コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

モントリオール交響楽団

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
モントリオール交響楽団
本拠地のシンフォニー・ハウス
(Maison symphonique de Montréal)
基本情報
原語名 Orchestre symphonique de Montréal
出身地 カナダの旗 カナダ ケベック州モントリオール
ジャンル クラシック音楽
活動期間 1935年 -
公式サイト www.osm.ca/fr/ ウィキデータを編集
メンバー 音楽監督
ラファエル・パヤーレ
野外のコンサートでの演奏風景

モントリオール交響楽団(モントリオールこうきょうがくだん、: Orchestre symphonique de Montréal、略称OSM)は、ケベック州モントリオールを拠点とするカナダオーケストラ

概要

[編集]

この名称の音楽団体は、1897年1930年[1][2]にも設立されているが、現在の団体とは直接的な関連はない。現在の団体は、ウィルフリード・ペルティエ(Wilfrid Pelletier[1]により1934年[1]に結成された「交響楽団」(Les Concerts Symphoniques[1])にさかのぼり、1954年から現在の楽団名に改名された[1]1960年代にモントリオールの慈善事業家ジョン・ウィルソン・マッコネルより、コンサートマスターのために1727年製のストラディヴァリウスが寄贈されている。

創設時から1963年までプラトー・ホール[3]を本拠としたが、1964年からプレイス・デ・アーツとザール・ウィルフレッド・ペレティエで演奏活動を行うようになった。2011年から本拠をモントリオール・シンフォニー・ハウスに移した。

歴代首席指揮者には、イーゴリ・マルケヴィチズービン・メータなどが名を連ねている[1]。1970年の大阪万博で初来日[1]。ベルリン・フィル、ニューヨーク・フィルなどが居並ぶ中で無名に近い存在だったが、当時の首席指揮者フランツ=パウル・デッカーが手塩にかけた合奏力の高さを披露し、同団の名を日本人に印象付けた。

1977年に、シャルル・デュトワが音楽監督に就任し、磨き抜かれた美しい響きと確かな技術を獲得して、「フランスのオーケストラよりフランス的なオーケストラ」[2]と呼ばれ、世界的な名声を獲得した[3]。現在では世界有数のオーケストラの一つに数えられている。デュトワ&OSMのコンビでの来日公演も行い、日本各地での演奏会は好評を博した。しかし、2002年に楽団員との対立により、デュトワは首席指揮者を辞した[3]。幹部・理事会からは辞任を惜しむ声が出た[2]が、ケベック音楽家ユニオンは修復不可能なほど関係がこじれてしまった旨を明らかにしている。

労組交渉の際に契約期限に譲歩をしてから数ヵ月後の2005年5月10日に、楽団員がストライキを決行し、《聖者の行進When The Saints Go Marching In 》を演奏しながら立ち去った[2]

2006年から2020年までケント・ナガノが、2021年からラファエル・パヤーレ(英語版)が音楽監督を務める[4]

主な歴代首席指揮者・音楽監督

[編集]
シャルル・デュトワ

録音

[編集]

デュトワ時代に、主にデッカ社から多数のレコーディング作品を世に送り出し、それらは広く知られている。代表的名盤として、仏ACCディスク大賞[7]に輝いたベルリオーズの《トロイアの人々[8]音楽之友社レコード・アカデミー賞を受賞したドビュッシーの《[9]ラヴェルの《ダフニスとクロエ[10]などの録音などがある。 これらの録音は、かつてアンセルメスイス・ロマンド管が残したレパートリーのCDによる再録音を計画したデッカ社との専属契約により製作されたものである[2]

脚注

[編集]

注釈・出典

[編集]
  1. ^ a b c d e f g 世界のオーケストラ名鑑387 2009, p. 69「モントリオール交響楽団」.
  2. ^ a b c d e f g h i j 世界のオーケストラ(1) ~北米・中米・南米編~ 2015, p. 283-289「48.モントリオール交響楽団」.
  3. ^ a b c d e 世界の名門オーケストラ 2020, p. 163「モントリオール交響楽団」.
  4. ^ a b L`Orchestre”. OSM. RAFAEL PAYARE. Orchestre symphonique de Montréal.. 2023年2月3日閲覧。
  5. ^ 世界の指揮者名鑑866 2010, p. 41「シャルル・デュトワ」.
  6. ^ About Biography”. Kent Nagano. Kent Nagano. 2023年2月3日閲覧。
  7. ^ BIOGRAPHY”. UNIVERSAL MUSIC JAPAN. Charls Dutoit. 2023年2月4日閲覧。
  8. ^ 歌劇「トロイ人」”. TOWER RECORDS ONLINE. シャルル・デュトワ. 2023年2月4日閲覧。
  9. ^ DISCOGRAPHY ドビュッシー:交響詩《海》”. UNIVERSAL MUSIC JAPAN. Charls Dutoit. 2023年2月4日閲覧。
  10. ^ DISCOGRAPHY ダフニスとクロエ”. UNIVERSAL MUSIC JAPAN. Charls Dutoit. 2023年2月4日閲覧。

参考文献

[編集]
  • ONTOMO MOOK『世界のオーケストラ名鑑387』音楽之友社、2009年。 
  • ONTOMO MOOK『世界の名門オーケストラ』音楽之友社、2020年。 
  • 上地 隆裕著『世界のオーケストラ(1) ~北米・中米・南米編~』株式会社 芸術現代社、2015年。ISBN 978-4-87463-203-1 
  • ONTOMO MOOK『世界の指揮者名鑑866』音楽之友社、2010年。 

外部リンク

[編集]