カナダ
- カナダ
- Canada
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カナダの国章 (国旗) (国章) - 国の標語:A Mari Usque Ad Mare
(ラテン語: 海から海へ) - 国歌:オー・カナダ
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公用語 英語、フランス語 首都 オタワ 最大の都市 トロント 独立
- BNA法
- ウェストミンスター憲章
- カナダ法イギリスから
1867年7月1日
1931年12月11日
1982年4月17日通貨 カナダドル ($)(CAD) 時間帯 UTC-3.5 から -8
(DST:-2.5 から -7)ISO 3166-1 不明 ccTLD CA 国際電話番号 1
世界で2番目に大きい面積の国土をもつ。北に北極海、南にアメリカ、西に太平洋、米国アラスカ州、東に大西洋、グリーンランドと隣接する。歴史的に先住民族が居住する中、外からやってきた英仏両国の植民地連合体として始まった。その後イギリスからの独立プロセスが1867年から始まり1982年に終わる。
現在でも立憲君主制で、連邦政府の運営は議会制民主主義で行われている。世界の先進七カ国(G7)の一国。旧来より、友好的かつ敵対的という複雑な関係ながら、隣国のアメリカ合衆国との交流が盛んであったが、1992年、北米自由貿易協定(NAFTA)に加盟し、メキシコを含む北米3国間での交流も促進された。経済面では多様な産業構造を保有しているが、貿易と広大な天然資源に大きく依存している。
国名
正式名称は「Dominion of Canada」(カナダ自治領)か、単に「Canada」(【発音】 英語: キャナダ、フランス語: カナダ)。日本政府による公式名は「カナダ」[1]。
1982年に憲法が制定される以前は複数の名称が存在したが、現在はカナダの憲法により公用語である英語及び仏語では「カナダ(Canada)」のみが公式名とされている[2][3]。
なお、連邦制を強調するため、まれに「カナダ連邦」及び「カナダ連邦政府」と呼ばれることもあるが、これは国名ではなく政治体制を意味する文脈で使われることが多い。
また、漢字による当て字で加奈陀と表記され、加と略される。加国、加連邦とも。ただし、加州はアメリカ合衆国のカリフォルニア州を指す。
語源は原住民の「村落」を意味する単語「"Kanata"」が変化し「"Canada"」になったという説が有力。
歴史
- 1534年 ジャック・カルティエ、仏領カナダ領有を宣言
- 1608年 サミュエル・ド・シャンプラン、ケベック植民地創設
- 1642年 モントリオール創設
- 1682年 ロベール・カヴァリエ、ルイジアナ領有宣言
- 1763年 七年戦争(北米では特にフレンチ・インディアン戦争)の結果、仏領カナダを英国に割譲
- 1858年 イギリス、ブリティッシュコロンビアを領有
- 1867年 自治領カナダ(Dominion of Canada)誕生
- 1914年 第一次世界大戦参戦
- 1931年 英国議会カナダの自治権を法的に保障(実質的独立)
- 1939年 第二次世界大戦参戦
- 1967年 モントリオール万博開催
- 1969年 英仏両語をカナダの公用語に制定
- 1982年 1982年憲法の制定
- 1992年 北米自由貿易協定加盟
- 1999年 先住民族の自治権を承認
政治
政体は立憲君主制である。公式にはイギリス女王が国家元首となるが、実際にはカナダ総督が女王の代行を務める。もっとも、これは形式的なものであり、実質的な首長は、総選挙により選出される連邦政府の首相である。政府は、議院内閣制を採用している。カナダは、歴史的に各州の合意により連邦が設立された経緯があることから、州に大幅な自治権が認められており、それぞれの州に首相、内閣及び議会がある。そのため、カナダにおいて政治とは、州政府vs連邦政府の駆け引きをさすことも多い。 カナダの憲法は、1982年にできたいわゆる「1982年憲法」であり、それにより二言語多文化主義・ケベック州の特殊性が認められている。
オタワにある議会は二院制で、上院105名、下院308名。詳細はカナダ議会を参照
英連邦に加盟している。また、英語圏として国際諜報網「UKUSA」(アングロサクソン・ネットワーク)の一員である。
一般的にアメリカ合衆国よりもリベラルな国民性であり、60年代のベトナム戦争時や2004年の(イラク戦争を指揮した)ブッシュ大統領再選時はアメリカから多数のリベラル派市民が移民申請を行ったことが話題になった。
カナダはホームドクター制であり、医療費が無料となっている。(北欧などの福祉国家に近い)そのため医療費が国費を圧迫しているという議論もあるが、カナダの良き伝統として残すべきであるという意見が強い。実際にカナダは医療費を無料にしたまま、財政の黒字化に成功している。
通貨
通貨はカナダドル(Canadian Dollar、CAD)。Can$1=100¢である。
地方行政区分
州
詳細はカナダの州を参照
カナダは10の州(プロビンス、province)と3つの準州(テリトリー、territory)に区分されている。
名称 | 人口(人) | 州都/主府/本部 | 備考 |
---|---|---|---|
ブリティッシュコロンビア州 British Columbia |
4,254,500 | ビクトリア Victoria |
|
アルバータ州 Alberta |
3,256,800 | エドモントン Edmonton |
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サスカチュワン州 Saskatchewan |
994,100 | レジャイナ Regina |
|
マニトバ州 Manitoba |
1,177,600 | ウィニペグ Winnipeg |
|
オンタリオ州 Ontario |
12,541,400 | トロント Toronto |
|
ケベック州 le Québec |
7,598,100 | ケベック・シティ Ville de Québec |
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ニューブランズウィック州 New Brunswick / Nouveau-Brunswick |
752,000 | フレデリクトン Fredericton |
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ノバスコシア州 Nova Scotia |
937,900 | ハリファックス Halifax |
|
ニューファンドランド・ラブラドール州 Newfoundland and Labrador |
516,000 | セント・ジョンズ St. John's |
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プリンスエドワードアイランド州 Prince Edward Island |
138,100 | シャーロットタウン Charlottetown |
|
ユーコン準州 Yukon Territory |
31,200 | ホワイトホース Whitehorse |
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ノースウェスト準州 Northwest Territories |
42,800 | イエローナイフ Yellowknife |
|
ヌナブト準州 Nunavut |
28,300 | イカルイト Iqaluit |
代表的な都市
地理
カナダは北アメリカ大陸の北半分を占める。南および西はアメリカと接する。東は大西洋、デイビス海峡、西は太平洋、北はボーフォート海、北極海に面する。
カナダはロシアに次いで2番目に面積が大きい国であり、北アメリカ大陸の約41%を占めている。国土の多くは北極圏内にある。人口密度は3.2人/km2とかなり少ない。カナダ人の80%はアメリカとの国境から 200 km以内に住んでいる。
人口が最も多い地域は五大湖、セントローレンス川周辺である。その北にはカナダ楯状地が広がる。
経済
カナダは鉱物資源に恵まれており、世界シェア10位に入る鉱物が17種ある。以下では2003年時点の統計データに基づく。有機鉱物資源では、天然ガス(6565千兆ジュール、3位)、燃料となる褐炭(3695万トン、9位)のほか、石炭(2954万トン)と原油(9111万トン)の産出量も多い。ダイヤモンドの産出量も1120万カラットに及び、世界第6位である。
金属資源では、 ウラン鉱(1万トン、1位、世界シェア29.2%)、カリ塩鉱(820万トン、1位、世界シェア30.9%)、 イオウ(903万トン、2位)、鉄鉱(1980万トン、3位)、銀鉱(1309トン、3位)、タングステン鉱(2750トン、3位)、ニッケル鉱(16万トン、3位)、亜鉛鉱(100万トン、4位)、コバルト鉱(4304トン、5位)、塩(1335万トン、5位)、鉛鉱(15万トン、5位)、金鉱(141トン、7位)、アンチモン鉱(143トン、8位)、銅鉱(56万トン、8位)が特筆される。このほか、マグネシウム鉱、リン鉱も採掘されている。
産業
航空産業、宇宙産業、自動車部品製造、製紙、鉄鋼、機械・機器、エネルギー産業、鉱業、化石燃料採掘、林産、農業、漁業、観光業、映画産業、マルチメディア産業、ハイテク産業、コンピューター産業、ソフトウェア制作、ゲーム制作、CG、アニメ
輸出品
主な輸出品目は、自動車および自動車部品、機械・機器、精密機器、石油、天然ガス、金属、林産品、農産品、魚類(サーモン、イクラ、マグロ等)
国民
言語は英語とフランス語が1982年憲法によって認められている公用語である。1969年に連邦政府における英語とフランス語の地位の同等性が認められるようになった。日常的に英語を使う人の割合は6割弱、フランス語は2割程度である。フランス語が主に使われている地域はケベック州、オンタリオ州、ニューブランズウィック州、およびマニトバ州の南部である。このうち、ケベック州はフランス語のみを、ニューブランズウィック州は英語とフランス語を公用語としている。(他州は英語のみを公用語としている。)なお、ヌナブト準州ではイヌイット語も英語とともに公用語である。 公用語以外の言語を使う住民も500万人ほどおり、中国語(広東語が多い)の話者が85万人、イタリア語が47万人、ドイツ語が44万人、などである。また先住民の中には自分達の言葉を使うものもいるが、多くの言語はだんだんと使われなくなっていく傾向にある。
人種
住民は、イギリス系28%、フランス系23%、その他のヨーロッパ系15%、ネイティブカナディアン(先住民族)2%、その他アジア系カナダ人、アフリカ系、アラブ系が6%、混血が26%。
宗教
宗教は、ローマ・カトリックが43%、プロテスタントが29%、その他12%となっている。(2001年時点)また、無宗教の人は16%に上る。
文化
文学
日本で人気のある『赤毛のアン』の作者ルーシー・モンゴメリーはカナダの文学者である。またサイバーパンクSFの雄であるウィリアム・ギブソンはアメリカ出身だが、徴兵拒否のためにカナダに移住したため、「カナダの作家」として扱われることがある。
クラシック音楽
独創的なバッハ解釈で名高いグレン・グールドはトロント生まれである。また、モントリオール交響楽団はシャルル・デュトワが指揮者を務めている間に実力を高め、北米大陸屈指のオーケストラとして知られるようになった。
芸能人
ハリウッド俳優キアヌ・リーブス、マイケル・J・フォックス、ジム・キャリー、ヘイデン・クリステンセン、アカデミー男優賞俳優ドナルド・サザーランドと有名米ドラマ「24」主演のキーファー・サザーランドの父子は、カナダ出身である。映画タイタニックの主題歌で名を馳せたセリーヌ・ディオンは世界的なシンガーとして有名。ミュージシャンのアヴリル・ラヴィーンやSUM41、ダニエル・パウターもカナダ出身。その他ミュージシャンでは、コリー・ハート、サラ・マクラクラン、ブライアン・アダムス、アラニス・モリセット、ジョニ・ミッチェル、デイヴィッド・フォスター、シャナイア・トゥエインなどが世界的に有名。
世界遺産
カナダ国内には、ユネスコの世界遺産リストに登録された文化遺産が5件、自然遺産が6件ある。さらに米国とにまたがって2件の自然遺産が登録されている。詳細は、カナダの世界遺産を参照。
祝祭日
日付 | 祝祭日 (英語 / 仏語) |
備考 |
---|---|---|
1月1日 | 元旦 New Year's Day jour de l'An |
法令による。 |
イースターの直前の金曜日 | 聖金曜日 Good Friday vendredi saint |
法令による。4月になることが多い(イースターを参照)。 |
イースターの翌日 | イースター・マンデー Easter Monday lundi de Pâques |
4月になることが多い(イースターを参照)。 |
5月25日の直前の月曜日 | ビクトリア女王誕生日 Victoria Day fête de la Reine |
ビクトリア女王の誕生日。法令による。ケベック州では、パトリオットの祝日(fête des patriotes)と同じ日に祝う。パトリオットの祝日は、愛国者の反逆(Patriotes Rebellion)の記念日。 |
7月1日 | カナダ・デー Canada Day fête du Canada |
法令による。1867年の3つの植民地の自治開始を記念する日。 |
9月の第1月曜日 | レイバー・デー Labour Day fête du travail |
法令による。労働者の日。 |
10月の第2月曜日 | 感謝祭 Thanksgiving action de grâce |
法令による。アメリカとは異なる日に祝う。 |
11月11日 | リメンバランス・デー Remembrance Day jour du souvenir |
第一次世界大戦終結の記念日。州によって祝日では無い事がある。 |
12月25日 | クリスマス Christmas Noël |
法令による。 |
12月26日 | ボクシング・デー Boxing Day lendemain de Noël |
法令による。 |
関連項目
脚注
- ^ “日本国外務省 | 北米 | カナダ”. Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。
- ^ “Canada Act 1982 | Constitutional Act, 1982”. Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。
- ^ “Loi de 1982 sur le Canada | Loi constitutionnelle de 1982”. Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。
外部リンク
公式
- カナダ政府 (英語、仏語)
- 駐日カナダ大使館 (日本語)
- カナダ観光局 (日本語)
- 日本外務省(カナダの情報) (日本語)
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