くりはら田園鉄道KD95形気動車
くりはら田園鉄道KD95形気動車 | |
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KD951(2006年) | |
基本情報 | |
運用者 | くりはら田園鉄道 |
製造所 | 富士重工業[1] |
製造初年 | 1994年[1] |
製造数 | 3両 |
運用開始 | 1994年4月1日[2] |
廃車 | 2007年3月31日[3] |
主要諸元 | |
軌間 | 1,067 mm |
車両定員 |
103名 (座席44名)[4] |
自重 | 26.7 t[4] |
全長 | 16,500[4] mm |
全幅 | 3,095[4] mm |
全高 | 4,090[4] mm |
床面高さ | 1,300 mm |
車体 | 普通鋼 |
台車 |
枕ばね:上枕空気ばね 軸箱支持:軸ばね式 FU34HD/T[5][4] |
車輪径 | 762 mm[6] |
固定軸距 | 1,800 mm[6] |
台車中心間距離 | 11,000 mm |
機関 | 日産ディーゼルPE-6HT[4] |
機関出力 | 184 kW (250 PS) / 1,900 rpm[4] |
変速機 | 液体式(SCR0.91A)[7][4] |
変速段 | 変速2段・直結1段[7] |
制動装置 | 応荷重付SME[7] |
くりはら田園鉄道KD95形気動車(くりはらでんえんてつどうKD95がたきどうしゃ)は、1994年(平成6年)12月に栗原電鉄の電化廃止に備えて3両が製造されたくりはら田園鉄道の気動車である[2][1]。2007年(平成19年)3月31日の路線廃止まで使用[3]され、廃止後は若柳駅跡で2両が動態保存されている[8]。
概要
[編集]栗原電鉄の経営合理化のため、1995年(平成7年)4月に電化を廃止し、社名をくりはら田園鉄道に変更することが計画され、電化廃止後の旅客輸送用に名古屋鉄道キハ10形を譲受したKD10形2両と共に使用されるため、1994年(平成6年)12月に3両が製造された[2][7]。16 m級車体、セミクロスシート、ワンマン運転対応の気動車で、地域の観光のシンボルとなるようカンテラ風の前照灯に加え、車内に不燃加工をした木材を多用するなど意匠がこらされた[7]。2007年(平成19年)3月31日の路線廃止まで使用[3]され、廃止後は若柳駅跡で2両が動態保存されている[8]。
車体
[編集]富士重工業製の軽快気動車をベースとするが、カンテラ風の前照灯が正面中央屋根上に設けられている[2][7]。正面貫通構造の両運転台式である[7]。有効幅900 mmの客用扉が片側2か所、車体両端に寄せられて設けられた[7]。ワンマン運転対応のためデッキは設けられなかった[7]。運転席は左隅半室式で、乗務員扉を備えるが、進行方向向かって右側には乗務員扉はない[7]。中央部に4人掛け3組、2人掛け3組のボックスシートを備えるほかはロングシートのセミクロスシートで、床や座席枠には不燃加工を施した木材が使われている[7]。側窓は上段固定、下段上昇の2段式である[7]。整理券発行機、運賃箱が設置されたが、使用しないときは施錠できる構造とされた[7]。
走行装置
[編集]エンジンは日産ディーゼル工業製PE-6HT(184 kW / 1,900 rpm)を1基搭載、7段階の速度指令によって燃料噴射量が調整され[7][4]、動力は変速2段・直結1段のシンコウSCR0.91A変速機を介して台車に伝達される[7]。前位側台車は2軸駆動の動台車FU34HD、後位側は従台車FU34HTで、いずれもインダイレクトマウントの空気ばね、ボックスペデスタル式[7][4]。制動装置は応荷重付SME[7]で、機関ブレーキ、排気ブレーキを併用する[9]。ATSは準備工事のみとされた[7]。
空調装置・電気装置
[編集]冷房装置は機関直結式、能力27.9 kW(24,000 kcal/h)のBCU-50 1機が搭載された[7][4]。暖房装置は機関排熱を利用した温風式である[7]。テープによる自動放送装置が設けられたが、乗務員によって車内外に放送することもできる[7]。非常通報装置、非常停止用ボタンが客室に設置された[7]。
車歴
[編集]車両番号 | 製造 | 廃車 |
---|---|---|
951 | 1994年12月[1] | 2007年3月 |
952 | 1994年12月[1] | 2007年3月 |
953 | 1994年12月[1] | 2007年3月 |
運用
[編集]電化が廃止された1995年(平成7年)4月1日から路線が廃止された2007年(平成19年)3月31日までくりはら田園鉄道線石越駅 - 細倉マインパーク前駅で運用され、廃止後は若柳駅跡でKD951、KD953の2両が動態保存されている[8]。
出典
[編集]参考文献
[編集]雑誌記事
[編集]- 『鉄道ピクトリアル』通巻612号「新車年鑑1995年版」(1995年10月・電気車研究会)
- 藤井 信夫、大幡 哲海、岸上 明彦「各社別車両情勢」 pp. 86-101
- 鉄道ピクトリアル編集部「くりはら田園鉄道(栗原電鉄) KD95形」 pp. 105
- 「民鉄車両諸元表」 pp. 182-184
- 「1994年度車両動向」 pp. 184-196
- 『鉄道ピクトリアル』通巻658号「<特集> レールバス」(1998年9月・電気車研究会)
- 高嶋修一「第三セクター・私鉄向け軽快気動車の系譜」 pp. 42-55
- 『レイルマガジン』通巻230号付録(2002年11月・ネコ・パブリッシング)
- 岡田誠一「民鉄・第三セクター鉄道 現有気動車ガイドブック2002」 pp. 1-32
- 『鉄道ピクトリアル』通巻795号「新車年鑑2007年版」(2007年10月・電気車研究会)
- 岸上 明彦「2006年度民鉄車両動向」 pp. 116-141
Web資料
[編集]- “旧くりはら田園鉄道 若柳駅 保存車両・施設の紹介”. 栗原市. 2017年2月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年1月29日閲覧。