デッド オア アライブ シリーズ
『デッドオアアライブ』 (DEAD OR ALIVE) は、テクモ・チームNINJA がプロデュースしている3D格闘ゲームシリーズである。頭文字を取って「DOA」と略されることがある。
一作目は1996年秋に発売され、以降「++」「2」「3」「4」とシリーズを重ねている。
概要
このゲームの特徴は、攻撃に際して打撃 (HIT) は投げに勝ち、投げ (THROW) は捌きに勝ち、捌き (HOLD) は打撃に勝つという、3すくみ状態を作り出した事である。これにより技の読み合いが要求されるようになり、バーチャファイターとはまた異なる駆け引きが楽しめた。また、キャラクターの大胆なアニメーションや、コスチュームがバリエーション豊富なのも本作の売りのひとつ。魅力的なキャラクターのコスチュームを増やすためにゲームに熱中する者が多いが、単調な作業の繰り返しになり兼ねないということで賛否両論がある。
デッドオアアライブ2はプレイステーション2の本体発売直後にリリースされたが、同じ日に発売された「鉄拳 タッグトーナメント」(ナムコ)の発売もあって、一部の者達が知るゲームだった。
2の特定のキャラクター(かすみ)のデータを改変し、裸でプレイできるようにした不正改造ソフトが出回り、テクモが製造業者を提訴。最高裁まで持ち込まれ、2004年にテクモの勝訴が確定した(この改造プログラムは、オープニングのストーリーデモシーンの演出で一瞬だけ登場する全裸のかすみのために用意されていたモデルを実際のゲームで使用できるようにしたものである)。
デッドオアアライブ3以降はXboxのみの発売となっている。Xboxの性能をフルに使った超美麗な映像で美女同士が戦う。この時から知名度も上がり、それまでマニア向けだったDOAが、一般にも広がる形となった。板垣伴信プロデューサーの「その時期において最高のスペックを持ったゲーム機でのリリースを目指す」という発言から、スペック面で優れているPS3への移植や提供が注目されている(2006年11月現在明らかとなっているPS3のスペックはXbox 360よりも上だが移植の可能性は不透明)。
当初は通常の格闘ゲームだったのだが、アーケード版の1で女性キャラクターの胸が過剰なほどゆさゆさとゆれる「乳揺れ」が話題となり、コンシューマー版では女性キャラクターにマニアックなコスチューム(セーラー服、メイド服等)が多数追加され、シリーズを重ねるごとに女性キャラクターが前面に出るギャルゲーとしての面が強くなった。格闘ゲームとは別に女性キャラクターのみが登場して水着姿を披露するビーチバレーゲーム『デッドオアアライブ XTREME BEACH VOLLEYBALL』も発売されている。
このシリーズは日本国内で不振を極めるXboxの最大の人気タイトルと言っても過言ではないが、ハードの売上を押し上げるキラーソフトになるまでには至っていない。4はXbox 360の本体発売とほぼ同時期に投入され、引き続きマイクロソフトとの協力関係を保っている。
現時点での最高傑作は2とされるが、クリティカルホールドのダメージが非常に大きいという欠点がある。3以降はアーケードへの展開がなく、アーケードファンからは不評のようだ。ULTIMATE以降のXboxLive!を使用したネット対戦が現在の対人戦の主流となっている。
2005年、実写映画化が決定し、日本公開は2007年2月10日。
シリーズ発売年表
- 1996年11月:「DEAD OR ALIVE」 (DOA) アーケード (MODEL2)
- 1997年10月9日:「DEAD OR ALIVE」 (DOA) セガサターン
- 1998年3月12日:「DEAD OR ALIVE」 (DOA) プレイステーション
- 1998年10月:「DEAD OR ALIVE ++」 (DOA++) アーケード (TPS-System)
- 1999年11月:「DEAD OR ALIVE 2」 (DOA2) アーケード (NAOMI)
- タッグバトルが導入される。
- 2000年1月:「DEAD OR ALIVE 2 MILLENIUM」 アーケード (NAOMI)
- マイナー・バージョン・アップ。タッグバトル関係の不具合が修正される。
- 2000年3月30日:「DEAD OR ALIVE 2」 (DOA2) プレイステーション2
- 2000年9月28日:「DEAD OR ALIVE 2」 (DOA2) ドリームキャスト
- 2000年12月14日:「DOR2 HARD・CORE」 (DOA2HC) プレイステーション2
- 2002年2月22日:「DEAD OR ALIVE 3」 (DOA3) Xbox
- 2003年1月23日:「DEAD OR ALIVE Xtreme Beach Volleyball」 (DOAX) Xbox
- 2004年11月3日:「DEAD OR ALIVE ULTIMATE」 (DOAU {DOA1U,DOA2U} ) Xbox
- セガサターン版DOAを完全再現したDOA1UとDOA2HCをリメイクしたDOA2Uから成る。
- Xbox Liveによるオンライン対戦が可能となる。
- 2005年12月29日:「DEAD OR ALIVE 4」 Xbox 360
- 2006年11月22日:「DEAD OR ALIVE Xtreme 2」 Xbox 360
DEAD OR ALIVE
主な登場キャラクターの背景
- かすみ - Kasumi、国籍:日本(声:丹下桜)
- 霧幻天神流忍術天神門の使い手。何者かに半死半生にされた兄の疾風の仇を討つため抜け忍となる。手がかりはDOAにあるようだ。
- リュウ・ハヤブサ - Ryu Hayabusa、国籍:日本(声:堀秀行)
- 隼流忍術を使う超忍。忍者龍剣伝シリーズの主人公。親友の疾風が襲われ、疾風の妹のかすみが失踪した。ハヤブサはそれらとDOAに潜む邪念の関係を感じとり、一度得た平安な生活を捨てDOAに挑む。
- ゲン・フー - Gen-Fu、国籍:中国(声:青野武)
- 心意六合拳の使い手であった古書店主。試合中の事故で相手を殺してしまい、自らの拳を封じた。しかし、重体の孫娘メイ・リンの手術費を勝ち取るため、剛拳の封印を解きDOAに出場する。
- 雷道 - Raidou、国籍:日本(声:阪脩)
- 霧幻天神流忍術を使う忍者であったが、その強さへの欲望から破門された。一度受けた技をすぐに身に付けることのできる特異な能力を持ち、様々な格闘技の奥義を体得している。
プレイステーション版、DOA++で追加された登場キャラクターの背景
- あやね - Ayane、国籍:日本(声:山崎和佳奈)
- 霧幻天神流忍術覇神門の使い手。抜け忍となったかすみを刺客として追っている。かすみとは異父姉妹で、父親は雷道。望まれて生まれた子供ではなかったため、恵まれて育ったかすみを個人的にも恨む。NINJA GAIDENにも登場する。
公式ストーリー
DOAの主催者DOATECの真の目的は、優勝者の遺伝子を利用した人体改造により超人を製造することにある。
かすみは、他の出場者達を勝ち抜き、DOAに優勝する。その時に、雷道が表れた。雷道は、霧幻天神流頭首にのみ受け継がれる”裂空迅風殺”を手に入れるために疾風を襲った犯人であり、さらに、DOATEC創始者のフェイム・ダグラスのボディーガードとなって、DOA優勝者という次の強敵を待っていたのだ。
二人の戦いは、かすみの勝利に終わるが、直後、デンジャーゾーンの爆発が起こる。雷道の体は爆発で四散、かすみは傷つき、一時DOATECに捕まる。
DEAD OR ALIVE 2
主な登場キャラクターの背景
- かすみ - Kasumi、国籍:日本(声:丹下桜)
- 霧幻天神流忍術天神門の使い手。抜け忍。
- カスミα(アルファ) - Kasumi α(声:丹下桜)
- DOATECにより作られたかすみのクローン。単なるクローン技術以外に、少なくとも体を速成成長させる技術、身体コントロール能力と“かすみの技”を脳と体へインプットする技術、知能を脳に短期間でインプットする技術が必要であると推測される。
- ゲン・フー - Gen-Fu、国籍:中国(声:青野武)
- 心意六合拳の使い手であった古書店主。DOA1では得られなかった重体の孫娘メイ・リンの手術費を得るため、剛拳の封印を再度解き、DOA2に出場する。
- エレナ - Helena、国籍:フランス(声:小山裕香)
- ティナ・アームストロング - Tina Armstrong、国籍:アメリカ(声:永島由子{小山茉美から変更})
- プロレスラー。父親のバースは好きだが、干渉されたくない。DOA1ではあまり目立てなかった。今度こそ目立って、モデルになるとDOA2に出場する。
- あやね - Ayane(声:山崎和佳奈)
- 前回同様。
- アイン - Ein、国籍:不明(声:緑川光)
- 記憶喪失状態で発見された男。短期間で空手を習得した。格闘時に湧き上がる感覚から自分の素性を見付けられるのではないかとDOA2に挑む。
- DOATECの人体改造研究のひとつであるイプシロン計画の素体とするため誘拐され、失敗した実験により記憶を失った疾風であると思われる。
- 万骨坊 - Bankotsubo the Evil Tengu、国籍:不明(声:阪脩)
- 邪悪な天狗。純粋に”挌闘家”としても壮絶に強いが、幻術を使われれば到底普通の人間のかなうものではない。正式な名前は五百峰万骨坊。
公式ストーリー
DOATECのフェイム・ダグラスが暗殺されるものの第2回DOAが開催されることとなり、前回の雪辱を果たすために出場する者、夢を叶えるために出場する者、大会の開催に隠れた闇を探るべく出場する者など多くの参加者が集った。
その中で勝ち進んだハヤブサの前に現れた天狗・万骨坊から発せられた驚愕の事実
「全ては我が戯言也」
第2回DOAは天狗の戯言に過ぎなかった。激闘の末万骨坊を倒したハヤブサはそのままどこかへと消えていった。DOATECは万骨坊の事を既に知っていたのかどうかなどは闇の中であった。
DEAD OR ALIVE 3
主な登場キャラクターの背景
(前回大会から変化の少ない者は省略)
- かすみ - Kasumi、国籍:日本(声:桑島法子(丹下桜から変更。Uよりオプションで変更可))
- 霧幻天神流忍術天神門の使い手。抜け忍。
- ハヤテ - Hayate(アイン - Ein)、国籍:日本(声:緑川光)
- 霧幻天神流忍術天神門の使い手。DOA2の戦いの中で記憶を取り戻したアインは、ハヤテとして日本に戻って、霧幻天神流第十八代頭首となる。そして今度は、DOATECのオメガ計画に利用された幻羅を止めるため、DOA3に向かう。
- ヒトミ - Hitomi、国籍:ドイツ(声:堀江由衣)
- 空手を使う高校生。父はドイツ人空手家、母は日本人。幼いころからの父の習えと、道場に転がり込んできたアインとの稽古により強くなった。そして、その強さを確かめにDOA3に出場する。
- クリスティ - Christie、国籍:イギリス(イングランド)(声:三石琴乃)
- 蛇拳を使うアサシン。DOATEC内の反フェイム・ダグラス派のビクトール・ドノヴァン博士の依頼を受け、エレナの従者をしながら彼女を監視している。時がくればエレナを殺そうとするはず。
- ブラッド・ウォン - Brad Wong、国籍:中国(声:岸野幸正)
- 酔八仙拳の使い手。師匠の陳老師に”幻羅”という名の幻の酒を持ってこいと言われてからもう3年、DOA3に流れついたブラッドは”幻羅”に酔えるか?
- バイマン - Bayman、国籍:ロシア(声:銀河万丈(厳密には『2 DC版』より江川央生から変更))
- コマンドサンボを使う暗殺者。自分を殺しに来たスナイパーの雇い主は、かつてフェイム・ダグラス暗殺を依頼をしてきたビクトール・ドノヴァンだった。元雇い主の裏切りは許さない。
- 幻羅 - "Omega" Genra、国籍:不明(声:阪脩)
- 霧幻天神流忍術覇神門を使う上忍、あやねの育ての親にして師匠。DOATECに拉致されて、新たな超人製造プロジェクトであるオメガ計画に献体として利用されてしまう。
公式ストーリー
DOA3の主催者DOATECの真の目的は、オメガ(オメガ計画により超人となった幻羅)の力を試すことにある。
表向きの大会は、ザックが順調に勝ち続け優勝する。その裏で、あやねは変わり果てた姿となった幻羅を自らの手で葬り去る。
DEAD OR ALIVE Xtreme Beach Volleyball
主な登場キャラクターの背景
- リサ - Lisa、国籍:アメリカ(声:坂本真綾)
- さる研究所の主任研究員。ティナの親友。学生時代はバレーボールの選手だった。格闘技もやっているようだが、現時点では詳細不明。
公式ストーリー
DOA3で優勝したザックは、全賞金を持ってラスベガスのカジノに挑む。お金はどんどん増え続け、ザックはそのお金で南の島を買ってしまう。その名もザック島。そして、その島でDOA4を行うという偽の招待状を出したのだ。招待状の送り先は、DOA3の出場者…の女性だけ!
DEAD OR ALIVE 4
主な登場キャラクターの背景
(前回大会から変化の少ない者は省略)
- ラ・マリポーサ - La Mariposa、国籍:アメリカ(声:坂本真綾)
- 謎の覆面ルチャドール(ルチャ・リブレの選手)。彗星のごとくデビューし、敗北なしに一気にスターダムまで昇りつめた。イプシロン計画に関わった研究者でもある。素顔を出すコスチュームもあり、正体はリサである。
- こころ - Kokoro、国籍:日本(声:川澄綾子)
- 八極拳を使う女子高生。普段は舞妓の修行をしている。母、美夜子の心配をよそに自分の力を試したくDOA4に出場する(母の名“美夜子”は、DOATEC創始者フェイム・ダグラスの5番目の愛人"MIYAKO"と同じだが…)。
- エリオット - Eliot、国籍:イギリス(声:皆川純子)
- 形意拳を使う天涯孤独の青年で、ゲン・フーの唯一の弟子である。弟子をいっさいとらないゲン・フーが、なぜ自分を弟子にしたのか分からず悩み、その答えをDOA4に求める。
- なお、ゲン・フーは天狗の鼻とDOA3の賞金でメイ・リンを治療できたらしく、今大会には出場していない(ボーナスキャラクターとしてストーリーモード以外で使用可能となる)。
- Alpha-152 - Alpha-152、国籍:不明(声:竹田佳央里)
- 超人を作るアルファ計画の最終形態で、かすみの遺伝情報を利用したハイパークローン。差別なき憎しみを抱き、全てを無に至らしめる究極の力を持つ。
- SPARTAN-458 - SPARTAN-458(声:Lyssa Browne)
- HALOからの特別出演。ただし、HALOの主人公であるSPARTAN-117=マスターチーフではない。重傷を負ったが生き残っている女性型SPARTANと言う設定である。DOA4へは出場していない(ボーナスキャラクターとしてストーリーモード以外で使用可能となる)。
公式ストーリー
エレナは、創始者フェイム・ダグラスを失ったDOATECの総帥となる。それは、新たな悲劇を生み出さないための苦渋の決断の結果か…。しかし、DOATECの真の支配者とも言えるビクトール・ドノヴァン博士の一派を掌握するのは難しく、アルファ計画は止められない。そのような中、DOA4が行われる。
一方、度重なる干渉に耐えかねたハヤテら霧幻天神一党は、ハヤブサと共にDOATECをつぶそうとする。忍者達の攻撃は、近代兵器をもってしても防ぎきれず、トライタワーは各所から炎を吹き上げる。そして、タワーの地下ではAlpha-152が起動する。
エレナは、悲痛な、しかし、決意を秘めた面持ちで、崩れ始めるタワーの中を制御室へと向う。頭の中へ去来するのは様々な記憶…幼いころの思い出、プリマドンナとしての公演、自分の身代わりとなった母…。しばらく後、エレナの去った制御室のパネルには何事かをカウントダウンする数字が残される。
地下では、Alpha-152とかすみが戦う。Alpha-152は驚異的な戦闘能力をみせるが、結局はかすみに倒される。
そして、エレナは、あやねの妖術によって一段と大きな炎が上がる中、エレベーターでタワー上層部に上がっていく。そこで、一面の炎に包まれ、中空を見ながらひとりささやく、「さようなら。」…