/Zero Vol.1』や『白貌の伝道師』のあとがきの中で語り、『キューティーハニー』を例に挙げて「愛の戦士」を自称している。しかし、ストーリーを突き詰めると「バッドエンド」になってしまうといい、自身のこの傾向に悩んで、一時は筆を折ることも考えていたと発言しており、その時期に書いた『Fate/Zero』は立ち直る切っ掛けになったという。

24歳頃に感染症にかかってあと少し処置が遅ければ死に至っていたという経験を持ち、その後の療養期間の中で自身を「ある意味社会的に抹殺されてる死人同然」と捉え、その状態で数ヶ月過ごしたことで自分の死に想像力を巡らせられるようになり、キャラクターが死ぬ際の想像力を回避できるようになった為、作品を作る際にキャラクターを躊躇なく殺せるようになったことに経験が活きていると述懐している[8]

また病弱であったことから機械の体になりたいという願望を持っており、自身の作品にも『PSYCHO-PASS』や『まどか☆マギカ』など今の肉体とは別の体を得るというモチーフを度々登場させている[5]

エピソード

  • 魔法少女まどか☆マギカ』の制作に際して、新房昭之蒼樹うめシャフトとの共同筆名として「Magica Quartet」名義を使用している[1]。『まどか☆マギカ』のクレジットでは、原作としてMagica Quartetが表記されるとともに、シリーズ構成・脚本として虚淵の名が表記されている。また、東京都青少年の健全な育成に関する条例による規制強化を推進する石原慎太郎東京都知事(当時)が実行委員長である東京国際アニメフェア主催の東京アニメアワードにおいて『まどか☆マギカ』が脚本賞を受賞したことに対し虚淵は、「理不尽な条例で表現の自由を脅かしてる人たちに『君の脚本はスバラシイね!』と言われて、俺は素直に喜んでいいのかどうか大変悩んでる」とTwitterに心情を吐露した。また、受賞コメントの執筆にあたり「東京都に向けて伝えるべきメッセージを発信する絶好のチャンス」であるとし、フォロワーからアイデアを募り、ツイッター上でコメント案を公開した[9][10]
  • 『仮面ライダー鎧武/ガイム』担当以前から平成仮面ライダーシリーズのファンであり、自身の携わった作品にもパロディ・オマージュを取り入れている[11][5]。『鎧武/ガイム』以前にネット上で『仮面ライダーフォーゼ』のゲスト脚本を担当するという噂が流れたことがあるが、これについては根も葉もない話であったと述べている[5]

家族・親族

創元推理文庫版「大坪砂男全集 第四巻 『零人』」(2013年7月31日 初版)の「編者解題」にて祖父は推理小説作家の大坪砂男、父親は俳優劇作家和田周。母親は声優瀬畑奈津子であることが明かされた[12]

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
和田維四郎
 
和田義比
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
大坪砂男
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
瀬畑奈津子
 
和田周
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
虚淵玄
 
 
 
 
 
 

主な作品

商業作品

ゲームシナリオ担当作品

アニメシナリオ担当作品

特撮シナリオ担当作品

小説

短編

  • 敵は海賊 (『神林長平トリビュート』早川書房、2009年11月6日発売) - SF作家神林長平へのトリビュート作品集。虚淵は「敵は海賊」をリメイク。

連載

漫画原作

小説原作

  • ファントム(執筆はリアクション)
    1. アイン(2002年5月発売)
    2. ツヴァイ(2002年11月発売)
  • 吸血殲鬼ヴェドゴニア(執筆は種子島貴
    1. WHITE NIGHT(2003年1月発売)
    2. MOON TEARS(2003年2月発売)

同人作品

  • 浄火の紋章
  • HAGAKURE ROYAL(『中央東口のシャイニングエクソシストEX』内収録 2003年 中央東口が漫画執筆)
  • ハイスクール・バトルヒーター(『中央東口のシャイニングエクソシストEX II』内収録 2005年 中央東口が漫画執筆)
  • Fate/Zero
    1. 第四次聖杯戦争秘話(2006年12月29日発売)
    2. 王たちの狂宴(2007年3月31日発売)
    3. 散りゆく者たち(2007年7月27日発売)
    4. 煉獄の炎(2007年12月29日発売)

関連書籍

インタビュー収録
  • 美少女ゲームの臨界点+1』波状言論(東浩紀個人事務所)、2004年12月
  • FICTION ZERO / NARRATIVE ZERO』(フィクションゼロ/ナラティブゼロ)講談社文芸X出版部、2007年8月
  • レッカ社『語ろう! クウガ アギト 龍騎』カンゼン、2013年。ISBN 978-4-86255-178-8 

脚注

  1. ^ a b “アニメ質問状:「魔法少女まどか☆マギカ」 新たな切り口の魔法少女に「賭けでした」”. まんたんウェブ (毎日新聞デジタル). (2011年4月21日). オリジナルの2011年4月24日時点におけるアーカイブ。. http://web.archive.org/web/20110424114740/http://mantan-web.jp/2011/04/21/20110418dog00m200052000c.html 
  2. ^ “クリエイター集団が本当に作りたい作品を世に出すまでの苦闘の歴史を振り返る講演「ニトロプラス10年の軌跡」”. GIGAZINE. (2011年5月5日). http://gigazine.net/news/20110505_nitroplus_machiasobi6/ 2013年11月9日閲覧。 
  3. ^ “萌え系だけど過酷 アニメ「まどか☆マギカ」の型破り”. 日本経済新聞. (2011年8月11日). http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK0301M_U1A800C1000000/?df=2 2013年5月7日閲覧。 
  4. ^ 電撃オンライン虚淵玄インタビュー
  5. ^ a b c d 語ろう!クウガ アギト 龍騎 2013, pp. 57–94, INTERVIEW:2 虚淵玄(ニトロプラス)
  6. ^ 爆笑問題の日曜サンデー』 2013年6月16日放送分
  7. ^ 【アニメ】『まどか☆マギカ』の脚本家・虚淵玄「オッパイと爆発にしか興味がなかった」
  8. ^ シャドウ・クラスタ『BLACK PAST』 宇野常寛×虚淵玄「すれ違いの先にある奇跡――キャラクターの死と倫理・表現空間とセクシュアリティ」
  9. ^ まどマギを手掛けた虚淵玄さん、東京アニメアワードの脚本賞受賞に「悩んでる」,はてなブックマークニュース,2012年2月17日
  10. ^ “虚淵玄氏、東京アニメアワードの受賞コメントを公開添削で話題に”. やじうまWatch (インプレス). (2012年2月20日). http://internet.watch.impress.co.jp/docs/yajiuma/20120220_513236.html 2012年3月7日閲覧。 
  11. ^ 『吸血殲鬼ヴェドゴニア‎』の演出に『仮面ライダークウガ』のフォーマットをパロディ・オマージュとして取り入れている、『Fate/Zero』の倉庫街の戦いや未遠川の戦いは『仮面ライダー龍騎』のバトルロワイヤルを参考にしている、『魔法少女まどか☆マギカ』の佐倉杏子は当初『龍騎』の浅倉威のようなキャラクターを想定していたなど。『ブラスレイター』については「板野一郎版仮面ライダー」と評している。
  12. ^ 『零人 (大坪砂男全集4)』東京創元社 2013年7月27日、p.601

外部リンク


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