どこの家にも怖いものはいる
どこの家にも怖いものはいる | ||
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著者 | 三津田信三 | |
イラスト | 谷川千佳 | |
発行日 |
単行本:2014年8月10日 文庫版:2017年6月22日 | |
発行元 | 単行本・文庫版:中央公論新社 | |
ジャンル | ホラー | |
国 | 日本 | |
言語 | 日本語 | |
形態 |
単行本:四六判上製本 文庫版:文庫判 | |
ページ数 |
単行本:368 文庫版:360 | |
次作 | わざと忌み家を建てて棲む | |
公式サイト |
単行本:どこの家にも怖いものはいる 単行本 中央公論新社 文庫版:どこの家にも怖いものはいる 文庫 中央公論新社 | |
コード |
単行本:ISBN 978-4-12-004637-7 文庫版:ISBN 978-4-12-206414-0 | |
ウィキポータル 文学 | ||
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『どこの家にも怖いものはいる』(どこのいえにもこわいものはいる)は、三津田信三による日本のホラー小説。
単行本は、2014年8月10日に中央公論新社より書き下ろしで刊行された。文庫版は、2017年6月22日に中公文庫より刊行された。単行本・文庫版ともに、装幀は鈴木久美が、装画は谷川千佳が担当している[1]。2017年には、姉妹編『わざと忌み家を建てて棲む』が刊行されている[2]。
あらすじ
[編集]序章
[編集]ホラーミステリ作家の〈僕〉は、愛読者である三間坂と、神保町の喫茶店〈エリカ〉などで会って話をするようになる。あるとき、三間坂は、「まったく関係のない2つの怪談なのに、どこか妙に似ていると感じられる話がある」という。
1つ目の話 向こうから来る 母親の日記
[編集]大佐木夫人は、新築で一戸建ての広い家に、夫と長女の夏南と暮らしている。夏南の部屋の壁紙を、牧場の風景が描かれたものにしたが、夏南はそれが気に入ったらしく、喜んでいる。そんなある日、夫人は、夏南が子ども部屋の壁に向かって、ひとり言を口にしているのを目にする。
2つ目の話 異次元屋敷 少年の語り
[編集]ある日、鉋太は、学校からの帰り道で、晨鶏(しんけい)屋敷と呼ばれる屋敷の近くにある〈祈願の森〉で友達と遊んでいた。しかし、なぜかみんな帰ってしまい、1人残された鉋太は、髪の長い女の人と会う。
3つ目の話 幽霊物件 学生の体験
[編集]〈俺〉は、受かった大学に通うために、〈門沼ハイツ〉というアパートに引っ越した。家賃のほかに敷金や礼金まで安かったが、不思議に思ったりすることはなかった。しばらくして、〈俺〉は、夜中に屋根の上で奇妙な物音がするのを耳にする。
4つ目の話 光子の家を訪ねて 三女の原稿
[編集]沙緒梨は、光子に連れ出された慎也を助け出すために、〈光子の家〉へ行く。家の中には、妙な文言が書かれた紙が各所に貼られてあり、複雑な気分になりながらも、沙緒梨は、しんとした屋内を、慎也を探して歩き回る。
5つ目の話 或る狂女のこと 老人の記録
[編集]これは、〈筆者〉が祖母からきいた話である。某村で勢力を誇っていた某家の当主の妹である亀代子が、蔵の中で女の子を産んだ。その女の子は、幼い頃に、何とも奇妙な〈独り言〉を発するのだった。
終章
[編集]〈僕〉は、三間坂と新宿のとある割烹で会い、5つの話について話し合い、5つの別々の話なのに奇妙な類似性が感じられる理由について、ある解釈を行う。
登場人物
[編集]- 〈僕〉
- ホラーミステリ作家。『ホラー作家の棲む家』でデビュー。
- 三間坂秋蔵(みまさか しゅうぞう)
- 河漢社(かかんしゃ)の編集者。
- 平松令三(ひらまつ れいぞう)
- 京都の大学の教授。著作に『真宗史論攷』など。
- 1つ目の話 向こうから来る 母親の日記
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- 大佐木(おおさき)
- 主婦。
- 夏南(かな)
- 大佐木家の長女。
- 武内優紀(たけうち ゆうき)
- 夏南と同年代の幼女。
- 佐伯樹理(さえき じゅり)
- 夏南と同年代の幼女。
- 黒田(くろだ)
- 町内会の会長。
- 野村悠斗(のむら ゆうと)
- 3歳児。
- 2つ目の話 異次元屋敷 少年の語り
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- 石部鉋太(いしべ ほうた)
- 少年。
- 篠塚(しのづか)
- 教師。
- 3つ目の話 幽霊物件 学生の体験
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- 〈俺〉
- 学生。
- 上田(うえだ)
- 205号室の住人。女性。
- 向井(むかい)
- 103号室の住人。男性。
- 4つ目の話 光子の家を訪ねて 三女の原稿
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- 生方高士(うぶかた たかし)
- 都内に住む男性。
- 光子(みつこ)
- 高士の妻。
- 志緒利(しおり)
- 高士の長女。
- 果緒莉(かおり)
- 高士の次女。
- 沙緒梨(さおり)
- 高士の三女。
- 慎也(しんや)
- 高士の長男。
- 5つ目の話 或る狂女のこと 老人の記録
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- 亀代子(きよこ)
- 某家の当主の妹。
- 世智(よち)
- 亀代子の娘。
他作品とのリンク
[編集]三津田信三の他の作品とのリンクが見られる。
- 刀城言耶シリーズとのリンク
- 死相学探偵シリーズとのリンク
- 喫茶店〈エリカ〉は、死相学探偵シリーズの『五骨の刃』や『八獄の界』でも登場する。
- 単発作品とのリンク
- 梳裂山地に昔から伝わる〈のぞきね〉という化物に関する言及があるなど、『のぞきめ』とのリンクがある。