ソトイワシ目
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ソトイワシ属の1種 Albula vulpes
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本文参照
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ソトイワシ目(学名:Albuliformes)は、硬骨魚類の分類群の一つ。2亜目3科で構成され、およそ8属30種を含むグループである[1]。ソトイワシ亜目は熱帯の浅海、ソコギス亜目は深海に生息する種類が多い[1]。
概要
ソトイワシ目はウナギ目と同じカライワシ上目に属し、レプトケファルスと呼ばれる特徴的な仔魚期を経て成長する。他のカライワシ上目魚類との相違点は、下顎の側線が開いた溝の中を走行することである(他のグループでは溝は閉じている)[1]。
カライワシ目やソコギス亜目との関係が深く、分類体系にはばらつきが大きい。
分類
ソトイワシ目全体、あるいは含まれる科・属の分類上の位置付けは、研究者により大きく異なる。本目全体をソトイワシ亜目として、カライワシ目に含める場合があるほか、ソコギス亜目を分離し独立のソコギス目として分類する体系も存在する。本稿ではNelson(2006)の分類に従い、ソトイワシ亜目・ソコギス亜目の2亜目を含む3科8属についてリストする[1]。
ソトイワシ亜目
ソトイワシ亜目 Albuloidei は1科2属5種で構成される。体型はニシン・イワシ類に似ており、やや細長い紡錘形である。側線の眼下管は前上顎骨にまで伸び、現生の真骨類としては稀な特徴である[1]。
ソトイワシ科
ソトイワシ科 Albulidae は2亜科2属で構成され、およそ5種を含む。
- ソトイワシ亜科 Albulinae 記載される種の数には研究者により異同があるが、少なくとも3種を含むものとみられる[1]。熱帯の浅海に生息し、最大で1mほどになる。淡水・汽水域に進出することもあり、釣りの対象魚として知られる[1]。
- ソトイワシ属 Albula
- ギス亜科 Pterothrissinae ソトイワシ亜科と比べ鰭条数・側線鱗数・椎骨などの数が多い。2種を含み、ギス(Pterothrissus gissu)は日本近海に分布する。ギス科 Pterothrissidae としてカライワシ目に所属させることもある[2]。
- ギス属 Pterothrissus (Istieus)
ソコギス亜目
ソコギス亜目 Notacanthoidei は2科6属、およそ25種からなる。体型はウナギ型で、尾鰭をもたない種類が多く、長い臀鰭と癒合する場合もある。胸鰭は体の高い位置にある。尾部の再生力が非常に強く、トカゲ(爬虫類)との類似が指摘されている[1]。レプトケファルス幼生は例外的に大きく、変態前に2mに達する場合もある[1]。ほぼ全種が深海魚で、主な生息水深は450-2,500m付近。臀鰭を波打たせるようにして海底直上を遊泳する。一部の種類は生物発光を行う。
本亜目はその際立った特徴からしばしば独立の目、ソコギス目 Notacanthiformes として分類される。タヌキソコギス属をタヌキソコギス科 Lipogenidae として扱う場合もある。
トカゲギス科
トカゲギス科 Halosauridae は3属15種で構成され、世界中の深海に分布する。頭部は上下に平たく縦扁し、へらのように使って海底の泥を掘り起こし、餌を捕食する。形態学的特徴として、鱗が大きく、鰓膜が分離し、明瞭な背鰭をもつことが挙げられる[1]。
- クロオビトカゲギス属 Halosauropsis
- トカゲギス属 Aldrovandia
- トゲトカゲギス属 Halosaurus
ソコギス科
ソコギス科 Notacanthidae には3属10種が記載される。鱗は小さく、鰓膜は一部あるいは全体が癒合し、背鰭は棘条が散在するのみである[1]。
タヌキソコギス属にはタヌキソコギス Lipogenys gilli 1種のみが所属する。9-12の鰭条からなる背鰭をもち、独立の科として分類されることもある。
- キツネソコギス属 Notacanthus
- ソコギス属 Polyacanthonotus
- タヌキソコギス属 Lipogenys
出典・脚注
参考文献
- Joseph S. Nelson 『Fishes of the World Fourth Edition』 Wiley & Sons, Inc. 2006年 ISBN 0-471-25031-7
- 上野輝彌・坂本一男 『新版 魚の分類の図鑑』 東海大学出版会 2005年 ISBN 978-4-486-01700-4
- 岡村収・尼岡邦夫監修 『日本の海水魚』 山と溪谷社 1997年 ISBN 4-635-09027-2