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おとめ座ベータ星

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
おとめ座β星[1]
Beta Virginis
仮符号・別名 ザヴィヤヴァ[2], Zavijava[3][4]
星座 おとめ座
見かけの等級 (mv) 3.60[1]
分類 F型主系列星[1]
位置
元期:J2000.0[1]
赤経 (RA, α)  11h 50m 41.7154591479s[1]
赤緯 (Dec, δ) +01° 45′ 53.017231015″[1]
赤方偏移 0.000016[1]
視線速度 (Rv) 4.71 km/s[1]
固有運動 (μ) 赤経: 743.367 ミリ秒/年[1]
赤緯: -271.899 ミリ秒/年[1]
年周視差 (π) 89.9258 ± 0.5195ミリ秒[1]
(誤差0.6%)
距離 36.3 ± 0.2 光年[注 1]
(11.12 ± 0.06 パーセク[注 1]
絶対等級 (MV) 3.4[注 2]
β星の位置
物理的性質
半径 1.66 R[5]
質量 1.25 M[5]
自転速度 3 km/s[6]
スペクトル分類 F9V[1]
光度 3.51 L[5]
表面温度 6,140 K[5]
色指数 (B-V) +0.51[6]
色指数 (U-B) +0.11[6]
色指数 (R-I) +0.28[6]
金属量[Fe/H] 0.20[7]
年齢 28 - 47 億年[8]
他のカタログでの名称
おとめ座5番星[1]
BD+02 2489[1]
FK5 445[1]
Gaia DR2 3796442680947600768[1]
HD 102870[1]
HIP 57757[1]
HR 4540[1]
LTT 13264[1]
SAO 119076[1]
TYC 273-924-1[1]
2MASS J11504173+0145528[1]
Template (ノート 解説) ■Project

おとめ座β星 (おとめざベータせい、β Vir / β Virginis) は、おとめ座の方角にある恒星4等星

概要

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太陽よりも高温で大きく重いF型主系列星であり、金属量が高い。1973年のMorganとKeenanの研究[9]ではスペクトル分類「F9V」のスペクトル標準星に選ばれている。F型主系列星の中では最も晩期型のサブタイプに分類されており、F型主系列星とG型主系列星の境界に近い物性を持つ。

黄道にかなり近い位置にあるため、や時には惑星による掩蔽が観測される。次の惑星による掩蔽は、金星により2069年8月11日に起こる。

1922年9月21日の皆既日食の際、太陽近傍にあったこの恒星などを用いて、アルベルト・アインシュタインの一般相対性理論検証観測が 豪州で行われた。

系外惑星の探索

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Nelson & Angel (1998)によると[10]、おとめ座β星には2つか3つの木星型惑星褐色矮星が存在する可能性があるという。彼らによると、惑星の質量の上限はそれぞれ1.9、5、23木星質量で、軌道周期は15、25、50年である。またCampbell et al. 1988によっても[11]、おとめ座β星の周囲に惑星が存在することが予測された。しかし近年の研究によっても、惑星や矮星の存在は確認されていない。マクドナルド天文台のチームは、1つ以上の惑星が存在するとしたら、その質量は0.16から4.2木星質量、その平均軌道半径は0.05から5.2天文単位であると制限を設けた[12]

名称

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固有名のザヴィヤヴァ[2] (Zavijava) は、「al-ʿawwāʾ の一角」を意味する zāwiyat al-ʿawwāʾ というアラビア語に由来する[3]。これは本来γ星の名前とされたものが誤ってβ星の名前に使われるようになったものである[3]。β星、γ星、η星δ星ε星は、アラビアの月宿で第13番目 al-ʿawwāʾ とされているが、この al-ʿawwāʾ が何を指すのかは定かではない[3]。一説には「吠える犬」を指すともされている[13]。2016年8月21日、国際天文学連合の恒星の固有名に関するワーキンググループは、Zavijavaをおとめ座β星の固有名として正式に承認した[4]

フィクション

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脚注

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注釈

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  1. ^ a b パーセクは1 ÷ 年周視差(秒)より計算、光年は1÷年周視差(秒)×3.2615638より計算
  2. ^ 視等級 + 5 + 5×log(年周視差(秒))より計算。小数第1位まで表記

出典

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w Result for betVir”. SIMBAD Astronomical Database. CDS. 2018年7月17日閲覧。
  2. ^ a b 原恵『星座の神話 - 星座史と星名の意味』(新装改訂版第4刷)恒星社厚生閣、2007年2月28日、121頁。ISBN 978-4-7699-0825-8 
  3. ^ a b c d Paul Kunitzsch; Tim Smart (2006). A Dictionary of Modern star Names: A Short Guide to 254 Star Names and Their Derivations. Sky Pub. Corp.. p. 60. ISBN 978-1-931559-44-7 
  4. ^ a b IAU Catalog of Star Names”. 国際天文学連合. 2016年12月1日閲覧。
  5. ^ a b c d Carrier, F.; Eggenberger, P.; D’Alessandro, A.; Weber, L. (2005). “Solar-like oscillations in the F9 V β Virginis”. New Astronomy 10 (4): 315-323. doi:10.1016/j.newast.2004.11.003. ISSN 13841076. arXiv:astro-ph/0502014v1. 
  6. ^ a b c d 輝星星表第5版
  7. ^ Gehren, T. (1978). “On the chemical composition and age of Beta VIR”. Astronomy and Astrophysics 65 (3): 427-433. https://ui.adsabs.harvard.edu/abs/1978A&A....65..427G/abstract. 
  8. ^ Kaler, Jim (2007年). “Zavijava”. Stars: Portraits of Stars and their Constellations. 2016年12月1日閲覧。
  9. ^ Morgan & Keenan (1973). Annual Review of Astronomy and Astrophysics 11: 29. Bibcode1973ARA&A..11...29M. 
  10. ^ The Range of Masses and Periods Explored by Radial Velocity Searches for Planetary Companions
  11. ^ A search for substellar companions to southern solar-type stars
  12. ^ Detection Limits from the McDonald Observatory Planet Search Program
  13. ^ 近藤二郎『アラビアで生まれた星の名称と歴史 - 星の名前のはじまり』(初版)誠文堂新光社、2012年8月30日、32頁。ISBN 978-4-416-21283-7 

外部リンク

[編集]
  • Zavijah”. Alcyone. 2007年6月6日閲覧。