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ひみつの陰陽師

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ひみつの陰陽師』(ひみつのおんみょうじ)は、藍川竜樹による日本ライトノベル集英社コバルト文庫から刊行されていた。イラストはみずのもと

概要

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下級貴族の姫でありながら家の事情で男装して出仕する真澄が、敏腕陰陽師・玲雅の元で一人前の陰陽師を目指して頑張るラブコメディー。2011年度ロマン大賞受賞作。

あらすじ

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時は平安陰陽師見習いの真澄は、右近の命令により玲雅に出仕を促すため飛鳥戸家を訪れる。そこで偶然見た玲雅の技に惚れこんだ真澄。玲雅の助手になりたいと志願する。

登場人物

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主要人物

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賀茂 真澄(かもの ますみ)
主人公。陰陽師の家系である賀茂分家の姫。本名は真子(まこ)。お家存続のため素質のない兄に代わって、性別を偽り宮廷に出仕する。
玲雅の技に惚れこみ、助手を務める。陰陽術を使う他、玲雅に代わって雑用をこなしたり、女装して情報収集を行う。
幼い頃から腕白で明るく行動的な少女。お家存続のためとはいえ、玲雅や仕事仲間を騙していることに心を痛めている。
橘内侍から、爛王の玉を託される。
爛王(らんおう)
橘内侍から託された玉に宿る真澄の式。女好きで、基本的に女の言うことしか聞かない。火を操る能力を持つ。
爛王自身は実体を持たないが、真澄の反魂術により蘇芳と身体を共有するようになる。
飛鳥戸 玲雅(あすかべの あきらまさ)
稀代の凄腕陰陽師。人嫌いで滅多に出仕しなかったが、真澄との貝合わせ勝負に敗れたため出仕する羽目になる。
傲慢で人使いが荒いが、面倒見も良い。後に真澄の秘密に気付くが口外せず、周囲にばれないよう配慮し、真澄に対しても気付かないふりをしている。
飛鳥戸家の養子であることに引け目を感じ、代々の飛鳥戸家当主の式を呼べないでいたが、真澄の言葉に勇気をもらい呼ぶことが出来た。
数や天文が大好きで、飲食を忘れて研究に没頭することが多々ある。片づけ下手で、放っておくと足の踏み場もなくなる。
河伯(かはく)
玲雅の式。代々飛鳥戸家の当主だけが使役でき、神仏から授かったという謂れがある玉に宿る美しく強力な式。故に使役するには能力だけでなく、気力や体力も必須である。
玲雅を崇拝している節があり、真澄の存在を疎んじている。
覗き魔(のぞきま)
他人の情事を覗き見ることを目的としている霊。元主計寮の下級官吏で、ある出来事の口封じのために殺害されるが、成仏せずに後宮で他人の情事を覗き見していた。玲雅の術により壺つきの霊となり、飛鳥戸家に住んで玲雅の手伝いや世話をするようになる。
蘇芳(すおう)
真澄の従者で幼馴染。真澄に恋心を寄せている。真澄を守るために命を落とすが、反魂術と爛王の力により魂を繋ぎ止める。
心臓部に爛王の玉が埋め込まれており、甦ってからは爛王と身体を共有している。
橘内侍(たちばなのないし)
帝の女秘書で、年齢不詳の謎めいた老女。玲雅に懸想しており、積極的に関係を迫ってくる。
情報通で、真澄や玲雅に協力を惜しまない。

陰陽寮

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右近(うこん)
玲雅と真澄の上役で陰陽助(おんみょうのすけ)。真面目な青年だが、妄想の世界に入りがちなところがある。偶然遭遇した真子に一目ぼれをし、以来真子への恋心を暴走させている。真澄と真子が同一人物だと気付いておらず、真澄は男だと信じている。
菅原 貴輝(すがわらの たかてる)
宮廷陰陽師の1人。文才はあるが陰陽師としての才はなく、財力で民間陰陽師を雇い使役している。司令塔として適材適所に人を配置しまとめる能力がある。処世術に疎い玲雅のフォローをするなど、面倒見が良く社交的で人脈が広い。河伯に一目惚れし、振られるも諦める様子はない。
一人称は「麿」。仕事内容によって、菅家四十八眉の中から描く眉の形を変えている。
賀茂 正直(かもの まさなお)
賀茂本家の当主で真澄の従兄。宮廷陰陽師の1人で、その実力は玲雅に次ぐと言われている。正論を重んじ、情で動かない冷静沈着な人物。
賀茂 直純(かもの なおずみ)
正直の弟で真澄の従兄。陰陽得業生。人懐こい人柄の少年。身分違いの恋に落ち、駆け落ちする。
那智若(なちわか)
貴輝配下の少年で陰陽師見習い。紀伊の波和津出身で本名は茜丸。美少女のような容貌と巫女の力を持つ。真澄とは歳が近く仲が良い。

その他

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藤原 実光(ふじわらの さねみつ)
蔵人。華やかな美貌をした色男。物事を要領よくこなす器用さを持っている。玲雅の親友だったが、呪詛事件を起こし玲雅と対決、敗れて顔の半面に醜い傷を負った。しばらく謹慎した後、再び出仕し始める。
三の姫(さんのひめ)
左大臣家の三女。外見は愛くるしい幼女だが、中身は大人びている。性格は良くも悪くも父親似。真澄を「背の君」と呼び慕う。
郁子(いくこ)
飛鳥戸家先代当主の姪。さばさばした物言いをする、華やかで理知的な美女。玲雅にとっては幼馴染であり、頭の上がらない姉のような存在。宮家で女房勤めをしている。

書籍

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  • 藍川竜樹 『ひみつの陰陽師』 集英社コバルト文庫〉、全8巻
    1. ひみつの陰陽師-ひとつ、秘め事だらけの宮廷絵巻- 2011年11月1日発売、ISBN 978-4-086-01581-3
    2. ひみつの陰陽師-ふたつ、不運な姫君は百花の陰に鬼を飼う- 2012年2月1日発売、ISBN 978-4-086-01612-4
    3. ひみつの陰陽師-みっつ、三日夜の餅をあなたと- 2012年4月28日発売、ISBN 978-4-086-01638-4
    4. ひみつの陰陽師-よっつ、黄泉姫は愛を願う- 2012年8月1日発売、ISBN 978-4-086-01638-4
    5. ひみつの陰陽師-いつつ、色にでにけり我が恋は- 2012年11月1日発売、ISBN 978-4-086-01681-0
    6. ひみつの陰陽師-むっつ、無垢なる瞳は未来をうつす- 2013年2月1日発売、ISBN 978-4-08-601701-5
    7. ひみつの陰陽師-ななつ、泣く子も黙る嵐の予兆!?- 2013年3月1日発売、ISBN 978-4-08-601708-4
    8. ひみつの陰陽師-やっつ、やっとのことで大団円- 2013年3月30日発売、ISBN 978-4-08-601717-6