鸚鵡石
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鸚鵡石(おうむいし)は、その石にむかって声や音を発すると、オウムのようにその声や音のまねをするとされる石である。その原理は、山彦に似る。
日本の各地に鸚鵡石やその類と伝えられる石があるが、有名なのは三重県志摩市磯部町恵利原にある鸚鵡岩(おうむいわ)[1]で、霊元天皇の叡覧に供したという。
全国各地の鸚鵡石
[編集]三重県志摩市の鸚鵡岩
[編集]鸚鵡岩(おうむいわ)は三重県志摩市にある奇岩である。「鸚鵡」の漢字が難しいので一般に「おうむ岩」と表記される。伊勢志摩国立公園に属する。
明治には小松宮彰仁親王、大正には久邇宮邦彦王、昭和には東久邇宮稔彦王が訪れている[4]。
概要
[編集]幅127m、高さ31m[5]の一枚岩で、「語り場」で声を発したり、備え付けの拍子木を打つと、約50m離れた「聞き場」にいる人にはあたかも岩から音が発されているように聞こえる[6]。 地質学的には秩父層群のチャートでできている[5]。また、岩のある和合山の南には仏像構造線が通っていると推定されている[5]。
岩の北には「広の谷」と呼ばれる場所があり、サンゴや層孔虫、二枚貝といった中生代ジュラ紀の化石が発見されている[5]。
所在地・周辺
[編集]三重県志摩市磯部町恵利原にある。三重交通バス恵利原バス停より徒歩約20分。岩の頂上には展望台が設けられ、磯部町の田園風景が楽しめる。
伊勢志摩ロッジ
[編集]岩の付近には国民宿舎伊勢志摩ロッジがあった。同ロッジは磯部町営として1965年(昭和40年)12月28日に開業し[7]、1986年(昭和61年)4月1日に民営化[8]、2010年(平成22年)に廃業となった。
的矢湾を望む鉄筋コンクリート構造3階建ての宿舎で、冷暖房完備であった[9]。部屋数は21室、100人収容可能であった[9]。
脚注
[編集]- ^ 地元では鸚鵡石と書いて「おうむせき」とよぶこともある。
- ^ 渥美半島観光ビューロー"鸚鵡石|田原市観光ガイド"(2013年11月7日閲覧。)
- ^ 伊勢志摩きらり千選実行グループ"[1]"伊勢志摩国立公園協会(2013年11月7日閲覧。)
- ^ 磯部郷土史刊行会 編(1963):41ページ
- ^ a b c d 『磯部町史 上巻』(編集:磯部町史編纂委員会 編(1997):33ページ
- ^ JTBパブリッシング編集制作本部関西編集部 編(2006):53ページ
- ^ 三重県磯部町(2004):9ページ
- ^ 磯部町史編纂委員会 編(1997):下巻1283ページ
- ^ a b 人文社観光と旅編集部 編(1974):47ページ
参考文献
[編集]- 磯部郷土史刊行会 編『磯部郷土史』磯部郷土史刊行会、昭和38年5月10日、506p.
- 磯部町史編纂委員会 編『磯部町史 上巻』磯部町、平成9年9月1日
- 磯部町史編纂委員会 編『磯部町史 下巻』磯部町、平成9年9月1日、1340p.
- JTBパブリッシング編集制作本部関西編集部 編『るるぶ伊勢志摩'07』るるぶ情報版 近畿2、JTBパブリッシング、2006年5月1日、142p. ISBN 4-533-06329-2
- 人文社観光と旅編集部 編『県別シリーズ25 郷土資料事典 三重県・観光と旅』人文社、昭和49年6月1日改訂新版、139p.
- 三重県磯部町『磯部町50年のあゆみ 町制施行50周年記念誌』三重県磯部町、2004年、38p.
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 磯部の景勝 鸚鵡岩と展望台 - 伊勢志摩きらり千選(伊勢志摩国立公園協会)