נ
表示
ヘブライ文字 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
基本字母 | ||||||
語末形 | ||||||
נ(ヌン、ヘブライ語: נו״ן, נוּן nun)はヘブライ文字の14番目の文字。ヘブライ数字の数価は50。
ギリシャ文字のΝ、キリル文字のН、ラテン文字のNに対応する。
音声
[編集]歯茎鼻音/n/を表す。
起源
[編集]この文字の起源は明らかでない。サンプソンは魚(ヘブライ語: נון nun)と関係するかというが、文字の形は魚に似ておらず、イグナス・ゲルブに従ってこの字が本来はヘビを描いた字であって、後に「מ」(mem)からの類推で「nun」に名前が変わったのかもしれないとする[1]。ウィリアム・オルブライトも早期の文字名称をnaḥš-とし、ヘビ(ヘブライ語: נחש naḥaš)を描いた文字に由来するとしている[2]。ゲエズ文字では実際に対応する文字「ነ」をnähasと呼んでいるが、ダニエルズによるとゲエズ文字の文字名称は新しいもので、16世紀以前にさかのぼらない[3]。
語末形
[編集]単語の終わりでは「ן」を用いる。ヌンソフィート(נו״ן סופית)という。
-
ヌンソフィート
-
語末形の筆記体
脚注
[編集]- ^ Geoffrey Sampson (1985). Writing Systems. Stanford University Press. pp. 80-81. ISBN 0804717567
- ^ Joseph Naveh (1987) [1982]. Early History of the Alphabet (2nd ed.). Hebrew University. p. 25. ISBN 9652234362
- ^ Peter T. Daniels (1996). “The First Civilizations”. In Peter T. Daniels; William Bright. The World's Writing Systems. Oxford University Press. p. 29. ISBN 0195079930