カラシナ
カラシナ | ||||||||||||||||||||||||
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カラシナの図譜(1897年)
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分類 | ||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||
Brassica juncea var. cernua Jorb. et Hem. | ||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||
カラシナ | ||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||
Mustard greens, Indian mustard, Chinese mustard, Leaf mustard, Oriental mustard |
カラシナ(芥子菜、辛子菜、Brassica juncea、英: Mustards)はアブラナ科アブラナ属の越年草。「芥」でカラシナを意味し、「芥子」はカラシナの種子の意味。
別名ともされるセイヨウカラシナは、カラシナの原種である野生種が、明治期以降に帰化植物となったもの。
概要
クロガラシ(Brassica nigra: ゲノム構成BB, 2n = 16)とラパ(B. rapa: ゲノム構成AA, 2n = 20)の両方のゲノムを持つ複二倍体(ゲノム構成AABB, 2n = 4x = 36)で、中央アジア原産と云われる。地中海沿岸から伝播する間に、交雑により生じたと考えられている。
日本への伝来は弥生時代ともいわれ、平安時代である延喜年間(901年 - 923年)編纂の『本草和名』や承平年間(931年 - 938年)編纂の『和名抄』に記載がある。
栽培するものは10から12月に種をまく。また、川沿いの土手などにも野生化して生えている。高さは1-1.5 m。春に開花し、アブラナに似た黄色い花を咲かせる。
利用
野菜(からし菜)として栽培され、葉茎は油炒めやおひたし、漬物などに利用される。タカナ(高菜)やザーサイ(搾菜)は、カラシナの変種。沖縄県ではシマナー(島菜)と呼ばれ、塩漬けや炒め物などに多用され、調理されるとチキナーと呼ばれる。
種子はからし(和からし)の原料となりオリエンタルマスタードとも呼ばれる。マスタード(洋からし)の原料として利用されるシロガラシは、同じアブラナ科の別種である。アブラナやカブなど、アブラナ科の植物は、辛味成分であるアリルイソチオシアネートの配糖体であるグルコシノレート(Glucosinolate: 代表的なものとしてシニグリン[1]など)をもち、種子は種によって差はあるが、いずれも油や辛味を持つ。
宮崎県の一部(美郷町など)には「イラカブ」と呼ばれる在来品種がある[2]。
変種
- アザミナ(学名:Brassica juncea var. crispifolia L.H. Bailey)別名:チリメンカラシ、ハゴロモカラシナ
- カラシナ(学名:Brassica juncea var. cernua Jorb. et Hem.)
- ザーサイ(搾菜)(学名:Brassica juncea var. tumida Tsen et Lee)
- シュエリーホン(学名:Brassica juncea var. foliosa L. H. Bailey)
- タカナ(高菜)(学名:Brassica juncea var. integrifolia (Stokes) Sinsk.)
- タニクタカナ(学名:Brassica juncea var. rugosa Kitam.)
- ダイシンサイ(学名:Brassica juncea var. bulbifera Mas.)
- ツァイタイ(学名:Brassica juncea var. rugosa Kitam.)別名:タイシンツァイ、ターシンツァイ、イウツァイ、イウツァイシン
- ニンスーカ(学名:Brassica juncea var. multisecta Bailey)別名:センスジハガラシ
- ネガラシ(学名:Brassica juncea var. megarrhiza Tsen et Lee)
- ホワチエ(学名:Brassica juncea var. napiformis Kitam.)
脚注
- ^ “「野菜350g」は本当にカラダにいいの…?食生活のウソホント”. FRIDAYデジタル (2020年7月16日). 2020年11月27日閲覧。
- ^ 在来野菜イラカブ復活へ夕刊デイリーWeb(2017年1月25日)2018年9月27日閲覧。
参考文献
- 平野隆久写真『野に咲く花』林弥栄監修、山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑〉、1989年、310頁頁。ISBN 4-635-07001-8。
関連項目
- 帰化植物
- セイヨウアブラナ
- バイオレメディエーション(Bioremediation)/ファイトレメディエーション(phytoremediation)
- 前者は微生物、後者は普通の植物を用いる土壌浄化技術。カラシナは、重金属に汚染された強い毒性を持つ土壌に極めて強い重金属耐性を持ち、重金属を高蓄積する土壌浄化植物として利用される。
外部リンク
- Brassica juncea (L.) Czern.(「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList))
- Brassica juncea (ITIS Standard Report Page)
- Brassica juncea (National Center for Biotechnology Information)
- セイヨウカラシナ(植物雑学事典)