ところにより、雨
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ところにより、雨 | |
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作者 | 赤川次郎 |
国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
ジャンル | 短編小説 |
発表形態 | 雑誌掲載・単行本・文庫 |
初出情報 | |
初出 | 『オール読物』 1977年 |
シリーズ情報 | |
前作 | 凍りついた太陽 |
次作 | 善人村の村祭 |
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『ところにより、雨』(ところにより、あめ)は、赤川次郎による日本の短編小説。1977年(昭和52年)に雑誌掲載された(出版は1978年6月)本格推理小説である。
宇野警部と女子大生の夕子を主人公にした「幽霊シリーズ」の一つ。赤川の最初期の作品でまだジュブナイル(ヤングアダルト向け)要素は薄く、シリーズ中でも特に本格色が強い。
あらすじ
[編集]晴れた日に都内のT大学の地下書庫へ通じる階段の下で、研究生・青木の死体が発見される。なぜか遺体は傘を持ち、ゴム長靴を履き、レインコートを着ていた。第二(助手・中野)・第三(大学理事・川島未亡人)の事件も他の場所で連続して起きるが、やはり雨でもないのに傘を持ち、長靴を履いて、レインコート姿だった。宇野刑事と大学生・夕子の幽霊コンビが謎に挑む。
登場人物
[編集]- 宇野喬一 - 「幽霊コンビ」と呼ばれる主人公二人組。警視庁捜査一課の警部。
- 永井夕子 - 同。今どきの快活な女子大生。
- 原田刑事 - 宇野の部下。だみ声の刑事。
- 青木研究員 - T大学文学部の院生。傘・レインコート・長靴を大学の書庫に置き傘(雨具)していた。
- 青木治子 - 亡くなった青木の妻。青木とは同じ研究室に所属していた。黒いワンピースで小柄な体。宇野曰く喪服が唆るとの寸評。
- 中野助手 - 同じくT大学文学部の川島研究室の助手。第二の被害者。やはり雨具三点を着用して死んでいた。
- 川島教授 - 同研究室の助教授[1][2]。端正な顔でやや長髪で上品な雰囲気。女子学生に人気。
- 川島芳子 - 川島教授の養母。夫(川島教授の父)は既に他界している。実業家だった先代のひとり娘でまだ若く美しい。大変な金持ちでT大学の理事。着ていたレインコートも傘も長靴も見るからにいたって高級品。
提示される謎
[編集]- 連続殺人(本命のターゲットは誰か)
- ホワイ・ダニット(なぜ被害者はみな雨支度なのか)
映像化
[編集]1981年4月11日、テレビ朝日系「土曜ワイド劇場」』で「幽霊シリーズ」第五話『迷探偵コンビ潜入せよ!幽霊学園祭』として放送された[3]。
配役
[編集]書誌情報
[編集]- 「ところにより、雨」『オール読物』1977年10月号 文藝春秋
- 『幽霊列車』(第四話 ところにより、雨)1978年6月 文藝春秋(単行本)
- 『幽霊列車』(ところにより、雨)1981年8月 文春文庫
- 『幽霊列車』(ところにより、雨)2016年1月 文春文庫【新装版】 山前譲 解説 ISBN 978-4-790-530-9
脚注
[編集]- ^ 2007年4月1日の学校教育法改正施行により、現在は「准教授」と変わる。
- ^ “資料2-3 大学等の教員組織の整備に係る学校教育法の一部を改正する法律等の施行について(通知):文部科学省”. www.mext.go.jp. 2023年12月10日閲覧。
- ^ 石上三登志は、本シリーズを土曜ワイド劇場の傑作群として高く評価している(石上三登志責任編集『季刊 映画宝庫』『ヨミスギ氏の奇怪な冒険 フィクションエッセイ』ほか)。