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ぎゃあ!!!リアル・モンスターズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ぎゃあ!!!リアル・モンスターズ(Aaahh!!! Real Monsters)は、アメリカ合衆国のテレビアニメ。クラスキー・クスポ制作。1994年10月29日から1997年12月6日まで放送された。全4シーズン、52話。

ニコロデオンで放送されているこの番組は、町のごみ捨て場の下にある学校に通い人間を脅かすための勉強をしている思春期のモンスターたちの生活を描いている。第4シーズンまでアメリカ合衆国のケーブルテレビで放送され、2006年までニックトゥーンズ(en:Nicktoons Network)で再放送が行われていた。多くの話におけるモンスターたちは、学校の宿題として表面的なところで人を脅かす修行をしている。この番組の舞台はニューヨーク市の近くにある、ニュージャージー州ニューアークにある最終処分場である[1]

制作

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このアニメは en:Gábor Csupóとピーター・ギャフニーがつくり[2]、クスポの会社であり、当時『ラグラッツ』やen:Duckmanの製作元として知られていたクラスキー・クスポが製作した[3][4]。最終的なタイトルが決定するまでに5年かかり、その間MonstersReal Monstersといった仮題で制作が進行していた[5][6][7]。クスポとその妻で仕事上のパートナーであるアーリーン・クラスキーはラグラッツに次ぐ新しい作品を作らないかとニコロデオンに持ちかけていた。自分の幼い子供たちがモンスターを愛していたため、クスポはそれにひらめきを得て脚本を書いた[8]。また、彼はほかの制作者たちが一様に動物を題材としたアニメの企画を出していたため、ニコロデオンが人間の登場するアニメの企画を気に入らないだろうということを知っていた。クスポは紙にモンスターの素描をいくつか描き、最終的にその番組の企画が通り、クスポは「キャラクターが利口になりすぎず、間抜けになるようにしました。そしたらうまくいきました。」と話している[9]

ニコロデオンのアニメで監督を務めたHerb Scannellは、このアニメのキャラクターデザインは、1968年に公開されたザ・ビートルズのアニメ映画『イエロー・サブマリン』に少々影響を受けたと話している[10][11]。実際、グロンブルはその映画に登場する悪役軍団ブルー・ミーニー英語版により近いデザインで生み出された[12]。また、クスポはフィルム・ノワールの要素を番組中に取り入れただけでなく、モンスターたちが住む最終処分場の背景が『ブレードランナー』(1982)や『未来世紀ブラジル』(1985)といった作品を思わせるようにしたと話している[10]

キャラクターたちは1999年に放送された『ラグラッツ』の第106話"Ghost Story"にゲスト出演しているが、これに先駆けクラム役のデヴィッド・エクレスはチャッキーのベッドの下から聞こえる怪物の声を当てた。

キャスティング

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このアニメにはこれまでにクラスキー・クスポの作品に携わったことのある声優やクラスキー・クスポの関係者が何人か出演した。たとえば、オブリナ役のクリスティン・カヴァナーは、『ラグラッツ』でチャッキーの声を当てた[13]。『ぎゃあ!!!リアル・モンスターズ』出演時、彼女はアグネス・ムーアヘッドを英国風にしたような演技をしようとした[14]。また、イッキス役のチャーリー・アドラーはラグラッツで音響監督を務めたことがある[15]。クラム役のデヴィッド・エクレスの妻ダイアナ・エクレスはクラスキー・クスポの施設管理人を務め、この番組ではプロデューサー補を務めた[16]。グロンブル役のグレッグ・バーガーは、クラスキー・クスポのテレビアニメ DuckmanでCornfed Pig役を務めた[17]

登場キャラクター

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モンスターたち

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イッキス(Ickis)
声 - チャーリー・アドラー/日本語版 - 中尾隆聖
この番組のメインキャラクター。体を大きくして人間を怖がらせることができるが、耳のせいでうさぎと間違えられる。初登場時は眼鏡をしていた。
オブリナ(Oblina)
声 - クリスティン・カヴァナー/日本語版 - 小宮和枝
裕福な家の育ちのモンスター。白と黒のキャンディケインのような姿をしている。
人間に悪夢を見させることが得意。
精神的にしっかりしており、イッキスらにとっては頼れる存在である一方、彼等の幼稚な行動に耐える一面もある。
クラム(Krumm)
声 - デヴィッド・エクレス/日本語版 - 桜井敏治
眼球が顔についておらず、両手で浮かしている。なお、眼球は口の中で保護することもできる。
高所恐怖症
ジンボ(Zimbo)
声 -ティム・カリー/小森創介
緑色の髪をした人間に近い生命体の頭をもつ哺乳類の足のついた蜂のような姿をしたモンスター。
グロンブル(The Gromble)
声 - グレッグ・バーガー/青森伸
モンスターたちの学校の校長。
ママ・グロンブル(Mama Gromble)
グロンブルの母親で、過保護なモンスター。
スリッキス(Slickis)
声 - Billy Vera
イッキスの父。

人間

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サイモン(Simon)
声 - ジェームズ・ベルーシ
自己中心的なモンスターハンター。収入源は不明。
ブラッドリー(Bradley)
声 - Brett Alexander
イッキスの友人たちの中でただ一人の人間。
バンドバン・ビッグフット
声 - アーサー・バーグハート/梁田清之

サブタイトル

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全エピソードの日本語版の出典[18][19]

Season 1(1994–1995)

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話数 邦題 原題
1 ハロウィン大騒動 The Switching Hour
2 モンスターなんていないよ
恐怖のスノーチ
Monsters, Get Real Snorched If
You Do, Snorched If You Don't
3 クラム家の呪い
クラムは映画スター
Curse Of The Krumm
Krumm Goes Hollywood
4 イッキス大変身
飛行機こわい
Monstrous Make-Over
A Wing And A Scare
5 クラムのオデキ
モンスターハンター
Krumm's Pimple
Monster Hunter
6 モンスターはモンスターらしく
ショッピングに行こう
Monsters Don't Dance
Gone Shopp'n
7 よぼよぼモンスター
グロンブルのママ
Old Monster
Mother, May I?
8 禁じられた遊び
合体モンスタークリッキス
Don't Just Do It
Joined At The Hip
9 笑って!オブリナ
ビッグウェーブ
Smile And Say Oblina
The Great Wave
10 イッキス大富豪になる
タマゴシッターへの道
Cold Hard Toenails
Attack Of The Blobs
11 イッキスのパパ
お化け屋敷の怪
Chip Off The Old Beast
The War's Over
12 モンスターはどこへ行った? Where Have All The Monsters Gone?
13 モンスター狩り
イッキスとテレビ
Simon Strikes Back
The Ickis Box

Season 2(1995)

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話数 邦題 原題
14 ダイナマイトイッキス
カターナの呪い
Spontaneously Combustible
Curse of Katana
15 モンスター発見!
人間操縦法
Monsters Are Real
This is Your Brain on Ickis
16 キャンプ大作戦
ビックリシャックリ症候群
Into the Woods
Krumm Gets the Dreaded Nolox
17 UFOを追え!
我がいとしの金髪
Mayberry UFO
I Dream of Snorch with the Long Golden Hair
18 海だよホイ!
南極へ行こう!
Garbage Ahoy
Goin' South
19 人間オブリナ
こんにちはワンちゃん
Monster Who Came in from the Cold
Puppy Ciao
20 ライバル登場
魔法の帽子
The Rival
Hats Off
21 呪われたオブリナ
クラム香水
O'Lucky Monster
Eau de Krumm
22 オペラ座の恐怖
木になったイッキス
Rosh-O-Monster
The Tree of Ickis
23 モンスターの歴史
恐怖、それはイッキス
History of the Monster World, Part 1
Fear Thy Name is Ickis
24 聖なるゴミバケツを探せ
ゴミゼロ週間
Quest for the Holy Pail
Garbage In, Garbage Out
25 迷子のお見通しマシーン
風船クラム
A Room with No Viewfinder
Krumm Rises to the Top
26 イッキスが6人
ビッグフットは落第生
The Five Faces of Ickis
Bigfoot, Don't Fail Me Now

Season 3(1996)

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話数 邦題 原題
27 満月祭り
サイモンの逆襲
Festival of the Festering Moon
Simon's Big Score
28 脳みそを追え!
ギャングモンスター
Who'll Stop The Brain?
Cement Heads
29 新型おどかし術
モンスター昔話
Ickis and the Red Zimbo
Oblina and the Three Humans
30 可愛いベイビー
愉快なモンスター
Baby It's You
Monsters Are Fun
31 グロンブルの暗い過去
愚か者の船
Out of the Past
Ship of Fools
32 さまよう目玉
モンスターの上流階級
Eye Full of Wander
Lifestyles of the Rich and Scary
33 クラムに頭をのせて
熊のカルドス
Krumm Gets Ahead
It's Only a Movie
34 モンスターは二度おどかす
ゴミためで宝探し
You Only Scare Twice
Less Talk, More Monsters
35 真夜中の決闘
イッキスの恋
Fistful of Toenails
Blind Love, Monster Love
36 アンファーグのお守り
けっこう毛だらけ
Amulet of Enfarg
Bad Hair Day
37 モンスターブルース
スノーチの声が聞こえる
Monster Blues
I Heard the Snorch Call My Name
38 夢遊病イッキス
おどかすならペアで
Wake Me When It's Over
Things That Go Bump In the Night
39 教師失格?
お泊まり脅かし会
The Master Monster
Slumber Scare

Season 4(1997–1998)

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話数 邦題 原題
40 サイモン世紀の対決
パーフェクトワールド
Battle of the Century
A Perfect World
41 モンスターVSロブスター
盗まれた唇
The Lips Have It
Escape Claws
42 時には人間のように
真実の友
Walk Like a Man
A Friend in Need
43 催眠モンスター
オブリナの片思い?
Watch the Watch
She Likes Me?
44 反逆児オブリナ
ピカピカイッキス
Oblina Without a Cause
Slick Ick
45 ミュータントモンスターズ?
ネッシー登場
Nuclear and Present Danger
Loch Ness Mess
46 スーパーイッキス
代理教師スクリッチ
Super Ickis
The Substitute
47 大脱走
クラハムは四つ目?
The Great Escape
Beast with Four Eyes
48 新ペア誕生
楽々おどかしキット
Side by Side
Hooked on Phobics
49 スパイVS.モンスター
恋するグロンブル
Spy vs. Monster
Misery Date
50 時間よ戻れ!
人喰い鬼のグロンブルスープ
Clockwise
Gromble Soup
51 対決
ミクロの決死隊
Showdown
Internal Affairs
52(終) クラムよ笑え
いつまでも一緒に
Laugh, Krumm, Laugh
Rookie Monsters

日本語版制作スタッフ

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[18][19]

  • 翻訳 - 嶋田美樹、尾崎順子、塩野さら
  • 演出 - 中島裕(第8話まで)、高田浩光(第9話以降)
  • プロデューサー - 里口千(第8話まで)、赤松立太(第9話以降)
  • 日本語版制作 - テレシス

関連項目

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脚注

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  1. ^ エピソードMonstrous Makeoverより。
  2. ^ Beck, Jerry; Nickelodeon Brand Group (2007). Not Just Cartoons: Nicktoons!. New York: Melcher Media. ISBN 978-1-59591-043-1. LCCN 200--734 
  3. ^ Prescott, Jean (October 28, 1994). “Check in on celebs on 'Naked Cafe'”. Sun Herald: p. 14 
  4. ^ Mendoza, N.F. (September 2, 1994). “Kids' TV heavy on super-heroes keep – Keep an eye out this fall for 'Little Lulu,' 'Felix the Cat' and 'Alex Mack'”. Portland Press Herald: p. 4C 
  5. ^ Warner, Fara (January 31, 1995). “Nick Rock(o)s licensing boat”. Brandweek (Adweek) 35 (5): 3. ISSN 1064-4318. 
  6. ^ “News & Notes – MTV Networks Plan Animation Sensation”. Los Angeles Daily News: p. L20. (January 31, 1994) 
  7. ^ “NBC special examines Menedez trials”. St. Petersburg Times: p. 6B. (February 1, 1994) 
  8. ^ Graham, Jefferson (February 7, 1995). “Animators' own little angels inspire 'Monsters'”. USA Today: p. 3D 
  9. ^ Sokolsky, Bob (November 21, 1994). “Davies gets into flow of vampire role”. The Press-Enterprise: p. A09 
  10. ^ a b Mendoza, N.R. (October 30, 1994). “Nickelodeon offers monsters in training”. Los Angeles Times. オリジナルのAugust 24, 2011時点におけるアーカイブ。. https://webcitation.org/61AWE1JSE August 24, 2011閲覧。 
  11. ^ Feran, Tom (October 29, 1994). “Fake meteor barrage is in 'War of Worlds' style”. The Plain Dealer: p. 8E 
  12. ^ Roush, Matt (October 28, 1994). “PBS' 'Dead' is a goner; 'Monsters' makes a splash – Anne Rice bio 'Vampire' goes right for the jugular”. USA Today: p. 3D 
  13. ^ “Work pays off with top roles as voice-over”. Deseret News: p. W1. (August 25, 1995) 
  14. ^ Moore, Scott (July 21, 1996). “Out of the mouth of Babe”. The Washington Post: p. Y6 
  15. ^ Wilson, Amy (November 24, 2002). “Invisible celebrity –”. The Orange County Register: p. 1 
  16. ^ “Diana F. Eccles, 41 – formerly of the area”. North Adams Transcript. (November 29, 2000) 
  17. ^ Littlefield, Kinney (March 11, 1995). “Gregg Berger's 'Duckman' role makes it easy to hog attention”. The Orange County Register: p. F04 
  18. ^ a b ぎゃあ!リアル・モンスターズ - 脚本データベース”. 文化庁. 2023年10月1日閲覧。
  19. ^ a b ぎゃあ!リアル・モンスターズ - 脚本データベース”. 文化庁. 2023年10月1日閲覧。

外部リンク

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