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さいだん座ミュー星d

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
さいだん座μ星d
mu Arae d
星座 さいだん座
分類 太陽系外惑星
(木星型惑星)
発見
発見日 2006年8月5日
発見者 Goździewski ら
Michel Mayor, Francesco Pepe
発見場所 チリの旗 チリ
発見方法 ドップラー分光法
現況 公表
軌道要素と性質
軌道長半径 (a) 0.9210 au[1]
(1.3778×108 km)
近点距離 (q) 0.8597 au
(1.2861×108 km)
遠点距離 (Q) 0.9823 au
(1.4696×108 km)
離心率 (e) 0.0666 ± 0.0122[1]
公転周期 (P) 310.55 ± 0.83[1]
(0.8502 年)
近点引数 (ω) 189.6 ± 9.4 °[1]
前回近点通過 JD 2452708.7 ± 8.3[1]
準振幅 (K) 14.91 ± 0.59 m/s[1]
さいだん座μ星の惑星
恒星
視等級 +5.15[2]
スペクトル分類 G3IV - V[2]
質量 1.08 ± 0.05 M[2]
半径 1.245 ± 0.255 R[2]
表面温度 5700.0 ± 100.0 K[2]
金属量 [Fe/H] 0.28 ± 0.04[2]
年齢 64.1億年[2]
位置
赤経 (RA, α)  17h 44m 08.7s
赤緯 (Dec, δ) −51° 50′ 03″
距離 49.9 光年
(15.3 pc[2])
物理的性質
下限質量 0.5219 MJ[1]
(165.9 M[1]
他のカタログでの名称
HD 160691 d, さいだん座μ星e[注 1]
Template (ノート 解説) ■Project

さいだん座μ星d(さいだんざミューせいd、Mu Arae d)またはHD 160691 dは、さいだん座μ星の周囲を公転する太陽系外惑星である。国際天文学連合 (IAU)が定めている正式名称はRocinante (発音:[ˌrɒsəˈnænt])である。

特徴

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木星質量の半分程度で、主星から0.921天文単位の距離を310.55日かけて公転している。主星から受ける紫外線の量は地球が太陽から受ける量と同程度であるが、主星から近いため、表面に液体の水を留めておくことはできない[3]。さらに質量から、この惑星は地表が岩石ではなくガスから成る木星型惑星であると考えられている。

名称

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2014年7月、国際天文学連合 (IAU)は存在が確定している太陽系外惑星とその恒星に正式名称を与えることを企画した[4]。その過程には一般の人々からのノミネートや投票などもあった[5]。最終的に、2015年12月にIAUはこの惑星の名称がRocinanteに決定されたことを発表した[6]。この名称はスペインのPamplona天文台によって投稿された名前である。Rocinanteの由来は小説ドン・キホーテに登場する馬ロシナンテに由来する[7]

さいだん座μ星dかeか

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この惑星は天文学者によって現在でもさいだん座μ星eと呼ばれることがある。例えば、NASA Exoplanet Archiveではさいだん座μ星eが軌道長半径約0.9 auであることから当惑星を指す。さいだん座μ星惑星系には4つの惑星が見つかっているが、それぞれ公転周期が638日,9.6日,310日,4200日である。Gozdziewskiらは発見された順に638日,4200日,9.6日,310日の順にb,c,d,eと名付けた[8]。しかし、対してPepeらは公転周期4200日の惑星が発見当時はまだ惑星の存在の確定には早計であると考え、確定してから符号を付けたため、638日,9.6日,310日,4200日の順にb,c,d,eと名付けた[9]。当惑星は公転周期310日であるため、GozdziewskiらのeとPepeらのdがそれに該当する。現在はIAUもPepeらの命名方法を使用している[10]ため、Pepeらの方法が使われる傾向にある。

脚注

[編集]

注釈

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  1. ^ 名称節を参照

出典

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  1. ^ a b c d e f g h F Pepe; A. C. M. Correia; M. Mayor; O. Tamuz; J. Couetdic; W. Benz; J.-L. Bertaux; F. Bouchy et al. (2007). “The HARPS search for southern extra-solar planets. VIII. μ Arae, a system with four planets”. アストロノミー・アンド・アストロフィジックス 462 (2): 769–776. Bibcode2007A&A...462..769P. doi:10.1051/0004-6361:20066194. 
  2. ^ a b c d e f g h Planet mu Ara d”. 太陽系外惑星エンサイクロペディア (2015年5月5日). 2019年7月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年4月19日閲覧。 ※当出典は発見の項目が2004年となっているが、これは名称節で述べた通りdとeの2通りの表記があるため、さいだん座μ星eと間違えて記載されたものであると思われる。
  3. ^ Buccino, A. et al. (2006). “Ultraviolet Radiation Constraints around the Circumstellar Habitable Zones”. Icarus 183 (2): 491 – 503. Bibcode2005astro.ph.12291B. doi:10.1016/j.icarus.2006.03.007. 
  4. ^ NameExoWorlds: An IAU Worldwide Contest to Name Exoplanets and their Host Stars”. IAU (2014年7月9日). 2020年3月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年4月19日閲覧。
  5. ^ The Process”. IAU (2015年8月7日). 2015年8月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年4月19日閲覧。
  6. ^ Final Results of NameExoWorlds Public Vote Released”. IAU (2015年12月15日). 2020年2月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年4月19日閲覧。
  7. ^ The approved names”. IAU (2015年12月15日). 2015年12月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年4月19日閲覧。
  8. ^ Gozdziewski, K.; et al. (14 August 2006). "About the extrasolar multi-planet system around HD160691". arXiv:astro-ph/0608279v1
  9. ^ Pepe, F.; et al. (18 August 2006). "The HARPS search for southern extra-solar planets. IX. μ Ara, a system with four planets". arXiv:astro-ph/0608396v1
  10. ^ NameExoWorlds mu Arae”. IAU. 2017年4月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年4月19日閲覧。

座標: 星図 17h 44m 08.7s, −51° 50′ 03″