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つえ屋

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
株式会社つえ屋[1]
つえ屋 丸太町本店
種類 株式会社[1]
略称 つえ屋
本社所在地 日本の旗 日本
604-0087
京都府京都市中京区丸太町通西洞院西入ル横鍛冶町114[1][2]
設立 2006年平成18年)
業種 その他製品
法人番号 5130001032165 ウィキデータを編集
事業内容 杖・ステッキの開発製造及び販売[2]
代表者 坂野寛(代表取締役)[2]
資本金 1000万円[2]
売上高 210百万円(2017年8月期)[2]
従業員数 12人[2]
決算期 8月[2]
関係する人物 坂野寛(創業者)[2]
外部リンク http://www.e-104.info/
特記事項:KYOTO CREATIVE INDUSTRY(京都商工会議所)[3]、オスカー認定企業[4]
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株式会社つえ屋(つえや)は、京都府京都市中京区丸太町通に本拠を置き、だけに特化した製造・販売を行う企業。

日本初の「杖専門店」を開店。全国に直営店を11店舗を展開するほか、デパートなどでの催事販売や販売車による移動販売とインターネット販売を行っている。(つえ屋 通販ショップ・ZIZITOWN つえ屋ショップ)「天国のつえ」の開発、世界初となる移動販売車による杖の販売など、そのユニークなビジネスモデルが多くのマスメディアで注目されている[1][5][4][6][7]。2019年10月より、KBS京都ラジオ「つえ屋つえだけ ステッキトーク」にてパーソナリティを担当、毎週月曜夜に放送中である。

概要

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創業から現在まで

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2000年より介護用の住宅リフォームなどを手掛けていた創業者坂野寛が、2006年「誰もやっていない事業を」と京都市中京区で「杖専門店」を創業したことに始まる。

当初はファッション性に重点を置いた杖を販売していたが、2009年に坂野自身が目の難病を患ったことを契機に、杖が「体だけを支えるだけではなく、心も支える」と知ったことで使い手のニーズを重視した商品開発に取り組むようになったことと在庫と種類の豊富さから競争が生まれにくくなったことで業績を伸ばし、2019年現在京都市内6店舗のほか東京大阪など全国に11店舗を展開する。各店舗には杖の専門知識を持つ杖コンシェルジュを配する[8][9]百貨店での催事販売は全国で年150回程度開催や全国約300店舗の調剤薬局での委託販売[2]のほか、中国台湾シンガポールなど海外でも行う。店舗運営法として改装費を極力抑え店舗によっては営業日数を限るなどの効率的な運営で高い利益率を上げ、欧米や中国などへの進出も視野に入れている[10]

製造委託や輸入では欧米、中国、南米など40か国と取引がある[11][12]

常時在庫を9,000種類180,000本を取りそろえ、京蒔絵師下出祐太郎による蒔絵を施した美術工芸品としての価値も持つ高級杖をはじめ[13][14]京セラとの協業による人工宝石の装飾[11]螺鈿細工、京都の伝統工芸士による漆塗り[9][15]、登山者にも需要が多い折り畳み式[16]、傘に見えるカムフラージュ杖、階段昇降に便利な階段式杖[17]、坂野が東日本大震災の被災者らが不便を強いられていることを知ったことがきっかけで開発されたLEDライトを内蔵したもの[18][19][20][21]など多彩なバリエーションを持ち、坂野自身がデザインも行い、持ち手部分だけでも400種類を備える[10][22][23][24][25][26]。また、同社製品は同社が介護用品を扱っていた実績から安全性にも高い配慮がなされている[20]

同社は2009年より10年連続で売上プラスを達成しており、セグメント別売上構成ではイベント催事50%、店頭販売35%、ネット販売6.5%、薬局販売5%、移動販売3.5%となっている(矢野経済研究所調べ)。また、在庫を倉庫ではなく店舗で管理するという発想と店舗をドミナント展開することで囲い込みにつながり、商品がうまく回転しているとされる[2]。同社製品は公益財団法人京都産業21の「京都のええもん」にも選定された[27]

移動販売

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2013年から取り組んでいる販売方法で、移動販売車による、さお竹売りを模した「つえ屋ー、つえだけー」の「流し」営業でも知られ、自ら店舗に赴くことが困難な高齢者の会合や入居施設、障害者らの自宅への出張販売も行い、1回の移動販売で35-40万円の売上げがあるという。ネット通販同様、専用車が街中を走ることで知名度アップ、認知度アップの一環となっている[2][11][28][29][30]

沿革

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  • 2000年 - 京都市西京区で「介護住宅改造センター」設立[11]
  • 2006年 - 9月「つえ屋」丸太町店開店。日本初の「杖専門店」であった[2][31][32]。同年10月、「つえ屋」にて登録商標取得[11][33][34][35]。当初、月商50万程度しかなく創業者坂野は経営難の重圧や過労から視力が落ち重度の障害に。しかし、視覚障がい者のリハビリテーションセンターで多くの視覚障がい者らが必死に明るく生きる姿を見たことで考えが一変。利用者の声をくみ上げ商品開発を行うようになり、急激に業績が上向く[36][37]
  • 2007年 - 「サライ大賞」サービス部門受賞[2]
  • 2008年 - 社名を株式会社つえ屋に[4]。1月より百貨店催事販売開始[2]
  • 2016年 - 春より杖の移動販売を全国展開する[29]
  • 2019年 - 12月、クラウドファンディングを実施。多数の支援者を得る。(階段式杖)
  • 2022年 - 10月「杖美術館」つえ屋丸太町新本店をオープン。

政策支援

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  • 2008年 - 平成20年度 経営革新承認制度(京都府)
  • 2013年 -
    • 平成25年度 京都府中小企業「知恵の経営」実践モデル企業認証制度(京都府)
    • 平成25年度 創造的文化産業(クリエイティブ産業)モデル企業選定(京都商工会議所)
  • 2015年 -
    • 平成27年度 経営革新承認制度(京都府)
    • 平成27年度 オスカー認定制度(京都市)
    • 平成27年度 京都文化ベンチャーコンペティション(京都府、近畿経済産業局賞)
    • 平成27年度 ベンチャープラザファンド(中小機構)
  • 2018年 -
    • 平成30年度 京都府元気印中小企業認定制度(京都府)

[2]

店舗

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  • 丸太町本店
京都市中京区丸太町通釜座南西角梅屋町171 (丸太町府庁前交差点南西角)
  • 祇園店
京都市東山区四条通東大路下ル西側
  • 新京極店
京都市中京区新京極通三条下ル東側[38]
  • 東山冷泉店
京都市左京区東大路冷泉東南角
  • 錦高倉店
京都市下京区四条通高倉西入立売西町79番地(大丸京都店7階)
  • 東京新宿店
東京都新宿区西新宿1-1-4(京王百貨店新宿店4階)
  • 大阪阿倍野店
大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43(あべのハルカス近鉄本店ウイング館5階)


([1]より)

メディア出演

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[出典[39]]

テレビ

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ほか

ラジオ

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出典・脚注

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  1. ^ a b c d e つえ屋 公式サイト - 会社概要”. 2019年4月1日閲覧。[リンク切れ]
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 矢野経済研究所 ヤノニュース 2017年5月号
  3. ^ KYOTO CREATIVE INDUSTRY公式サイト”. 2019年4月1日閲覧。
  4. ^ a b c ASTEM NEWS No.74
  5. ^ 日刊ケイザイ 2018年10月1日「パワフル関西」503
  6. ^ 朝日新聞 2017年7月5日夕刊「となりの人間国宝さん - まだまだ勝手に関西遺産」
  7. ^ 月刊『エルダリープレス』2018年3月号「この人に聞く」
  8. ^ 日経産業新聞 2016年4月15日17面「京都発 輝く - つえ屋
  9. ^ a b サライ』2012年11号(小学館
  10. ^ a b 京都新聞 2018年3月9日朝刊13面「つえだけ扱う「つえ屋」躍進 超高齢化社会のニーズつかむ」
  11. ^ a b c d e 京都新聞 2012年10月1日朝刊「ベンチャーGOGO! 品数豊富 販売方法に工夫」
  12. ^ 讀賣新聞 2018年3月20日「目を患い客の気持ち知る」
  13. ^ 京都新聞 2016年5月25日 13面
  14. ^ 公益財団法人京都産業21「京都のええもんカタログ」2016、2018年度版
  15. ^ 産経ニュース「つえ」最初は抵抗あるけど…活動範囲広がります 2017.11.15 09:40”. 2019年4月1日閲覧。
  16. ^ 『Our Age 大人ビューティ 京美人のヒミツ』(集英社 2015年8月12日)
  17. ^ 高齢者住宅新聞 2018年5月2日
  18. ^ 神戸新聞 2016年3月19日夕刊2面「おしゃれつえシニア演出」
  19. ^ 朝日新聞 2011年9月19日「夜も光る安心 光るつえ」
  20. ^ a b サライ』2016年4号(小学館
  21. ^ 産経新聞 2007年2月21日「豊富な種類、奥深い杖の世界」
  22. ^ 京都知恵産業フェア2018 - New Style Selection By Kyoto”. 2019年4月1日閲覧。[リンク切れ]
  23. ^ 朝日新聞デジタル - 天国でも杖で歩き回って 京都の専門店が納棺可能な商品 2018年2月19日07時05分”. 2019年4月1日閲覧。[リンク切れ]
  24. ^ 産経ニュース - つえ・眼鏡・本…遺品を棺に入れたいけれど 環境問題で制限多く2017.12.13 12:10”. 2019年4月1日閲覧。
  25. ^ 産経新聞 THE SANKEI NEWS 【Happy! Kyoto Life】杖が支えるのは体だけじゃない…2018.3.23 15:20”. 2019年4月1日閲覧。
  26. ^ 産経新聞 2017年11月28日夕刊「環境に配慮、葬儀用木製つえも」
  27. ^ 京都産業21の「京都のええもん」カタログ”. 2019年4月1日閲覧。
  28. ^ 日経トレンディ - 「つえ屋~つえだけ~」の声で回るつえの移動販売が人気 2012年03月23日”. 2019年4月1日閲覧。[リンク切れ]
  29. ^ a b 日本経済新聞 朝刊 - 杖の移動販売、全国で 専門店「つえ屋」、今春から FC方式、専用車も販売 2016/2/22付”. 2019年4月1日閲覧。
  30. ^ 日本経済新聞 2016年2月22日「杖の移動販売全国へ」
  31. ^ 産經新聞 2018年1月18日「歩行支える"つえ業界の開拓者"」
  32. ^ 毎日新聞 2018年1月31日「京の人 今日の人」坂野寛さん
  33. ^ 家庭画報 (2007年9月号 世界文化社)「粋なデザインが豊富な1200種類、1万本を越えた杖専門店」
  34. ^ 京都新聞電子版 2007年5月23日「デザイン多彩 つえ人気」中京の専門店 高齢者中心に
  35. ^ 産経新聞 2013年6月21日夕刊「高齢者グッズ 華やかど派手に」
  36. ^ 『理念と経営』2014年5月号20P
  37. ^ 日刊ケイザイ 2018年6月18日「私利私欲から"公利公欲"へ」株式会社つえ屋 坂野寛
  38. ^ 京都新聞 2017年8月28日夕刊「変なおじさん新京極に笑い」
  39. ^ 株式会社つえ屋公式サイト”. 2019年4月1日閲覧。[リンク切れ]

外部リンク

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