おかしな二人
『おかしな二人』(原題:The Odd Couple)は、1965年に初演されたニール・サイモンによる戯曲、ならびにこれを原作とする映画、テレビドラマ。
概要
[編集]妻と離婚したずぼらな性格のスポーツ記者、オスカー・マディソンの部屋に、彼のポーカー仲間で几帳面な性格のニュース記者、フェリックス・アンガーが「妻に逃げられた」と転がり込んできた。ニューヨークの同じ部屋に住みながら性格が180度違う2人が巻き起こす騒動を描いたコメディ。
1965年にブロードウェイで上演された舞台では、オスカーをウォルター・マッソー、フェリックスをアート・カーニーが演じた。マッソーはこの作品でトニー賞 演劇主演男優賞を、また演出担当のマイク・ニコルズも同賞の演劇演出賞を受賞した。
その後も、キャストを変えての再上演が行われている。
映画 (おかしな二人)
[編集]おかしな二人 | |
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The Odd Couple | |
監督 | ジーン・サックス |
脚本 | ニール・サイモン |
原作 | ニール・サイモン |
製作 | ハワード・W・コッチ |
出演者 |
ジャック・レモン ウォルター・マッソー |
音楽 | ニール・ヘフティ |
撮影 | ロバート・ハウザー |
編集 | フランク・ブラクト |
配給 | パラマウント・ピクチャーズ |
公開 |
1968年5月2日 1969年4月26日 |
上映時間 | 105分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
興行収入 | $44,527,234[1] |
次作 | おかしな二人2 |
舞台の好評を受け、ニール・サイモン自身が脚本を担当して1968年に映画化された。監督はジーン・サックス。オスカー役のウォルター・マッソーは舞台から続投したが、フェリックス役はジャック・レモンに変更された。
第21回全米脚本家組合賞ではコメディ脚本賞を受賞した[2]。
キャスト
[編集]役名 | 俳優 | 日本語吹替 | |
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東京12ch版 | VOD版[3] | ||
フェリックス・アンガー | ジャック・レモン | 加茂喜久 | 多田野曜平 |
オスカー・マディソン | ウォルター・マッソー | 佐藤英夫 | 岩崎ひろし |
ヴィニー | ジョン・フィードラー | 肝付兼太 | 小川剛生 |
マレー | ハーバート・エデルマン | 嶋俊介 | 斎藤志郎 |
ロイ | デヴィッド・シェイナー | 石井敏郎 | 牛山茂 |
スピード | ラリー・ヘインズ | 滝口順平 | 中博史 |
セシリー | モニカ・エヴァンス | 高橋和枝 | 雨蘭咲木子 |
グエンドリン | キャロル・シェリー | 北川智繪 | 安達忍 |
ウェイトレス | アイリス・エイドリアン | 加沢貴美子 | 浦田みちこ |
以下はノンクレジット | |||
バーテンダー | テッド・ベニアデス | 宮内幸平 | |
メイド | ビリー・バード | ||
スポーツ記者 | ヘイウッド・ヘイル・ブルーン | 村松康雄 | |
ゴーゴーダンサー | アンジェリーク・ペティジョン | ||
不明 その他 |
— | 田口昂 |
スタッフ
[編集]- 原作・脚色:ニール・サイモン
- 監督:ジーン・サックス
- 製作:ハワード・W・コッチ
- 撮影:ロバート・ハウザー
- 音楽:ニール・ヘフティ
日本語版
[編集]吹替 | 東京12ch版 | VOD版 |
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演出 | 蕨南勝之 | 乃坂守蔵 |
翻訳 | 原田たけみ | 池田美紀 |
調整 | 平野富夫 | |
効果 | TFCグループ | — |
制作 | 東北新社 東京12ch |
ACクリエイト |
映画 (おかしな二人2)
[編集]おかしな二人2 | |
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The Odd Couple II | |
監督 | ハワード・ドゥイッチ |
脚本 | ニール・サイモン |
原作 | ニール・サイモン |
製作 |
ニール・サイモン ロバート・W・コート デヴィッド・マッデン |
出演者 |
ジャック・レモン ウォルター・マッソー |
音楽 | アラン・シルヴェストリ |
撮影 | ジェイミー・アンダーソン |
編集 | セス・フラウム |
配給 | パラマウント・ピクチャーズ |
公開 |
1998年4月10日 1999年2月20日 |
上映時間 | 96分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
興行収入 | $18,912,328[5] |
前作 | おかしな二人 |
1998年公開。前作から30年後を舞台にしている。再びレモンがフェリックスを、マッソーがオスカーを演じると同時に、二人が主演した最後の映画作品となった。
あらすじ
[編集]依然ニューヨークに住み続けるフェリックスと、ニューヨークを離れてフロリダ州サラソータで老後を過ごすオスカーだったが、フェリックスの娘ハンナとオスカーの息子ブルースがロサンゼルスで出逢い結婚することになり、2人の結婚式に出席すべく再会したフェリックスとオスカーが、結婚式までの道中でまたも騒動を巻き起こす。
キャスト
[編集]※括弧内は日本語吹替担当者(VHSソフト版)
- フェリックス・アンガー:ジャック・レモン(金内喜久夫)
- オスカー・マディソン:ウォルター・マッソー(永井一郎)
- ブルース・マディソン:ジョナサン・シルヴァーマン(鳥畑洋人)
- ハンナ・アンガー:リサ・ワルツ(幸田夏穂)
- 保安官:リチャード・リール(掛川裕彦)
- フェリス:メアリー・ベス・ペイル(赤司まり子)
- テルマ:クリスティーン・バランスキー(藤生聖子)
- ホリー:ジーン・スマート(山像かおり)
- ジェイジェイ:レックス・リン(宗矢樹頼)
- リロイ:ジェイ・O・サンダース(斎藤志郎)
- リコ:ホアキン・マルティネス(宝亀克寿)
- スチュワーデス:エイミー・ヤスベック
スタッフ
[編集]- 原作・脚本:ニール・サイモン
- 監督:ハワード・ドゥイッチ
- 製作:ニール・サイモン、ロバート・W・コート、デヴィッド・マッデン
- 撮影:ジェイミー・アンダーソン
- 音楽:アラン・シルヴェストリ
テレビドラマ
[編集]映画版第1作のヒットを受け、1970年にABCでテレビドラマ版の放送が開始された。こちらも人気を博し、5シーズンにわたって放送の長寿シリーズとなった。
フェリックス役はトニー・ランドールが、オスカー役はブロードウェイ版でマッソーの降板後にオスカー役を演じていたジャック・クラグマンがそれぞれ演じた。テレビドラマ化に際し、フェリックスの職業がファッションカメラマンに変更されている。テーマ曲は、映画版のヘフティの曲が使われた。
テレビドラマ版は日本でも放送された。日本では、まず1971年10月24日から1972年4月9日までフジテレビで『おかしなカップル』と題して放送された後、1977年4月3日から同年6月26日まで東京12チャンネル(現・テレビ東京)で『おかしな二人』と題して放送された。フジテレビでの放送時間は毎週日曜 11:00 - 11:30、東京12チャンネルでの放送時間は毎週日曜 22:00 - 22:30 (日本標準時)。
おかしなカップル
[編集]キャスト
[編集]フジテレビ 日曜 11:00 - 11:30 | ||
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前番組 | 番組名 | 次番組 |
おかしなカップル
(1971年10月24日 - 1972年4月9日) |
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東京12チャンネル 日曜 22:00 - 22:30 | ||
爆笑!チャンネル泥棒 モンティ・パイソン2
(1977年1月9日 - 1977年3月27日) |
おかしな二人
(1977年4月3日 - 1977年6月26日) |
派生作品・リメイク版
[編集]1977年には、フェリックスとオスカーをそれぞれ猫と犬に置き換えたテレビアニメ『それ行け!わんニャン』が制作・放送。こちらも日本で放送された。
1982年には、“Barney Miller”のロン・グラスがフェリックスを、“Sanford and Son”のデモンド・ウィルソンがオスカーをそれぞれ演じたリメイク版“The New Odd Couple”がABCで放送されたが、本家ほどの人気は得られずに1シーズンで打ち切られた。
1983年にはテレビ朝日で、本作からの翻案テレビドラマ『さらば女ともだち』が放送された。主演は、数年前から[いつから?]『おかしな二人』を舞台で演じていた杉浦直樹と石立鉄男。脚本担当は、その舞台の脚本と演出を手がけていた福田陽一郎。
2011年9月には、宝塚歌劇団にてバウホールで公演があった。脚本と演出は石田昌也が、オスカー・マディソン役は轟悠が、フィリックス・アンガー役は未沙のえるが担当した。2012年に東京特別公演として再演された際には、未沙に替わって華形ひかるがフィリックス・アンガーを演じた。
2014年以降、劇団テアトル・エコーでは何度か公演が行われている。翻訳は酒井洋子で、主演はいずれも安原義人と根本泰彦。2018年にはニール・サイモン追悼公演として行われたほか、薬師寺種子と雨蘭咲木子主演による「女性版」も公演された。
2015年2月から2017年5月までCBSで、マシュー・ペリー(オスカー役)とトーマス・レノン(フェリックス役)による新たなテレビシリーズが放送された。ペリーは、企画と製作総指揮にも名を連ねていた。
2015年9月には東京・シアターサンモールで、オスカーをオリーブ(長沢美樹)、フェリックスをフローレンス(恒松あゆみ)と配役を男女入れ替えた『おかしな二人 女性版』が公演された。演出担当は野坂実。
日本語訳
[編集]脚注
[編集]- ^ “The Odd Couple, Box Office Information”. Box Office Mojo. March 4, 2012閲覧。
- ^ “Awards Winners”. wga.org. Writers Guild of America. 2012年12月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年12月2日閲覧。
- ^ a b 多田野曜平 [@qqrg8bp9k] (2024年3月3日). "1968年の映画「おかしな二人」U-NEXTで配信中。". X(旧Twitter)より2024年3月3日閲覧。
- ^ 多田野曜平 [@qqrg8bp9k] (2024年3月1日). "分かりました、なんと2016年です!". X(旧Twitter)より2024年3月3日閲覧。
- ^ The Odd Couple II - Box Office Mojo
外部リンク
[編集]- 映画
- おかしな二人 - allcinema
- おかしな二人 - KINENOTE
- The Odd Couple - IMDb
- おかしな二人2 - allcinema
- おかしな二人2 - KINENOTE
- The Odd Couple II - IMDb